夢と想いがつまったスタジオでこれまでにない映像編集に邁進する

名古屋
株式会社エディットワン 代表取締役
Hiroaki Uno
宇野 弘哲

名古屋のトレンド発信地・矢場町に真新しいスタジオを構え、企業VP(ビデオパッケージ)をはじめとする多彩な映像編集を手掛ける株式会社エディットワン。代表の宇野 弘哲(うの ひろあき)さんは、名古屋の映像編集会社で13年のキャリアを重ね、2020年に独立起業を果たしました。時代とともに変化し続ける映像技術を学び、顧客の期待を上回る作品づくりを心がけている宇野さん。エディットワンを立ち上げたいきさつや仕事で大切にしていること、クリエイターへのメッセージなどを伺いました。

フリーターから再起。そして独立へ

独立までのキャリアを教えてください。

工業高校を卒業し、大学には進まずに映像系の専門学校に入りました。そこで映像編集の勉強をしたのですが、志望していた会社への就職が叶わず、2年ほどフリーターをして過ごしました。その後、名古屋の映像編集会社に拾っていただいて、そこで13年ほど働きました。
勤めていた会社では企業VPやCMなどを手掛けていたのですが、私は直案件ではなく代理店やほかの映像会社の編集サポートを主に担当し、そこで得たネットワークが独立につながりました。

独立の決め手になった出来事はありましたか?

独立した2020年頃、小規模の映像編集スタジオが名古屋に複数できたので「自分にもできるかな」という期待がありました。私の編集技術を評価してくれる方が社外にいましたし、大きく高額だった編集機材が時代の流れでコンパクトになってきたのも後押しになりました。
映像編集の世界では“独立して一人前”といった風潮があります。10年以上のキャリアを重ねて第一線で働いていたので引き継ぎの懸念はありましたが、会社には数年前から話を通していたので円満に独立できました。

内装デザインまで自ら手がけた自慢のスタジオ

独立して感じたメリットを教えてください。

会社員時代に比べて意思決定がものすごく速くなったことにメリットを感じています。以前は新たな編集機材やソフトウェアのプラグインを購入する際に遠慮もありましたし時間もかかっていましたが、必要性を感じたらすぐ導入できるようになりました。

逆に大変だったことはありましたか?

立ち上げ当初は映像編集の仕事をこなしつつ、法人化の書類準備やロゴデザイン、事務作業、スタジオのリノベーション計画などを並行して進めていく必要があったので大変でした。実はこのスタジオ、リノベーションの設計図を自ら描いているんです。

設計やスタジオ設備でこだわった点を教えてください。

例えばオフィスに入ってすぐに曲線デザインの壁があるのですが、壁のない状態からのリノベーションなので大変でした。
スタジオの特長としては、約20名まで入ることができる大きな試写室を備えています。また、中央のモニターに縦横を変えられる回転機構を採用しているので、街中で見かけることが増えてきた縦型サイネージの映像確認もスムーズに行えます。
おかげさまで「オシャレで落ち着く空間だね」と褒めていただくことが多いですね。

コロナ禍をもろともせず成長を遂げる今

独立された2020年はコロナ禍の最中でしたが、影響はありましたか?

コロナ禍の影響はほとんど受けなかったというのが実際のところです。コロナ禍で人に会えない分、映像を使ってアピールする手法を各企業がとったので、映像業界全体としてはむしろ追い風だった気がします。
ただ、撮影が土壇場でキャンセルになるケースがあったので、スケジュールが急に変わってしまったことはありました。

会社名「エディットワン」の由来を教えてください。

私の苗字「宇野」とスペイン語で1を表す「UNO」の言葉遊びで、洒落を効かせて社名に「ワン」を付けました。

事業内容と現在のビジネス状況も教えていただけますか?

事業内容に関しては、映像編集一筋といった感じです。独立前からお世話になっていたお客さまに加え、紹介などを通じて新たなお客さまも着々と増えている状況です。

表現に自分なりの解釈を加える醍醐味

エディットワンの強みや特長はどこにありますか?

「エディットワンは速くて出来がいいよね」と言っていただくことが多いです。 また、映像編集は素材が同じでも編集者によって完成する映像がかなり違います。映像イメージの基となる絵コンテなどはもちろんいただきますが、私は比較的自分の解釈を加えてよりよい映像にすることを心掛けていて、その点を評価いただけているのかなと感じますね。

独自の解釈を加えることで、どんな反応があるのでしょうか?

時には怒られることもありますが(笑)。「圧倒的に良くなった!」と言っていただけることも多いです。また、そう言っていただけるように自分の中でのハードルを常に高くしています。

自らハードルを上げられる理由を教えてください。

大変ですが、手抜きをした部分は不思議とバレてしまい、結局、修正依頼が入ります。「クオリティの低い状態では出せない」とはじめからしっかりと追い込むほうが、最終的な作業量は少なくできると信じています。

進化し続ける映像業界。大切なのは自ら学ぶ姿勢

日々のお仕事で心掛けていることはありますか?

映像編集の世界は進歩が早く、思いもよらない映像表現手法が次々と現れます。私よりずっと若い10代の若者がすごい映像を作ったり、映像素材として販売したりする時代でもあります。年齢やキャリアに関係なく、素晴らしい映像から学ぶ姿勢を心掛けています。

スタッフとの関係性で大切にされていることはありますか?

現在はアシスタントと2人で編集作業を行っています。そのアシスタントは業界経験があったわけではなく、独学である程度の編集ができるようになった方なので教えるべきスキルは多いのですが、独学で学ぼうとした意識の高さを買っています。貪欲に学んで、私を超えてほしいと願っています。
アシスタントに映像編集のスキルやノウハウを試行錯誤しながら教えていくことで、私も理解の振り返りをしている感じがありますね。

今後のビジョンを教えてください。

まずは、今のお客さまを大事にします。その上で、成長したアシスタントにビジネスを広げてもらって、次のアシスタントを募っていきたいです。
技術が伴っていない方をどんどん入れて映像編集を行うような会社には絶対にしないです。

若者に期待。「これでいいや」と思わないで

名古屋のクリエイティブ界隈に感じることはありますか?

映像技術の進歩やトレンドの変化は、アメリカをはじめとする海外のほうが速く、東京でも5年くらい遅れていると感じます。名古屋に関しては、そこからさらに5年遅れのイメージです。

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

クリエイターのひとりとして日々感じているのは「死ぬまで勉強だ」ということです。どこかで満足して「これでいいや」と思ってしまったら、すぐに時代遅れになってしまいます。
常に勉強して新しい技術を取り入れて、古い技術はどんどん捨てていく勇気も必要です。アシスタントにも「昔はこんな技術があったんだよ」と伝えはしますが、詳しく教える必要はあまりないと感じています。
映像表現に慣れ親しんだ今の若い世代は、アマチュアでも本当にすごいものを作ります。実際、高校生が生み出す映像から学ぶことも多いです。これからさらに若い方達がもっとすごい映像を作る時代が来るのが楽しみですね。

取材日:2022年12月17日

株式会社エディットワン

  • 代表者名:宇野 弘哲
  • 設立年月:2021年7月
  • 資本金:200万円
  • 事業内容:映像編集
  • 所在地:〒464-0008 名古屋市中区栄3-19-19 フォルテ栄405
  • 電話番号:052-886-0927
  • URL:https://www.edit-1.com
  • 連絡先:

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