「昭和スタイル」で出会うレトロな魅力と能登の文化

金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお

この夏、金沢ではちょっとオシャレな通りとして知られる「新竪町商店街」に昭和レトロな食器を販売するセレクトショップ「昭和スタイル」がオープンしました。

店内にはレトロな食器類が並べられていて、ポップでかわいいものも多く、キュンキュンしちゃいます。

昭和のパーラーや喫茶店、スナックにありそうな食器もたくさん。

湯飲みやお茶碗を使った鉢植えも素敵です。

「昭和スタイル」で販売する食器はすべてリサイクルで、主に能登半島の珠洲市で引き取ったもの。

使われなくなった食器をクリーニングして新たな命を吹き込み、販売することで次世代につなげる「サーキュラーエコノミー」を目指しています。

運営するのは石川県や福井県でライフスタイルショップ「WELLSPRING」を展開する「ファーストビルディングス」。

珠洲市に「WELLSPRING」のフラッグショップをオープンしたことで地域の課題だった空き家問題を知り、残置物となっている食器類の引き取りを始めたのがきっかけでした。

代表の井川正志さんは「経済的に豊かな時代に作られたデザインがとても魅力的で発見も多い」と感じたそうです。

その後、2024年1月に能登半島地震が発生。

避難や建物の倒壊などで能登から離れることになった人や営業できなくなった店舗からも、引き取りの依頼が殺到しました。

食器はすべて手作業で丁寧にクリーニングして、大切に使われていた想いも引き継ぎます。

クリーニングを行うのは主婦業ベテランのお母さんたち!長年の家事で技と知恵できれいにしていきます。

店の奥のスペースには、能登の家屋から引き取った欄間や和食器もいろいろ。

能登にはお祭りやお祝いの時に「ごっつお(ごちそう)」を立派なお膳に並べてお客さんにふるまう「ヨバレ」という習慣があります。

珠洲の仕出し屋さんなどから引き取った輪島塗のお膳や揃いの器も、販売されています。

たくさんのおちょこの中から、お気に入りを選ぶのも楽しそう!

新品で買うと高価な掘り出し物もきっとあるのですが、店内の食器は660円/990円/1,320円/1,650円/1,980円の5つで統一されています。

胸が高鳴る昭和スタイルの食器たちは、古き良き時代の文化や能登の伝統をこれからも新しい時代へ伝えていくはずです。

プロフィール
ライター
しお
ブランニュー古都。 ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。 タウン情報サイトの記者やインターネット回線、動画配信サービスのまとめ記事などを執筆しながら見つけたもの、感じたことをレポートします。 てんとうむししゃ代表。

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