伝統工芸作家の新しい取り組み「加賀友禅クラッチバック」

金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお

金沢の観光地・兼六園近くの「加賀友禅会館」で、「加賀友禅クラッチバック展」が12月26日まで開催中だ。

 

加賀友禅は着物生地に絵柄や彩色をしていく石川県の伝統工芸だが、このたび作家13人が新商品として発表したのが「2022加賀友禅クラッチバック」。

クラッチバックというワードだけでもときめいてしまうのは、「女」だからかしら。

展示会では出品している作家さんがアテンドを務めており、加賀友禅や商品について直接お話が聞けるのも魅力だ。

 

今回の展示会について、加賀友禅伝統工芸士で「工房文庵」の太田正伸さんに聞いた。

太田さん曰く、基本的に加賀友禅作家さんは生地を仕入れて販売する産地問屋から、下請けとして仕事をもらっているそう。

しかし、今回は作家さん自身が商品の企画開発から製造、販売までを一貫して行う初の取り組みとして、テーマをクラッチバックに加賀友禅の組合に加入している作家さんたちがそれぞれ自由にデザインし、合同展示会として販売している。

新型コロナウイルス感染症予防などでここ数年、結婚式や葬式など着物を着て出かけるシーンが少なくなり、新しい販売方法を模索していかなければいけないと感じたのだという。

 

「加賀友禅会館」に併設されたギャラリーには、全25点の加賀友禅クラッチバックを始め、各作家さんが出品した着物や帯、名刺入れなどが並んでいる。

太田さんはオリジナルの着物や帯とあわせてデザインしたクラッチバックを販売する。

手元のクラッチバックまで、1人の作家さんで柄や色合いも合わせた着物のトータルコーディネートができるなんて、とてもおしゃれ!

加賀友禅の特徴である草花や古典柄のクラッチバックはもちろん、ユニコーンやワニを描いたポップな柄の作品もかわいい。

コロナ禍以降の逆境から新たな道を切り開く加賀友禅作家さんたちの挑戦を、今後も注目していきたい。

 

【加賀友禅クラッチバック展】

場所:加賀友禅会館
    石川県金沢市小将町8-8
入館料:大人 310円(団体260円)
     小人 210円(団体160円)
     ※団体20名様以上
開館時間:午前9:00~午後5:00
休館日:毎週水曜日(祝日を除く)
TEL :076-224-5511
FAX :076-224-5533

プロフィール
ライター
しお
ブランニュー古都。 ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。 タウン情報サイトの記者やインターネット回線系のまとめ記事などを執筆しながら見つけたもの、感じたことをレポートします。 てんとうむししゃ代表。

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