WEB・モバイル2025.12.08

【東京都】聴覚障害者を取り巻く取り組み

東京
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日本文化×デザインあれこれ
いのうえ

日本で初開催となったデフリンピック2025が無事に閉会しました。
日本は水泳などで金メダルを獲得しました。その結果、過去最多の51個のメダルとなりました。
金メダル16個、銀メダル12個、銅メダル23個です。

デフリンピック開催をきっかけに聴覚障害者および、とりまく環境に意識を向けて貰えると嬉しいです。

今日は東京都が行っている聴覚障害者支援の一部をご紹介します。

デフリンピック公式サイト

補聴器購入費用助成事業

補聴器ってとっっっても高いのはご存じでしょうか。
最新モデルの上位グレードには片耳50万を超えるものもあります。
安くても20万前後するので気軽に買えるものではありません。
障害者手帳を持たない聴覚障害者はこれらの費用を自己負担しなくてはなりません。

そこで、居住エリアによって違いはあるのですが、購入費用を一部負担してくれる取り組みがあります。

例えば品川区の場合

中等度難聴者補聴器購入助成事業

中等度難聴者補聴器購入助成事業の詳細はこちら
満18歳以上65歳未満で、両耳の聴力レベルが40デシベル以上70デシベル未満の身体障害者手帳(聴覚障害)交付対象とならない方が対象。

高齢者補聴器購入費助成事業

高齢者補聴器購入費助成事業の詳細はこちら

条件下記3つすべてを満たす必要があります。
・区内に住所を有する満65歳以上の方
・聴覚障害による身体障害者手帳の対象とならない方
・耳鼻咽喉科の医師から本事業の基準を満たす証明を受けた方

高齢者補聴器購入費助成事業は、令和7年4月から上限72,450円まで支援されるようになりました

高い補聴器を購入する負担が少しでも軽くなるのでありがたい取り組みです。

中途失聴者・難聴者手話講習会

中途失聴者・難聴者手話講習会の詳細はこちら

聴覚障害には、進行性のものもあります。
私もそうなのですが、聴力悪化が進行しており、将来的に手話が必要になるかもしれないと考えている人はいます。

そこで東京都では、中途失聴者・難聴者を対象に手話講習会が無料で開催されています。
入門クラスから上級クラスまであり、約半年を1クールとして授業が行われます。
年に2回募集があり、私は今年の10月から受講を始めました。
入門クラスでは要約筆記まで整えられており、聞き取りのストレスなく受講することができます。

耳の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル

耳の不自由な方のための災害時初動行動マニュアルの詳細はこちら

聴覚障害があると災害に気づけないというのも困りごとの一つです。
電車遅延のアナウンスが聞き取れない、避難所での会話が聞き取れないなどがあります。

このマニュアルは耳の不自由な人も、そうでもない人にも目を通して欲しいもので、災害時に役に立つ資料となります。
耳の不自由な人は、サポートが必要な時にこのマニュアルを聴者に見せれば役に立つことでしょう。

最後に

あまり知られていませんが、東京都では障害に対する様々な取り組みがされています。
必要な制度を利用しつつ、少しでも負担が軽くなればと思います。
日常生活レベルでは2024年4月には障害者に対する合理的配慮が義務化されました。
どこまで配慮されるかは、個人レベルで違うのでなかなか難しい部分もありますが、障害の有無に関わらず生きやすい世の中になって欲しいと願います。

プロフィール
WEBクリエイター
いのうえ
WEBクリエイター(デザイン/コーディング/ディレクション) 官公庁系サイトディレクション、デザインの他、企業系大規模サイトリニューアル、ECサイト運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。 ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化とデザイン、映画レビューについて紹介します。

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