原宿のクリエイティブ空間!クリエイターのもうひとつの仕事場『THE TERMINAL』

Vol.82
THE TERMINAL マネージャー 渡邊新さん
テレワークなど、無線通信やクラウド化の環境が充実したことで、会社や事務所以外で自由に働くスタイルが注目を集めている。街のカフェでノートブックやタブレットを前に、黙々と仕事をしているクリエイターを見かけた人も多いのではないだろうか。 今回取材した『THE TERMINAL』は、そんなノマド達に支持されるカフェのひとつで、原宿で半年前にオープンしたばかりのスペース。個性的なインテリアの店内には、仕事に必要な環境が整っている。しかしワーキングカフェにありがちな敷居の高さはなく、誰でもふらっと立ち寄り、心地よい音楽に包まれながら集中できる場所だ。ここで定期的に開かれている、幅広いジャンルのクリエイターを集めて開催しているイベントはメディアに掲載されることも多い。 マネージャーの渡邊さんに、話題の空間『THE TERMINAL』についてうかがった。

人や情報の行きかうスペースに

the terminal

『THE TERMINAL』のコンセプトは?

「TERMINAL」は、駅や飛行場の始点・終点という意味で、お店は行き交う情報や人のハブをコンセプトにしています。足を運んでくださると気付くと思いますが、貨物や空港をイメージさせる空間づくりとなっています。こちらがグランドオープンしたのは2011年の8月5日、今から約半年前になります。ちょうどPCを持ち歩き外で仕事をする「ノマド」が注目され始めた頃で、そうした方達のニーズに応える場所を作りたいと、当店プロデューサーが思ったのがきっかけですね。オープニングパーティーでは数百人が集まり、大きな反響がありました。最近ではこうしたカフェは珍しくないですが、半年前はまだ少なく、日経MJやWBS(テレビ東京・ワールド・ビジネス・サテライト)に取材を受けたりしました。

こちらを利用するのは、どんな方でしょう?

フリーランスの方が多いとは思いますが、週末は会社勤めの人達で賑わっているように感じます。「家では集中できない」「いつもと違う場所で仕事に集中したい」というケースがあるようです。 お客様は仕事でご利用されている方がほとんどですね。4~5時間いらっしゃる方も珍しくありません。時間帯によっては満席になることも多いので、自分の好きな場所で自由に働くスタイルが定着してきているんだなと思います。

こちらのシステムについておしえてください。

image_082_02

1月23日より、どれだけいても1,050円コースをスタートしました(混雑時は最長3時間まで)。このほかに1時間ごとや1日コースもありますので、お好きなものをお選びいただけます。 2つあるMeeting Roomは、1時間毎1,000円でご予約・ご利用いただけます。コンテナを改造した独特の雰囲気が新鮮なのか、わざわざこちらでミーティングをする近くの会社もあるくらいです(笑)

 

image_082_03

店内は全54席でiMac6台のほか、プリンターやコピー機をご用意。どの席からも電源が取れ、無線LANを完備しています。

 

image_082_04

また屋上に設けたテラス席からは、原宿の街が見渡せて解放感があります。屋上は煙草もOKです。 スペースの貸切もできますので、プレゼンやイベントなどでご利用いただくことも可能です。フードやドリンク、アルコールも充実しているので、クリエイターにとって幅広い使い方ができると思いますよ。

 

クリエイターの「ツボ」をつくイベントやディスプレイ

クリエイター向けのイベントも定期的に開催されているようですね。

sukiyaki

そうなんです。PR会社の4Kの堀内さんと、f.a.tの関さんが企画をするトークイベント『SUKIYAKI』は、2月にめでたく第4回目となりました。これは「いまだに好きなボツ企画」(笑)を語り合う場です。クリエイティブな場で仕事をしていると、いろいろな事情で実現しなかったアイデアってたくさんありますよね。でも採用されない=優れていないというわけではなく、その企画はまだ可能性を秘めていたりします。どれだけボツになろうとも「上を向いて歩こう」ということで『SUKIYAKI』と名付けました(笑)第4回では、大日本タイポ組合(タイポグラフィーユニット)と村上 周(アーティスト/アートディレクター)さんをゲストにお迎えし、とっておきの未公開アイデアを存分に語っていただきました。これまでの回では、谷尻誠さん(建築家)/長谷川踏太さん(ワイデン+ケネディ トウキョウ エグゼクティブ・クリエイティブディレクター )、秋山具義さん(アートディレクター)/遠山正道さん(株式会社スマイルズ代表取締役 )、熊野森人さん(eredie2 代表取締役/プランナー・クリエイティブディレクター) TYMOTE 井口皓太 さん/ 飯高健人さんにご登場いただいてます。

デザクリ

このほかのイベントでは、ジョージクリエイティブカンパニーの天野譲滋氏が主催となり、話題の若手デザイナーやクリエイターと語り合う『デザクリ討論会』も毎回盛り上がっています。2月は『激論!! 進化するプロの女子ブロガーが語る セルフブランディング術』をテーマに、村上萌さん(ブロガー/プロデューサー)鈴木淳子さん(ファッションブロガー/アートディレクター/デザイナー)佐藤利樹さん(プロジェクトデザイナー/エプロンブランド〈HONEY MOON〉オーナー)にお越しいただきました。

ところで店内には、おもしろい本棚コーナーがあるようですね。

image_082_07image_082_08

 

『BookMe!』のことですね。クリエイターの頭の中を覗き見るコミュニケーションツールとしての本棚をコンセプトに、毎月、話題のクリイターやインディペンデントパブリッシャーが本棚をディレクションするコーナーです。気になるあのクリエイターはいったいどんな本を選ぶんだろうと、わくわくできる企画です。 10月には、ディスクユニオンが運営し、ブックコーディネーター/クリエイティブディレクターの 内沼晋太郎(numabooks)がプロデュースを務める読書用品ブランド「BIBLIOPHILIC(ビブリオフィリック)のショップも限定オープンしていました。「本のある生活」を楽しむために、本と人との間でそれぞれの役割を果たすアイテムを並べました。本のアクセサリーってこんなにあるのかと、とても新鮮でしたね。 また「本棚から見る人間性」という企画では、いろんな人の本棚の写真を集めて、大賞を決めました。ある建築家の方は、立体的に積み上げた本のタイトルが360度どこからでも必ず見える構造になっていたりと、おもしろい作品ばかりでした。 まだ未定ではありますが、今後の『BookMe!』では、個性的で面白い出版社「ミシマ社」さんとのコラボを予定しています。お店にいらした際には、ぜひチェックしていただければと思います。

ひとりでも貸切でもOK。面白いことが生まれる自由な空間に。

『THE TERMINAL』のこれからは?

これからもオープンに、いろいろな人達に自由に使ってもらえる場所でありたいと考えています。コンセプトのハブとしてたくさんの人や情報が集まることで、『THE TERMINAL』を起点に何かおもしろいことが生まれるんじゃないか、そんな期待をしています。

最後にクリエイターへのメッセージをお願いいたします。

image_082_09image_082_10

 
【インタビュー対象者】 THE TERMINAL マネージャー 渡邊新さん

【インタビュー対象者】
THE TERMINAL
マネージャー 渡邊新さん

ぜひ多くのクリエイターの方々に、こちらを訪れていただきたいですね。1人でゆっくり過ごすのはもちろん、スペースの貸切もできますので、セミナーや個人のワークショップにもご利用いただけると思います。暖かくなったら、夜は夜景も楽しめますので、屋上もおすすめです。 定期的に開催しているイベントの数々には、たくさんのクリエイターが集まります。 ぜひお気軽にご参加ください。お待ちしています。

■THE TARMINAL http://theterminal.jp/

取材/2012年2月21日 取材・文/ぱうだー

続きを読む

クリエイティブ好奇心をもっと見る

TOP