WEB・モバイル2023.10.18

オンラインでつながる「デジタルワールド」で最高の余暇時間を。「V」が指し示すのは国境を超えた成長企業

福岡
cocone v株式会社 代表取締役CEO
Choi Dongjun
崔 童竣

「福岡から世界へ」を合言葉に、ゲームやアバター事業で世界一のクリエイティブ集団を目指す福岡のcocone v(ココネ ブイ)株式会社。IT業界の最先端をリードするために、社員が健康で楽しく働けることを第一に考え、過ごしやすいオフィスづくりに力を注いでいます。日本のキャラクター文化に憧れて来日し、デザイナーを経て、2021年に代表取締役CEOに就任した崔 童竣(チェ ドンジュン)さんに、日本で働くことになった経緯、会社や社員への思い、そして今後の展望などお話を伺いました。

日本のキャラクター文化に憧れて来日。「言葉では伝わらない部分を伝えられる」魅力

崔さんは韓国ご出身ですね。来日された経緯とこれまでのキャリアを教えてください。

24歳の時に語学留学で来日しました。それが1999年です。当時、姉が日本に住んでいたので何度か日本を訪れたことがあり、日本の文化に興味を持っていたからです。語学学校を卒業後はデザインを学ぶためにそのまま日本で専門学校に入学して、2004年にデザイナーとしてNHN Japan株式会社(現NHN JAPAN株式会社)に入社しました。それから東京オフィスで働き、福岡にデザイン組織を作る話が持ち上がったのをきっかけに、2011年に福岡を訪れ今に至ります。現在はcocone v株式会社の代表取締役CEOをさせていただいています。人生の約半分を日本で過ごしていることになりますね。

日本のどんなところに興味を持ったのでしょうか?

来日する前は韓国でIllustratorやPhotoshopを使ったデザインやデータ処理などを教えていました。その頃、日本に住んでいる姉のところに遊びに来て街を歩いていると、どこに行ってもキャラクターがいっぱいだったのがとても印象的でした。なぜなら、当時の韓国にはキャラクターを利用するシーンが少なかったからです。キャラクターを通して愛情を感じられたり、言葉だけでは伝わらない部分を伝えられたりするところに魅力を感じました。
そして、教えるよりも仕事としてデザインをしたいという気持ちが芽生え、当時は「デザインと言えば日本!」と言われていたこともあり、日本でチャレンジすることにしたのです。

気づいた「権限と責任」の必要性。社名の“v”に込めた思いとは?

現在は御社の代表取締役CEOですが、ご自身で会社を経営したいと考えていましたか?

入社した頃は日本で会社の設立や経営をしたいという考えはありませんでした。けれども、日本で仕事を続けていくなかで、この先ずっとデザイナーを続けるか、もしくは別の道を歩むのか迷った時期がありました。それと同時に、組織を大きくするために新しく社員を採用していくことや、社員が作ったものが評価されて活躍していく姿を見るのが楽しかったことからマネジメントに興味を持ち、福岡でのデザイン組織の立ち上げに加わることに。それからは毎日面接を繰り返し、約3年後には80人を超える方を採用して、4年後には運営だけではなく事業も本格的に行うことになりました。
マネジメントや事業を任せてもらうなかで、やりたいことや会社に貢献できることを実行するためには権限と責任が必要だと分かりました。それを追い続けたことが今の立場につながっていたというわけです。

マネジメントが面白いと考えるようになったきっかけは、何かあったのでしょうか。

ココネグループに入る前はグループ会社の運営をサポートする立場だったので、どんなに頑張っても目覚ましい評価を得ることは難しかったんです。それが、自社で事業やサービスを手掛けるようになったことで、成果によって社員に還元できるようになったことが大きな変化だったと言えます。もちろん、お金がすべてではありませんが、それがCEOとしての目的であり、頑張っている社員にどれだけ還元できるかが重要だと思っています。

社名に込められた思いを教えてください。

“v”になったのは、会社の社員たちとある食事会の最後に撮影した写真がきっかけです。みんなが無意識にVサインをする姿を見て「これ、なんだかいいな」と感じ、“v”を付けることにしました。現在では弊社のロゴにも使っていますが、よく見ると右側が少しだけ上がっていることに気づきましたか?これは「V字回復」のように会社が少しずつ成長し続けてほしいという思いを込めています。

「会社は組織そのもの」。ランチタイムの「ベジデー」、「フルーツデー」その意図は?

現在の事業内容について教えてください。

現在の事業は主に三つです。PC向けオンラインプラットフォーム「hange(ハンゲ)」や、簡単な操作で気軽に“ちょこっと”遊べる「チョコットランド」などのオンラインゲーム事業。アバターの着せかえで誰もが自分らしくいられる居場所を提供するSNS「ピュアニスタ」などのソーシャルネットワークサービス事業。そして、2022年に設立した釜山支店と一緒に、福岡と釜山の二つの拠点から世界へサービスを届けるグローバルサービス事業です。
このグローバルサービス事業は、これまでの経験をもとに世界へ展開していこうと始まったばかりで、グローバル人材を積極的に採用して迎え入れています。出身国は北米、ヨーロッパ、アジアと様々な国や地域からの人材が集まってきました。グローバル展開するには、やはりサービスを作るだけではなく、継続的な運営と海外のお客さまとのコミュニケーションが必要になります。だからこそ、作る側からグローバルにならないと通用するサービスは作れません。世界基準の仕事をするために、これからも海外の方を積極的に採用したいと思っています。

社員の方をとても大切にされていますね。そこは理由があるのでしょうか?

会社は働いてくれる方がいて成り立つからです。もちろん業務も大切ですが、まずは社員が健康で楽しく働けることを第一に考えています。23年1月に移転したオフィスにはリビングのように寛げる空間を作り、ランチタイムには「ベジデー」「フルーツデー」を設けて、不足しがちな野菜や果物をバイキング形式で提供しています。一食でもいいので野菜を食べてもらいたい、そんな気持ちから始めました。
その根幹にあるのは、弊社グループの千良鉉(チョン ヤンヒョン)会長がよくおっしゃっている「会社は組織そのもの」という言葉です。人がいて組織となり、組織があるから会社を維持できて成長できます。会社は長い時間を過ごす場所なので、少しでも居心地を良くして仕事に専念できる環境を作る、それが千会長の想いでもあり、会社のDNAとして私にもしっかり刻み込まれていると感じています。

成長し続け、作品に愛情を注ぎ、チームワークを大切に。目指すは世界が注目するグローバル企業

グローバル事業を展開されるようですね。ぜひ今後の展望をお聞かせください。

現在準備をしているグローバル向けサービスが来春リリースされる予定です。世界で通用するサービスを作ろうと、現在グループ全体で頑張っています。まずは世界にどれだけインパクトを与えられるか、どのようなお客さまに使ってもらえるか、その実態を知ることからです。それを経験として蓄積し、失敗しても過程と捉え、何回も繰り返すことで最終的にネームバリューを高めていきたいと考えています。そして、全世界の優秀な方々にcocone vで働いてもらえれば、ココネグループが掲げている、オンラインで世界中が結びつく「デジタルワールド」を目指すことにもなります。

デザイナー出身の崔さんから社員のみなさんにアドバイスしていることはありますか?

会社にはデザイナーだけでなくエンジニアや企画プランナーなどいろいろな職種がありますが、伝え続けているのは常に成長を意識することです。それは社員の成長が会社の成長になるからです。例えば、デザイナーなら、電車の中吊りや街のポスターなどからトレンドを知ることができてアイデアのヒントになります。そういった視点を忘れないことが、社員、そして会社の成長につながります。

これからクリエイターを目指す方へメッセージをお願いします。

入社する社員には必ず伝えていることが三つあります。一つ目は、先ほどお話した成長の大切さです。二つ目は、自分の作る物に愛情を持つこと。これは、お客さまに提供するサービスだけでなくどんなことに対しても言えることで、愛情がないと作る側の想いは伝わらず、中途半端な気持ちは必ずバレてしまいます。三つ目は、チームワークを大事にすること。なぜなら、病気や急用で休まないといけない時、助けてくれるのは一緒に仕事をしている仲間だからです。もちろん、自分のタスクも大事ですが、タスクだけを追っていると横のつながりが弱くなってしまいます。私は「タスクワークを助け合うのがチームワーク」と表現していますが、やはり会社にはチームワークが大事だと考えています。
これからクリエイターを目指している方も、いずれはいろいろな人とつながり一緒に仕事をする日が来ると思いますので、この三つの言葉を贈りたいと思います。

取材日:2023年9月4日 ライター:井みどり

cocone v 株式会社

  • 代表者名:崔 童竣
  • 設立年月:2009年1月
  • 資本金:5,000万円
  • 事業内容:オンラインゲーム事業(PCゲーム/スマートフォンゲーム)、ソーシャルネットワークサービス事業(アバター/コミュニティ)、グローバルサービス事業
  • 所在地:〒812-0007 福岡県福岡市博多区東比恵3-1-2 東比恵ビジネスセンター3階
  • URL:https://coconev.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記サイトのお問い合わせフォームへ

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