クライアントのファン代表として確かな成果を。商社時代の経験を活かしブランディングを展開

福岡
株式会社GECKO 代表取締役
Makoto Oe
大江 誠

中小企業を中心とした企業ブランディングを手掛け、事業を成功に導いている株式会社GECKO(ゲッコー)。さまざまな強みを持った社外クリエイターと連携し、企業の理想を実現しています。採用に頭を悩ませていた企業のブランディングでは、社員の想いを統一させようと社内向けワークショップを企画し、根本から方針を見直したことで、同企業に求職者が「溢れかえる」ということも。代表の大江 誠(おおえまこと)さんは、大手商社からバックパッカーを経て家具職人となり、そこからデザイン業界に飛び込んだというユニークな経歴の持ち主。ブランディング会社を立ち上げたいきさつや仕事で大切にしていること、クリエイターへのメッセージなどを伺いました。

商社から職人、そして経営者の道へ

起業までのキャリアを教えていただけますか?

社会人としてのスタートは大手の総合商社でした。ロシア原木の輸入を中心に、さまざまな商材を担当しました。総合商社の仕事は交渉ごとの連続で、すべてのフェーズできめ細かな段取りが必要です。6年の経験でビジネスに必要な交渉力が磨かれました。また、あらゆる業界の方々と付き合っていく中で、世の中の仕組みやビジネスを俯瞰して見る訓練ができました。

そこから起業への道を歩まれたのですか?

商社を辞めた後、バックパッカーになって手持ちのお金が尽きるまで1年半ほどニュージーランド、タイ、インドなどを放浪。そして、昔から興味があった職人になろうと決め、地元・福岡の家具メーカーでアルバイトをはじめました。その頃はすでに30代。高卒で修行に入った20歳くらいの先輩に小突かれながら(笑)、家具づくりの勉強をしました。
夢に向かって真剣に取り組んだことで2年が経つ頃には先輩たちを追い抜かし、造り付けの高級家具職人となって10年ほど働きました。

デザイン業界との接点はどのように生まれたのですか?

デザイン業界に飛び込んだのは10年ほど前のことです。システム構築が得意な友人に誘われて、2012年に当時流行り始めた電子ブックの会社を立ち上げたんです。しかし、電子ブックだけでは食べていけないのでフィギュアの原型をCGで設計したり、企業のPR映像を請け負ったり、グラフィックやWebのデザインやシステムの仕事を受注したりと多彩な仕事を手掛けるようになり、自然と企業ブランディング全体を担う今のスタイルになっていきました。

関わる人々を照らし続ける存在に。2017年に独立

GECKO立ち上げについても教えてください。

仕事の紹介がきっかけで名古屋エリアに太いパイプができ、いつのまにか多くの割合を占めるようになっていきました。また、協業するクリエイターの方々も固まってきたので、前の会社から個人で独立して2017年にGECKOを立ち上げ、2019年に法人化に漕ぎつけました。

会社名「GECKO」の由来を教えていただけますか?

GECKOは英語で「ヤモリ」を意味します。ヤモリは漢字で「家守」と書くように、守り神のように大切に扱われている地域もあります。
また、私の2人の娘の名前に「月」と「紅」が入っているので社名に取り入れたというのもあります。「仕事を通じて関わる人々を、夜も昼も照らし続けることができたらいいなぁ」という願いが込められています。ロゴマークの色合いも2パターン用意しているのですが、それも昼夜両方を照らす企業イメージを表現しています。

コンサルティング視点でブランディングを手掛ける訳

現在手掛けている業務内容は?

企業ブランディングということで、企業が発信するクリエイティブ施作全般を請け負っています。パンフレットや販促ツールなどのグラフィックデザインをはじめ、Webデザイン、写真・映像・VRの制作、システム開発までを行える体制を整えています。
基本的にクリエイティブの一部だけを担当するではなく、予算なども考えながら全部を任せていただきます。全体をマネージメントすることで統一感を生み出すことはもちろんですが、コンサルティング視点からのサポートも大切にしているからです。クリエイティブ施策をトータルに行うことで、効果の加速度も変わってきます。

常に、最強の布陣でブランディングに挑むために

GECKOの強みを教えてください。

フリーランスで活躍するさまざまなブレーンと連携し、ブランディングを行う企業様にとってベストな布陣でクリエイティブを行えるのがGECKOの大きな強みです。
たとえば自社にデザイナーを抱えてしまうと、そのデザイナーのテイストに企業様を合わせざるを得ないシーンが出てきます。しかし、ブランディングの軸に沿ったデザイナーをプロジェクトごとにアテンドすることで、よりよいクリエイティブが生み出せます。
また、商社時代に蓄積した業界を広い視野で見通すノウハウによって私がクリエイティブのコーディネートを担当し、今、本当に必要なブランディング施作の提案が行えるのも強みです。

これまでのお仕事で印象深いものはありましたか?

ある中小企業の採用サイトを受注したのですが、ただ言われるままに“普通の採用サイト”を制作しても効果がないと考え、制作前に採用に関わる社員様を集めて数日間のワークショップを行うことにしました。
ワークショップを通じて、採用活動の本質を全員で掘り下げたことで、そこから強いコンセプトフレーズが生まれました。デザインとの相乗効果によって、公開後には希望者で溢れかえるという成果が生まれました。それまでは求職希望者がほとんど来なかったということで、驚かれると同時にすごく感謝されました。

大切なのは、お客様の想いをどれだけ聞き取れるか

仕事ではどんなことを大切にしていますか?

いきなりデザイン提案を行うのではなく、お客様のご要望や想いを私がどれだけ聞き取れるか?が一番大事だと思っています。逆に、そこが達成できればデザイナーさんからドンピシャのデザインが上がってきます。
また、ライバル会社をはじめとする業界他社の分析もしっかりと行っています。

協業するクリエイターに求めることは?

一緒に仕事をするクリエイターさんに求めるのは、自立力です。
客先で臨機応変に話せなかったり、指示待ちだったりすると一緒に仕事をするのはちょっと難しい。安心して任せられる存在を求めています。

「まず私が御社のファンになります!」。人間的な魅力、身につけて

これからの展望やビジョンを教えてください。

実は人を雇って組織を大きくしようという計画はなく、優秀なクリエイターさんと協業する今の状態がベストだと考えています。今後も、中小企業を中心としたクライアントに提供するサービスやクリエイティブの質を高め続けていきたいです。
その一方で、さまざまな方とコラボレーションして新たなビジネスや地方創生、農業、SDGsのプロジェクトなどを創出していくことには興味を持っています。

最後に読者であるクリエイターにメッセージをお願いします。

デザインのことばかりを考えるのではなく「相手のことをどれだけ考えられるか?」がクリエイターとして成功する鍵だと思います。お客様によく言っているのが「まず私が御社のファンになります!」という言葉。それくらいの想いや愛をもって仕事に取り組んで、お客様の一番の魅力を引き出してあげないと、確かな成果は生み出せないと思います。その上で人間的な魅力を身につけて、どんどん活躍してください!

取材日:2022年11月29日

株式会社GECKO

  • 代表者名:大江 誠
  • 設立年月:2019年6月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:企業ブランディング、グラフィックデザイン、Webデザイン、写真・映像・VR、コンサルティング、システム開発
  • 本社所在地:〒811-1353 福岡県福岡市南区柏原2-26-17
    (名古屋オフィス:〒464-0063 愛知県名古屋市千種区西山元町1-66-303)
  • 電話番号:052-990-2475
  • お問い合わせ先:

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