まさかのコンビニで遭遇⁉意外と個性豊かな「鳥刺し」とは

福岡
ライター
kosaka
香坂

成人して初めて食べたものの一つに、「鳥刺し」という郷土料理がある。

これは生(刺身用)の鶏肉を炙り、薄く削いで薬味とともに甘めの醤油でいただくのが特徴だ。

元々は鹿児島県にルーツを持ち、江戸時代に薩摩武士たちが鶏同士を戦わせる「闘鶏」という競技を盛んに行っていたことから、鶏肉を用いた料理が豊富に作られたのだという。

 鶏の生食はNG!のはずだが……?

しかし、鶏肉といえば、一般的に生食は非常に危険だと言われている。

私にもその常識はあったが、鳥刺しに関してはなぜか何の違和感もなく食すことができた。

たぶん一部が炙られていたため、カツオのたたきのようなイメージを抱けたのも一因だろう。

あとは「店で出てくる食べ物は大丈夫なはず」という勝手な信頼があったのも否めない。

ちなみにこの鳥刺し、独自の厳しい衛生基準が敷かれる鹿児島や宮崎特有のメニューというイメージもあるが、流通の関係からか九州他県でも扱っている飲食店は多い。

少なくとも福岡では割と当たり前のように食べられるし、大分や佐賀などで味わった際にも特に異常はなかったので、「九州内ならいける」と考えている地元民も結構いるのではないだろうか。(少なくとも私の周囲で鳥刺しの話になった時は、やはりと言うべきか、同じ認識の九州人が多々存在した)

ただ、鹿児島や宮崎はもちろん、何なら福岡の一部でも販売しているのを知っていながら手を出せていなかった鳥刺しもある。

それがスーパー等での「パック売り」である。

もちろん信用できないわけではないものの、飲食店で提供されるそれと比べると自己責任となる部分が大きいような気がして、心理的なハードルが高かったのだ。

 まさかの出逢いに「これも経験」と言い訳

そんな先日、九重の温泉宿で一晩を過ごし、適当に観光しながら帰路に付く最中のことだった。

飲み物を購入するために入店したコンビニに、まさかの鳥刺しが置いてあったのである。

 

タイミング的にやや空腹だったのもあり、丁度いいおつまみだな……と悩む。

旅先だからこそ冒険してみたい気持ちと、疲れで免疫力も落ちているし、ここで万が一のことがあったらどうする?という気持ちがせめぎ合った。

結果、私はその魅力に負けた。

すぐに食べちゃえば良いでしょう!と。

体内でアルコール消毒を行うことも忘れずに。

「宮崎県産」と書かれた鳥刺しは弾力があり、何よりもニンニクが入った?タレがとても美味しかった。

500円未満にも拘らずボリュームも十分で、これが気軽に食べられる人はいいなあ、と羨ましく思ってしまうほどの逸品だ。

鳥刺しとは、意外とタレに個性が出るもののような気もする。

定番の刺身醤油から甘辛い醤油、ニンニクやショウガを効かせたものまで、それぞれに違った良さがあり、まだまだ開拓の余地はありそうだ。

大袈裟なようだが、これを機に近くで売られている鳥刺しにも前向きになれる気がした。

お陰様で、その後も身体は健康そのものでした。

 

 

※鳥刺しの安全性に関してはあくまでも個人の感想・体験です。お召し上がりの際は体調等を考慮し、各自でご判断をお願いいたします。

◆参考サイト

農林水産省「うちの郷土料理」

ほその内科おなかクリニック「食中毒 パート1 ~消化器内科医として「鳥刺し・鳥のたたき」に思うこと」

プロフィール
ライター
香坂
オリジナル会葬礼状のライター業を経て、現在はWEB系のフリーライターとして活動中。漢字とひらがなのバランスに悩むのが好き。仕事におけるモットーは「わかりやすく、きれいに」。趣味はお酒・アイドル・展覧会鑑賞・化粧品。創作は何を書いても不穏な雰囲気になるのが強み、かもしれない。

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