ゲーム2019.03.06

仙台に根付くモーション制作の仕事を創造したい

仙台
株式会社ガニュメート 代表取締役 水野 康一 氏
株式会社ガニュメートの代表、水野氏は2011年の東日本大震災後、東京のアニメーション制作会社から仙台へ事業所の立ち上げで来られました。復興支援の意味合いもありましたが、時間が経つにつれ、東北の文化に魅かれ、この地に根ざして仕事をしたいと思うようになったそうです。現在、仙台では数少ないアニメーションに特化した企業として注目されています。

仙台での起業は復興支援から始まった

独立されるまでのキャリアについて教えてください

地元は名古屋ですが大学が山梨県で、主にプログラム言語を学び、卒業後、東京の専門学校でCGを教える講師をしておりました。当時はコンピューターに座標を入力して命令を書き込みCGを作っていた時代で、とてもプログラム寄りだったのです。Lightwave3DというCG制作のソフトがWindowsNT向けに移植され発売された頃、私自身も講師業からCG制作者へ転職しました。二次元でイラストを作成することはできましたが、それを立体的に奥行を持たせて動かす3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)の世界というのは、これからもっと成熟していくという時期でしたので、そこに面白みを感じて、どんどんのめり込んでいきました。

仙台で会社を立ち上げられたきっかけは?

2011年の東日本大震災当時、私は東京の会社に勤めており、復興支援のようなかたちで、仙台に事業所を出そうということになって、その立ち上げ担当として仙台に赴任しました。このとき10名のメンバーで仙台事業所をスタートさせたのですが、結果として4年目に独立することになりました。

私たちの仕事は「動かすこと」

現在の事業内容について教えてください。

3D、2Dのモーション制作を得意としており、アニメやゲーム制作を行っています。PlayStation®4のダンスゲームや、スマホゲームのイラストのモーション制作です。また、ゲームはほぼキャラクターデザインが決定しているので、一からデザインすることはないのですが、たとえば企業様からの広告を受注する場合は、パンフレットやポスター、CMアニメ制作を行うにあたり、キャラクターの設定、デザイン、アニメーション制作まで自社で行います。

仕事の受注は仙台・東北からが多いのでしょうか

自分自身がフリーランスだったときの人脈から仕事を頂くことが多く、仙台以外からの受注が多いのが実情です。地元である仙台の仕事を積極的に受けていきたいと思い、自社の強みを活かして勝負しようと考えています。現在、3DCGを担当している者が7名、2Dのエフェクト制作者が3名います。営業は私が行っています。

参考URL https://www.facebook.com/ganymedCG/

御社も参加されている「仙台ゲームコート」についてお聞かせください。

主に仙台に拠点を置くゲーム関連会社の集まりが「仙台ゲームコート」です。仙台のゲーム関連会社はまだ規模が小さく、各社が単独で売り出すのは難しいのが現状です。そこで、それぞれのリソースや強みを持ち寄って、お客さまにまとめてサービス提供できる環境を作ろうという事で設立されました。昨今のゲーム開発はとても規模が大きくなっており、1社ではなかなか受けきれません。そんな時にこの連携を生かして仕事を受けていくことができれば、仙台のゲーム産業も、もっと盛り上がっていくのではないかと期待しています。

参考URL http://gamecourt.org/

働きやすい会社を作るのが私の仕事です

今後どのような会社にして行きたいとお考えでしょうか

みんなで楽しく仕事ができる会社にしたいです。この「楽しく」には仕事をするうえで超えていかなくてはならない苦しい部分も含んでいます。あとで振り返って「あの仕事は大変だったけど、乗り越えたよね、成長できたね」と言える楽しさです。私たちの業界は好きで始める人が大半なので楽しいはずなのですが、お客さまからのご要望に応えきれなかったり、納期が迫って苦しくなったり、どの仕事にでもあるように、仕事が嫌になってしまう時期があります。そのときにフォローできる環境を整えつつ、苦しいことも自分の成長として楽しめる状況を作ってやりたいと思います。

一緒に働くスタッフの方にどのようなことを期待されますか

一緒に働くのなら、この仕事が大好きな人と一緒にやっていきたいです。そしてスキルアップを頑張れる方ですね。この業界は特に技術的な進歩が速いので、常に勉強していく気持ちをもって実行していく必要はあると思います。たとえば絵が好きな方は、毎日描き続けても、特別に勉強しているという気持ちにはならないと思います。好きだから描くということです。この感覚で自分のスキルに磨きをかけていけるかどうかですよね。

水野さんが心がけてこられたことは何ですか?

私が若いころは、日本語での3DCGについての情報が少なく、海外のサイトなどから情報を探して、翻訳ソフトなどを使用して学んでいました。好きだから情報にも敏感になるし、どんどん興味が湧いて手間を惜しみませんでした。ゲームが好きなら、プレイをすることもそうですが、どうやって作られているんだろうか?と興味をもってみることから始まるのではないかと思います。自分のために学んだことが、ダイレクトに会社のスキルアップにつながる業界です。自分のスキルアップは最終的に周囲の助けになりますし、極端にいうと自分の身を守り、いざというときは転職をも可能にしてくれるもの。だから社員には「まず自分のために勉強して」と伝えています。

現在感じておられる会社の課題とは

私たちの課題は社員同士のコミュニケーションの時間をもっと作ることです。もともと自分の世界観を大切にしていて、人とのコミュニケーションが苦手な方も多い。仕事上のコミュニケーションは当たり前ですが、人となりやお互いを理解するために、もっとコミュニケーションをとってほしいという思いはあります。

また、新卒求人の際にポートフォリオをいただくのですが、それを添削してお返しできればいいなと思っています。スキル不足で入社していただくことができない方がいたとして、不足点をフィードバックすることでその方に学んでほしいポイントを伝えることができます。再度ポートフォリオを送っていただければ、やる気や伸びしろを見ることができるでしょうし、学生であれば、実際の仕事に必要な知識について企業側から伝えることもできますので、自分自身のためにもなると思うのです。

取材日:2019年1月21日 ライター:桐生 由規

株式会社ガニュメート

  • 代表者名:代表取締役 水野 康一
  • 設立年月:2015年11月24日
  • 資本金:200万円
  • 事業内容:アニメーション制作業
  • 所在地:〒980-0811宮城県仙台市青葉区1-12-2 星光堂ビル404
  • URL:http://ganymed.jp/
  • お問い合わせ先:022-399-8960
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