AI vs クリエイターの私 〜その技術、敵か、味方か〜 第2話
こう見えてライター、つまり広義のクリエイターの端くれ。
自分が普段仕事として使うガジェットにはこだわりたい(※こだわりがあるとは言ってない)。
現在使っているノートパソコンは、今はなき仙台のApple Storeで買ったMacBook。
あのお店のスタッフさんにはたくさん親切にしてもらったので、できれば大事に長く使いたいと思っている。
コロナ禍も明け、クリエイティブ界隈も少しずつ元気になってきた。このパソコンで仕事をする機会も増えるだろう。
そこでカバーを買うことにしたが、色がいろいろ(洒落じゃないよ)選べるのでなかなか悩んでしまった。
なぜなら、このMacBookはピンク色だからだ。
一時期話題になった、あのピンクのやつである。
本体の色に合わせて個性は演出したい、でもシゴデキ感(仕事ができる感じ、あくまで"感じ")はほしい。
そこでAI(人工知能)に聞いてみた。
「現在ピンク色のMacBookを使っている。これに合うカバーを探している。個性的で、かつ仕事ができる印象にしたい。どんなケースを選べば良いか?」
5秒くらいで返事がきた。AIの回答は……
「いやwwwピンク色のMacBookってだけでだいぶ個性的っすよwwwとりあえず合いそうなの3つくらい出すんでいいっすか?www」(意訳)
そんなド正論突きつけないで。若干傷つくわ。
ピンク色大好き!ってわけでもないのに、自分でもなぜこの色を選んだか覚えてないんだ。若気の至りだったのかな……。まぁいいや。
その後、材質や色、自分がどのようなシーンで使いたいかなどのやりとりを数回繰り返し、無事に「グレーのプラスチック製」に決まった。
今はそのケースにこっそり集めていたシールをベタベタ貼りまくり、自分らしい(自分好みの)見た目になれるようカスタムし続けている。
ところで、このやりとりを経て気づいたことがある。
クリエイターは自分の世界観を表現したいあまりに、知らず知らずのうちに世間とズレが生じているのはよくある話。
そのズレがSNSの炎上という形で人目についてしまい、不幸になってしまうのをAIを使えば防げる可能性はないだろうか……と思った。
というのも、世界的にみてAIには原則「公平性」が求める方向に動いていて、日本でも経済産業省が今年3月に最新版の「AI事業者ガイドライン」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/20240419_report.html)を策定・公表している。
つまり「一般的にみてこれが普通だよね」というものが出るようになっている。恐らく問いかけの一発目はほぼそうなるように仕向けられている。
なので、AIを上手く利用すれば、世間とクリエイターの悲劇を生むズレを、クリエイター側が事前に察知することができるのではないか?つまりファクトチェックに使えるのではないか?と期待している。
それには一度自分が生み出したものを疑わなければならないが……、それで傷付くのは自分だけ。それに、万が一があって活動ができなくなるよりはマシではないか、と個人的には思っている。
昨今、特にグラフィック系のクリエイターたちがAIの学習による盗用・著作権侵害に頭を悩ませている。そこから、もしかするとAIそのものに対して心象を悪くしている人もいるかもしれない。
私自身も、そのうちライター業もAIに食われてしまうかもしれない……という恐れがないわけではない。AI産業はまだまだ黎明期。
しかし、だからこそ「AIを上手く利用してやりたい」という意地の悪さも抱いている。
※掲載の団体名、店名ほか各種名称は、各社の商標または登録商標です。







