”映え”だけではない命の存在感~観葉植物との出逢い~

福岡
ライター
kosaka
香坂

観葉植物が欲しい。

それは昨年引っ越してから、いや何なら実家を出てからずっと漠然と考えていたことかもしれない。

 

気に入った家具をイメージした場所に配置しても、何となく物足りない感じがしていた。

ぼんやりと空間が空いているような、締まりがないような、そんな雰囲気だ。

 

どうにかこのセンスを補ってくれるアイテムがないものか…と模索していたところ、たどり着いた答えが観葉植物だった。

 

しかし、これまで手を出してこなかったのには理由がある。

それはシンプルに「世話できる気がしない」と思っていたからである。

 

花に比べると水やりの回数は少ないし、肥料や植え替えもそこまで必要ないし…というのが一般的なイメージだが、そうは言っても家庭菜園すらまともにやったことのない人間にとってはハードルが高い。

 

とはいえ。とはいえ、だ。

インテリア系のブログやSNSを見ても、カタログを見ても、オシャレな家は必ずと言って良いほどグリーンが映えているわけで。

憧れと現実の間でうんうん唸りながら、このたび本格的に考慮しようと、既に育てている友人やお世話になっている美容師さんに聞いてみた。

 

すると、みな一様にして言うのが「失敗しながら成長するんだよ」という言葉である。

 

「インテリア目的だと最初から大きいものに手を出しがちだけど、その分値段も高いから枯れた時の落胆がでかいよ」

「何万出しても枯れる時は枯れるよ」

「種類によっては風呂場に置いておかないと湿気が足りなくなるやつもあるよ」

「初心者ならパキラがいいよ」

「ていうかパキラを枯らすようならもうやめとけ」

「お金を惜しむなら100均で小さい鉢を買って育てるのもおすすめ。結構普通に成長するらしいよ」

 

とまあ、色々な意見があったが、小さな鉢を気長に育てるのはせっかちな私には到底無理だ!と思い、とりあえず助言の通りパキラを探す旅に出ることにした。

(美容室の雑誌で天井くらい伸びたパキラを見て、美容師さんから「そのくらいになることもありますよ。照明に向かって伸びるので」と言われ、一抹の不安を覚えつつ…)

 

そして、お迎えしたのがこちらのパキラである。(左は数か月前の購入当初、右は最近のもの)

 

 

某ホームセンターにて、大きさの割に良心的な価格で提供されていたのが決め手だ。身もふたもない。

 

やって来た当初からすると少しずつ芽が伸び、想像していたより横に大きくなってきた。

右の画像の方が彩度が明瞭なため、まるで別人と挿げ替えた誇大広告みたいになっているが、紛うことなく同じ個体であることを言及しておきたい。

物静かな存在だが、葉が伸びてくると生きているんだなあ…としみじみ感じさせてくれ、殊更にかわいい。

 

そう、この観葉植物という生きもの、思った以上にかわいいのである。

いかに気分がぐったりしていても、家を空ける時でも、ついしっかりカーテンを開けて照明を付けたままにしてしまう。もはや自分よりパキラの機嫌をうかがっている状態である。

 

そして数か月ともに過ごしてみて、私は決意した。

仲間を増やしてあげよう、と。

もちろん単に自分が欲しかっただけだ。パキラをある程度枯らさずお世話できたら、同じく初心者向けらしいモンステラを買おうと思っていたので!

 

というわけで、モンステラを求めて再度同じホームセンターに足を運び、購入したのが以下の2点である。

 

 

……ご覧の通り、全然モンステラではない。

 

時期を逃したのか、そもそもモンステラがほぼ置かれていなかったのもあるが、ディフェンバキア(左)の活き活きした葉の様子と、クロトン(右)の鮮やかな色彩に目を奪われてしまったのが敗因だった。いや、むしろ勝因か。

 

調べた限り、幸い上級者向けではなさそうなのが救いではあるものの、パキラでだいぶ調子に乗った感はあるので油断せずお世話していきたい。

 

何はともあれ、部屋は以前より(物理的にも)明るくなったし、僅かながら生活にメリハリも付いて充実した感じがする。

 

新たな趣味になるといいな、と希望を抱きつつ、今は保護者よろしく成長ぶりを写真に収める日々である。

 

※キャプチャ画像参照元:ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/20230601157post-47343.html

プロフィール
ライター
香坂
オリジナル会葬礼状のライター業を経て、現在はWEB系のフリーライターとして活動中。漢字とひらがなのバランスに悩むのが好き。仕事におけるモットーは「わかりやすく、きれいに」。趣味はお酒・アイドル・展覧会鑑賞・化粧品・創作。

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