名前をつけてやる

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 12
コジマカツヒコ

みなさん、なんて名前で仕事をしていますか。

 

私は漢字をカタカナに開いただけ。理由はすぐ書き終わるから。ものぐさですね。

 

先日、いつも寄る新宿のコンビニに若い新人さんが入りました。

女優の吉岡里帆ちゃんを少しクールにしたような横顔が映える美人さん。

そのせいか近所の専門学校の男子生徒に人気の様子で、レジ待ちの列が明らかに

以前よりも長くなっている。めざといな君ら。

 

前に並んでいる男子生徒二人がひそひそ声で語る

「吉岡さんだって」

 

会計が私の順番になって、ああ、なるほど。

制服のネームバッジに大きく「吉岡」(もちろん仮名)と書かれていました。

 

 

そういえばSNSのアカウントは実名であるべきか匿名なのか、いろいろ物議を醸していますね。

というか、それ以前から、個人名を筆頭とするプライバシーの保護がとても

デリケートな扱いをされるようになっていて、あれからもうかなり長い時間が経っているはず。

 

だからネームバッジは盲点でした。SNSではなく仕事ですけれど。仕事とはいえ。

 

さらに、もしやと思い受け取ったレシートを見ると「責 : 吉岡」。

 

するってぇと何かい?   と興味が芋づる式になって止まらない。

仕事場へ戻るなりレシート袋(領収書やレシートを溜めておくビニール袋)をひっくり返してみる。

多くはイニシャルや数字の記号でしたけれど、それでも地元のお店のあっちやこっち、

意外なほどにばっちりといろんな方の本名が印字されていました。3~4割くらいの身バレ率。

 

仕事の名前をどうするか?  悩んでいる職場って意外と多いのかもしれません。

ことさら「大変だ」と提言する気持ちは今は無いです。無いですけれど、前出の「吉岡さん」の

親御さんはストーカー被害など心配でしょうね、きっと。

 

でもまあ、何か解決策はないものかヒマなので考えてみましょう。

できれば思い詰めたようなヤツじゃない、ちょっと楽しい解決策はないものか?

 

 

あったのですよ。ぼーっと観ていたテレビのニュースにヒントが。

 

     東京都で今日あらたに124人の感染が確認されました。内訳は

   「接待を伴う飲食店」での感染が57人~ 

 

 

せったいをともなういんしょくてん 

 

 

これだ。この手があったじゃないか。

古来、日本の水商売において嬢やホストのプライバシーを守り続ける「源氏名」というやつ。

 

   例)「こんばんわ、アケミで〜す」←殆どの場合アケミではない。

 

この、日本が誇る美しき偽名文化をコンビニやスーパーに導入してはどうだろう?

 

店員の吉岡さん(女性19歳)は「ジュリエット」、店長の古川さん(男50歳)は「ロミオ」とか。

「チッチ」と「サリー」、「貫一」「お宮」、なんなら「初号機」と「弐号機」でもいいんだけれど。

 

   “ 業務放送、エカテリーナ2世さん、大塩平八郎さん、レジ応援願います!  ” なんてのも。

 

ストーカーを未然に防ぐ効果は抜群。しかも職場がちょっと、

ほんのちょっとだけ、心温まる楽しい空間になりはしないだろうか?  

ならないか。

 

 

今回のタイトルはスピッツの2ndアルバムからもらいました。

言葉がどこに落ちるでもなくずっと浮遊し続けるこのセンス。憧れます。中身も名盤です。

写真 :  スピッツ  名前をつけてやる Copyright © 2020 Grasshopper Co., Ltd. All rights reserved

 

プロフィール
コピーライター
コジマカツヒコ
30数年前、マスコミ電話帳を片手に「使ってくれませんか?」の電話勧誘を繰り返し「ゆ」のページに書かれていた制作会社に潜入。流通やメーカーのハウスエージェンシー、広告代理店を経て独立。得意領域は流通小売・メーカーの広告や販促ツールいろいろ。趣味は水泳と愛猫の育成、お酒と無駄話。お仕事のご依頼は kojimakatsu@icloud.com までメールくださいませ。

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP