おまけの深読み

宮城
ライター
KIROKU vol.30
佐藤 綾香

 

買い物でおまけが出るとうれしいものだけれど、こんなに深読みをした(せざるを得ない)おまけをもらったのは初めてのことだった。

一人分のジャンクフードを購入してついてきたおまけは、大量の紙ナプキン。その謎に迫る。

 

 

月に1〜2度だろうか。

栄養バランスとか、翌日にくる胃もたれとか、そういうのを「うるせぇな!」と一蹴して、ジャンクフードを心ゆくまで食べて健康に悪いことをしたくなる日がある。

そんな日はだいたいストレスが溜まっていたり、頭と心が疲れていたりするのだが、それで精神のバランスを保っているから、わたしは自分には必要なことだと納得して「ジャンクフードを好きなだけ食べたい」という欲に素直に従うことにしている。

 

その日は特に疲れていた。

自宅に帰ったあとは何もしたくなかったので、ドライブスルーでハンバーガーをテイクアウトすることにした。

ハンバーガーセットを頼むのは決まったけれど、きょうはポテトのほかにも、衣がザクザクしたチキンも食べたい。

でも、食べきれるだろうか。いや、食べきれなくてもギリギリ明日に持ちこすこともできる。

よし、勇気を出してハンバーガーセットとチキンを頼もう。ドリンクはもちろんコーラで。

 

心の中でのフード会議が終了し、いざドライブスルーで注文。

すべての注文を終え、その先にほんとうに人はいるのかと疑いたくなるような無機質なマイクに向かって「以上です」と伝えた。

なんだか身が引き締まる。

車をその先に進め、受取窓口で代金を支払う。

そのあと、ようやく注文したものが紙袋に入ってやってきた。

車内は見事にジャンクフードの香りに包まれた。

 

ウキウキと自宅に帰り紙袋を開けると、一番最初にわたしの手に触れたのは紙ナプキン。

いつもよりゴソゴソしていた(表現が稚拙で申し訳ない)。

取り出した紙ナプキンは「枚」よりも「束」という単位がしっくりくるほどの量。

数えるのを忘れてしまったが、目視で20枚以上、厚みの感触で50枚程度。

いずれにせよ一人分のハンバーガーセット(今回はチキンも追加しちゃったけど)にしては多すぎる。

もしかしたら、一口かじると肉汁がドバーーーッとはじけるほどチキンがジューシーすぎるのだろうか。

だから紙ナプキンを多めにつける、というマニュアルがあるのだろうか。

しかし、実際に食べてみたけど束で紙ナプキンが必要なほどのジューシーさではなかった。

ハンバーガーも無事にすべて平らげたが、紙ナプキンをたくさん使うほど口周りが汚れるような、ソースが厄介なハンバーガーというわけでもなかった。

「せっかく大量に紙ナプキンをもらったし遠慮せず使わせてもらおう」と甘えて、いつもより紙ナプキンを使う回数を増やしても、3枚でおさまった。

余った紙ナプキンは捨てればいいのだけれど、大量ゆえに「もったいない、何かに使おう」という気持ちが大きくなってしまい、捨てられずにいる。

それだから、いま、自宅には大量の紙ナプキンが残ったままである。

 

 

謎が謎を呼ぶ大量の紙ナプキンのおまけ。

店員が適当に紙ナプキンを取ってそのまま入れて、偶然にもおまけになってしまっただけかもしれない。

だけどあの量を考えると「さすがに多すぎるな」と調整したくなるんじゃないだろうか。

もしくは「こいつはハンバーガーやチキンを食べるのが苦手そうだ」と思われて、親切で紙ナプキンを大量につけてくれたのかもしれない。

それはありがたいことだけれど、見た目だけで人を判断するのはよくない。

 

おまけに込められた気持ち自体はうれしい。

しかし、今回の大量の紙ナプキンは「おまけ」の枠組みで捉えてよいのかも、謎である。

 

 

プロフィール
ライター
佐藤 綾香
1992年生まれ、宮城県出身。ライター。夜型人間。いちばん好きな食べ物はピザです。

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