WEB・モバイル2026.01.13

手話はじめました

東京
WEBクリエイター
日本文化×デザインあれこれ
いのうえ

昨年の10月から手話を習い始めました。
自身が進行性の聴覚障害者なので、今後の為にできる事をしておこうと考えたからです。
まだ始めたばかりの初心者ですが、手話を通じて気づいた事や学んだことが沢山あるので、記事にしてみたいと思います。

新しい世界

まず、私の周りには聴覚障害者は父親しかいませんでした。学校へ行っても職場へ行っても耳が悪いのは自分だけ。

手話講座は、聴覚障害者を対象に東京都が無料で開講しているものを選びました。
なので、生徒は全員聴覚障害者(難聴)です。
聴力を表す数値としてデシベル(dB)という単位を使うのですが、自己紹介の時に「私は両耳60dBです。」のように、自身の聞こえのレベルを紹介する人が多くいました。その数値を聞く限り、クラスの中では私は聞こえる方でした。

今まで、自分1人だけが聞こえない世界にいたのに、気持ちを分かち合える仲間ができた気分です。
聴覚障害者の人たちと交流する機会が初めてでとても新鮮でした。

気持ちが楽

手話クラスでは、グループワークや、ペアワークがあります。休憩時間には自由に雑談もします。
聴者ばかりの世界にいるときは、交流は最も苦手なものでした。(今もですが)
聞き取れなかったらどうしよう。話についていけないし、聞き返して変な空気にしたくない。
そんな思いが常にあり、口話が非常に億劫でした。

だけど、手話講座での交流はそんなストレスがありません。みんな難聴を抱えているので、相手がどうしてほしいか分かるんです。
例えば休憩時間は、まだできる手話が少ないので口話をします。そんな時、

・聞き返したら筆談してくれる
・常にゆっくりはっきり言ってくれる
・聞き返しても嫌な顔をしない

みんな優しいです。本当に楽で、コミュニケーションって楽しいんだなと思わせてくれる空間です。

伝わるように伝えることの重要性

コミュニケーション全般に言える事ですが、手話でも「相手に伝わっているか」は非常に大事で、意識します。

聴覚障害者にとって、視覚情報は非常に大切です。手の動きももちろん大事なのですが、表情も重要です。
手話で「楽しい」と表現しているのに、無表情だと「ん??読み取り間違えてるのかな??」と不安になります。

また、口形をはっきりつける事も必要になります。「練馬」と「群馬」は同じ手話表現になるそうです。なので、口形ではっきり、「ねりま」と言います。

初心者のうちは、小さくモジモジと手話する人もいます。不安そうな手話はやっぱり読み取る側も大変なので、はっきり伝える事が大事だなと学びました。
手話に限らず口話でも、モゴモゴ・ボソボソ喋る人がいますが、相手に伝える意識を持つことがコミュニケーションの第一歩だと感じています。

生きぬくためのツールにしたい

「手話が分かる人同士じゃないと成立しない」という意見を聞いたことがあります。私はそんなことは無いと考えています。
聞き取れなかった時に「すみません、聞き取れなくてもう一度お願いできますか?」と言うより、手話で同様の表現をプラスする方が聴覚障害者である事が伝わりやすいと思っています。

実際目に見えない障害というのは忘れ去られやすく、合理的配慮が得られない場面は多々あります。
手話をする事によって、聴覚障害者である事を印象付ける事ができるのではないかと考えています。

プロフィール
WEBクリエイター
いのうえ
WEBクリエイター(デザイン/コーディング/ディレクション) 官公庁系サイトディレクション、デザインの他、企業系大規模サイトリニューアル、ECサイト運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。 ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化とデザイン、映画について紹介します。

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