”カフェ”はおしゃれの代名詞?「らしい」デザインを考える

福岡
ライター
kosaka
香坂

ぱくたそ[ https://www.pakutaso.com ]

 

街を歩いていると、外から眺めただけでは何の施設なのか判断しにくい建物がしばしば見受けられる。

瀟洒な住宅のように見える不動産会社とか、ホテルと見まがう介護施設とか、ギャラリーかと思ったら企業のオフィスとか。

ブランドイメージや顧客の関心を惹くためなどそれぞれに事情はあるのだろうが、街の多層的な側面が窺えて面白い。

 

この手の話で代表的なのが、「カフェかな?と近付いたら美容院だった」だと思う。

おそらく多くの人が一度は経験したのではないか、と調べると、何と超能力戦士ドリアンというロックバンドの方々が曲としてもその想いを表現してくれていた。

 

カフェかと思ったら美容院だった(超能力戦士ドリアン)【UtaTen】より

 

何とも悲哀と落胆に満ちた歌詞である。

カフェなら気軽に立ち寄れるが、美容院の場合基本的に予約制のため、気になっても用がなければ入れないのがもどかしいところなのだろう。

 

しかし、ふと考えさせられるのが「カフェっぽい」って一体何だろう?ということだ。

広告系の仕事をしていても感じるが、おしゃれなお店や部屋の雰囲気を表現するにあたって“カフェ”が比喩に使われるケースは本当に多い。

 

「まるでカフェのような」

「隠れ家的なカフェをイメージした」

「カフェ風デザインの」

 

こんな具合に、万人が共通認識を抱きやすい単語として“カフェ”は存在しているのだと分かる。

具体的に想像するカフェは各々違うかもしれないが、少なくともすっきりと洗練された雰囲気で、穏やかな空気感のくつろげる場所……といった点は共通しているのではないだろうか。

 

そして、それに関しては美容院や美容サロンも、確かに目指す方向性は一緒のような気がする。

 

例えば病院や学校、ホテル、居酒屋、スーパーなど、経営者が違ってもひと目でそれと分かる建物もあるが、それはデザインが一種の「社会的な記号」を担っているからだと思う。

一方で、「こういう場所を作りたい」というコンセプトに重なる部分があれば、業種に関わらず外観のテイストが近づくこともある。

 

長い歴史の中で培われてきた人々のイメージの蓄積が、さまざまなデザインの意味に繋がり、風景に個性を与えているのだな、と感慨深くなった。

さり気ない街歩きの中でも、こういった視点を忘れないようにしたい。

プロフィール
ライター
香坂
オリジナル会葬礼状のライター業を経て、現在は情報誌、およびWEB系のフリーライターとして活動中。漢字とひらがなのバランスに悩むのが好き。仕事におけるモットーは「わかりやすく、きれいに」。趣味はお酒・アイドル・展覧会鑑賞・化粧品。創作は何を書いても不穏な雰囲気になるのが強み、かもしれない。

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP