西暦2020年のゴールデンウィーク
天候不順に左右された令和8年、西暦2026年のゴールデンウィーク。
太陽暦の5月。関東地方ならばまさに風薫る時候。
酷暑地球温暖化の昨今にありながらも、熱くも寒くも無い時期。
梅雨に入る直前の貴重なひと月。
そのタイミングの大型連休、その体験如何でその一年の「楽しい記憶」も左右されてしまうのだから天気の良しあしは大切だ。
翻って6年前。
令和2年、西暦2020年。本来の東京オリンピック開催年だった年。
あの年のゴールデンウィークはよかった。
天気が最良だった。
ちょうどその年。
恐らくは5月初旬の連休後半。
自分は「山手線内側」のお屋敷町を散策した。
ルートはまず渋谷駅で降りる。
金王八幡から國學院大學方面へ向かう。
この通りが大通りに突き当たる。
道を越えれば典型的な「山の手」のお屋敷町。
江戸城の城下町だったお江戸。
江戸期には台地上が武家地、一方の低地上が町民地。
明治維新後は町民地が銀座日本橋浅草の繁華街となり、武家地は各官公庁に軍用地、あるいはお屋敷町となる。そして大名庭園は大型公園へ。緑が少ない大都会。それでも東京は日本の都市にあっては割りに緑が多い。そんな歴史的な流れからか。
路は日本赤十字医療センターに突き当たる。
進路を左に、北に折れる。
この付近には日赤関係者を当て込んでかささやかな商店街がある。
角地には30年前には個人経営のパン屋があったが、今はやはりマンションに。
そして道を再度右に折れれば、目の前に広がるケヤキ並木。
ケヤキは関東のランドマークである。
太い幹から枝を四方八方に広げる。
冬は竹箒にも似た梢を関東の空っ風に晒し、
夏は濃厚な葉を連ねて炎天に傘をさしかける
新緑の五月。
萌えだした葉はまだ幼い。
色淡く薄く、みずみずしい。
まさに成長途上の夢のある葉
そんな葉をまとわせるケヤキの並木道。

道を進めば左に下がる。
道端には「堀田坂」の木柱。
台地上に築かれた江戸のお屋敷町。
路は自然と坂道に突き当たる。
坂道には名前がある。
江戸期には、大名・堀田家の下屋敷に向かう坂道だったから。
お江戸の武家地。
坂を下った先は家が立て込む下町。
昔ながらの蕎麦屋がある。
地下を地下鉄日比谷線が通る大通りを越えれば、また上り坂。
今度は「鉄砲坂」。
坂下、つまり下町や大通りのあたりに幕府の鉄砲射撃場があったから。
鉄砲坂を上り切れば今度は「北条坂」。
やはり大名屋敷にちなむ命名。
その先には大通りがある。
越えれば有栖川宮記念公園。
都内に貴重な自然公園。
これもやはり前身は大名庭園。東北の南部藩の下屋敷のあたり。
明治になって皇族・有栖川家の邸宅となり、昭和初期に時の東京市に「下賜」され公園整備された。
現在、公園の北端には東京都立中央図書館がある。
30年前に最上階の食堂で食べたカレーライスが懐かしい。
さて6年前の令和2年。
コロナ禍。
三密を逃れ人々は公園に繰り出す。
だから公演はそれなりに賑わっていた。
だがベンチはこんな感じ。

座っただけで感染しかねない
本当に感染しかねないのか否か
それでも空は美しかった。
宇宙空間から空を貫き成層圏から対流圏を貫き降りそそぐ陽光。
太陽暦5月の絶妙な角度で、地上をさわやかに浄化していく。

帰りは、行きのルートをそのまま戻る。
渋谷駅ちかくでタイ料理・カオマンガイのお店を発見。
カオマンガイは美味い。パクチーが薫る。
しっかり薫るのがうれしい。
味覚や嗅覚に異常が無いのがうれしい。
例の病気に感染していない、分かりやすい証拠であったから。
本来の東京オリンピック開催年・2020年
オリンピック以上の「地球的な話題」にのみ込まれた年。
それでも5月はさわやかだった。






