ルーティンが上手くいかない?「理想の生活」を考える
皆さんにとって「理想の生活」とは何だろうか?
きびきび仕事をして、休日も忙しく充実した時間を送るとか。
できることなら、好きな趣味を楽しみながら1日じゅうゆっくり過ごしていたいとか。
もしくは静と動のメリハリをふまえ、スケジュールを立ててその通りに行動したいとか。
私はといえば、憧れるのは3番目だ。
元々本やブログなどで、誰かの1日のスケジュールを眺めるのが好きだった、というのもある。
自分が決めたルーティンをこなせれば、きっと達成感とともに眠りに就けるに違いない。
そこで、試しに「理想の1日」を書き出してみた。
6:30 起床、朝食
7:00~ ストレッチ、仕事の準備
8:15~ 始業
12:00~ 昼食
13:00~ 仕事再開
16:00 終業、休憩
17:00 夕食準備
18:00~ 夕食
19:00~ 趣味の活動、2日に1度筋トレ
21:00~ 入浴
21:30~ 読書
23:30 就寝
とりあえず仕事、食事、適度な運動をマストに組み立ててみたが、現実は気まぐれにしか身体を動かさないし、趣味やら読書やらと言っているが暇な時はネサフやSNS、ソシャゲ等で時間が潰れがちだし、そもそも夕食時から飲酒して翌朝が遅くなる日も多いし…と酷いもんである。
しいて言えば起床時間と始業時間は締め切りが毎日あった頃には守れたものの、それは単純に必要に駆られたからであり、基本夜中ギリギリまで作業するのがお決まりだ。
今日は寝ないと!とベッドに入っても瞬時に眠れるわけではないところが、体内時計の故障を物語っている。
自由時間は長すぎない方がいい?
このような理想と現実のギャップを感じるたび、「そもそも意志が弱すぎるのではないか」と落ち込むが、恐らく似たような立場の同業者は多いのではないかと思う。
いや、思いたい。
皆はじめの頃は「自分でスケジュールを調整できるのだから、自由時間も増えるしやりたいことを叶えられるはず」と期待したのではないだろうか。
だが、逆に“いつでもできる”と考えてしまい、いつの間にか手が伸びなくなるケースも少なくない。
佐々木典士氏の『ぼくたちは習慣で、できている。(2018年/ワニブックス)』でも、まさにそういった悪循環が語られている。
本書によれば、人間の自由時間は7時間以上になると、むしろ幸福度が下がってしまうのだという。
確かに同じ休みでも、計画を立てて出かけた日と1日何となく過ごした日では、前者の方がスッキリした感じがする。(家にいても映画を2~3本観られれば後悔はないのだが、近ごろのサブスクは便利すぎて「どの作品を観よう」と悩んでいるうちに時間が過ぎるのが玉に瑕である)
無意識のうちに、人の身体は達成感やメリハリを求めているのかもしれない。
また、この本では「ルーティンを達成できないのは意志が弱いからではなく、習慣化していないから」をテーマに、脳の働きに基づいた良習慣のための50のステップも紹介されているため、同じ悩みをもつ人にはおすすめだ。(私も改めて読み返そうと思いました)
理想のスケジュール!のはずなのに、息切れしたら?
……とはいえ、無理をするのも良くない。
佐々木氏も言及しているが、何にこだわっていて何なら諦められるのか、そういう欲求は人それぞれだからである。
中には私などとは違い、強い意志を持って日々をストイックに生きている人もいるだろう。
しかし、もしその結果に満足できず、「ここまでやっているのになぜ?」という方向性でストレスを抱えている場合には、ハ・ワン氏の『あやうく一生懸命生きるところだった(2020年/ダイヤモンド社)』を読んで一息吐いてみて欲しい。
ハ・ワン氏もかつては会社員とイラストレーターという二足の草鞋生活で疲れ果てていたそうだが、ある日人生を見直し一気に方向転換。
今やごろごろしながらビールを飲むことだけが日課に…とコミカルに書かれているものの、ようは「自分は自分だと割り切り、不満を持たない人生に舵を切った」のだ。
彼は韓国人なので、生活の価値観に関してはやや違いも見られるが、根本的な“生き方”については共感できる部分も多かった。
ちなみに、佐々木氏は理想の生活を送るために一念発起し断酒。ハ・ワン氏は特技に「昼ビール堪能」と書くほど気ままに呑んでいる。
限られた人生、酒との付き合い方も考え方次第だ。
さて、私も“理想の生活”と向き合い、健康的な分量を見極めるとするか……。
