2025.08.19
切るから増えるおもしろさ。
choc園芸 vol.2
ライター
DECO KATO
加藤 デコ氏
先月、この欄で庭いじりについて書いた。その後、ペチュニアやジニアなどが思いがけずたくさんの花を咲かせ、ガーデニング初心者にとっては「うれしい限り」の状態になっている。
こうした一年草(正確には、開花時期の長い一年草)を何度も咲かせ、ボリュームアップするために「切り戻し」という作業が欠かせない。植物の茎や枝を大胆に、バッサリ切ってしまうことだ。不要な部分を落とすことで栄養分が植物全体に行き渡り、株元の風通しもよくなる。株全体の形を整えることにもつながる。ネットで調べると「思い切って切ってください」と書いてあるので、恐る恐るやってみたところ、本当に花数が増えた。「わ!」という感じ。「大きく育てるためにバッサリ切る」というのが矛盾しているようでおもしろい。
もうしばらく暑い時期が続くだろうし、かなりわさわさしてきた枝葉を、先日もう一度切り戻してみた。最終的にどのくらいのボリュームに育つか、楽しみにしている。
ところで、このところ私を悩ませているのがバッタ(らしき生きもの)である。いつの頃からか、水まきをするとぴょんぴょん飛ぶコが出てきて「ん?」と思ったら、小指の爪ぐらいのこどもバッタだった。「かわいい♪」と思ったものの、みるみるうちに穴の開いた葉っぱが増えていった。
彼らにも好き嫌いがあるらしく、いちばんやられてしまったのがヒマワリだ。いまだに花を咲かせるでもなく、穴の開いた葉が数枚ついているだけで背丈も伸びない。以前より大きくなったバッタを見かけることも増え、まるで彼らを育てるためにヒマワリやコリウスを植えたみたいな気がする。


クーラーのきいた部屋で園芸店のカタログを眺め、秋になったら何を植えようか、いそいそと考える毎日。しばらく続きそうである。
プロフィール

ライター
加藤 デコ氏
暑くて旅に出る気分になれないライター






