故郷とはいえ、知らないことばかり。
「ここ、来たことないなー」
最近、取材のため、四日市市大矢知地区を訪ねる機会がありました。
大矢知は、手延べ冷麦やそうめんの生産で知られています。

今回の取材も、その生産現場を取材することでした。
現場に着いた最初の印象は、「ここ、来たことない!」ということ。
生まれた土地なのに、この歳になっても知らない場所があるということに驚き、
取材の合間に、大矢知の街を散策してみることにしました。
江戸時代の陣屋跡
少し歩くと大矢知興譲小学校が見えてきました。
学校の横に「大矢知陣屋(想像図)解説」という案内板があります。
大矢知は、江戸時代終わりごろまで桑名藩の領地でしたが、
1823(文政6)年、藩主・松平忠堯に武蔵国・忍(おし、現在の埼玉県行田市)への
国替えが命じられます。
忍藩は桑名藩よりも石高が低かったため、
不足分を補うために桑名藩の領地より4万3千石が忍藩となりました。
交通の要衝である大矢知に陣屋が置かれ、この小学校は陣屋跡とのこと。
さらに、1870(明治3)年には同じ敷地に藩校「興譲堂」が開設されました。
ちょうど休み時間だったのか、運動場には子どもがいっぱい。
この子たちは、陣屋跡、藩校跡で遊んでいるのか……。
ほう……。
それはすごいなとしばらく眺めてしまいました。変な人だったかも。
後で聞いた話ですが、昔は木造の立派な校舎だったとのこと。
うらやましいぞ。
切符売場では思いがけないものが登場
帰りは三岐鉄道三岐線に乗車。
大矢知駅で切符の自販機がなかったため、窓口で切符を買ったところ、
なんと硬券!
いつぶりかな、こんな切符!
駅員さんは、ふつうにはさみを入れて「ハイ」と渡してくれました。
「はさみを入れてもらう」というのもワクワクしました。
三岐鉄道は、他の駅でも硬券が購入できるそうです。
ローカル線のためなかなか列車が来ず、ながーくホームで待ちました。
ベンチに座って風に吹かれ、気持ちの良い時間。
手延べ冷麦を手間暇かけて生産している人たち、
陣屋跡に藩校跡の小学校、大きな道路のない地域の街並み、
思いがけない硬券、と、「知らないこと」が世界にはまだまだいっぱいある。
そういう気づきがうれしい取材となりました。






