400年かけて「ひな人形片付けないと結婚できない説」検証してみた
ひな人形を3月3日のひな祭りを過ぎても片付けないと、「結婚できない」または「婚期が遅れる」という言い伝えを聞いたことがある人も多いだろう。
しかし、金沢ではひな人形を4月過ぎまで片付けないという風習がある。
理由としては、加賀藩当主・前田利家公の命日が1599(慶長4)年3月3日、つまりひな祭りだったことに由来すると言われている。
「藩主の命日に祭り事とはなんたること!」ということで、旧暦の3月3日として4月3日にお祝いすることになったというのが、濃厚らしい。
つまり、前田利家公の死後、約400年間をかけて、金沢の民は「3月3日以降にひな人形を飾り続けたら結婚できなくなるか検証してみたー!」をやっているということになる。
ちなみに、金沢市の婚姻率も調べてみた。
不動産住宅サイト「スマイティ」によると金沢市の婚姻率は石川県内19の市町村の中で野々市市に次いで2位。
「生活ガイド.com」によると、全国815市区町村中で見ると129位とのこと。
結論、ひな人形を4月まで飾り続けた金沢市民の検証結果としては「結婚はできる」ということになる。
前置きが長くなったが、「金沢くらしの博物館」(金沢市飛梅町)で現在、「ひな飾り展~ひな道具~」が開催されている。

会期は、4月12日まで。もちろん、しっかり4月を過ぎている。
館内に展示するのは、江戸時代初期から昭和までのひな人形約200体とひな飾り。

学芸員の方からは、「ひな人形で当時の流行や生活スタイルが分かる」と教えてもらった。
家に和室があり、5段や7段飾りが主流だった昔のひな人形は目線が下向きなのだそう。
高いひな飾りの最上位にいるおひな様を、子供たちは基本的に下から見上げることになる。

だから、目線を下に向かせることで、見上げた時におひな様と目が合うよう工夫していたという。
今は7段飾りの家も少ないので、目線はまっすぐのひな人形も多くなっている。
また、大正時代や昭和時代は当時子どもたちが遊んでいたおもちゃをひな人形と一緒に仕舞い、ひな祭りの時に飾ることで幼少期を懐かしんでいた。
中には花魁道中の人形や、映画「国宝」でも話題になった歌舞伎の演目「娘道明寺」の人形も一緒に展示されている。

それもまた、段飾りがあって飾るスペースがあるからこそ。
ぼんぼりも丸いイメージが強いが昔は角型が多かったり、立派な御殿がついていたりと、時代の流れや当時の職人さんの技も見られて面白い。

金沢くらしの博物館で所蔵するひな人形やひな飾りは寄贈されたもので、最近では高齢になるまで毎年大切に飾っていたが管理できなくなったという人も多いそう。
親や祖父母から子や孫へ、「幸せに健やかに育ってほしい」という思いが込められたひな飾りは、時代によって変わらない愛情と、時代ごとに変化する伝統や技術も伝えている。
春の金沢旅行の際には、金沢らしさを感じる「4月までのひな飾り」を楽しんでみてはいかがだろう。
開催場所:金沢くらしの博物館(〒920-0938 石川県金沢市飛梅町3−31)
開催日時:2026年2月14日~2026年4月12日
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合はその直後の平日)
観覧料金:一般310円 団体(20名以上)260円 65歳以上210円 高校生以下無料







