「こっそり猫展」にこっそり行ってきた

金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお

兼六園に隣接する「いしかわ生活工芸ミュージアム」で開催中の「こっそり猫展」をみてきた。

「いしかわ生活工芸ミュージアム」は昨年まで「石川県立伝統産業館」という名前で、そのとおり県内の伝統工芸品を紹介している。

今回は猫をテーマに制作された作品の展示ということで楽しみにしていた。

常日頃、わたしのそばにいるのはシーズー犬なのだが、犬派か猫派かと言われれば「断然猫派!」だと言い切れるほど、猫が好きだ。(飼っている犬はもはや犬ではなく家族なので別だ!という、意味不明な理屈をこねておく)

猫はさわらせてほしいときにそっぽを向いて、急いでいるときなどに限って執拗に撫でてほしがる、その思いどおりにならない加減がなんともいい。

犬のように、常に「犬です!呼びました?犬です!さあ、犬ですっ!」とアピってこないところも、たまらない。(繰り返すが、飼っているのは犬だ。いや、あれは犬じゃない、家族だから別だ!)

そんな控えめなのに存在感しかない猫という存在を、加賀友禅や九谷焼、陶芸、木工などの伝統工芸の品々で表現しているのが、今回の「こっそり猫展」だ。

中でも気に入った作品を、ピックアップしてご紹介したい。

九谷焼作家・髙辻あいさんの「楕円皿 猫 絵変わり」。上中央の青猫ちゃんが赤い金魚と思しきものを狙っている顔が、なんとも可愛くて好きだ。

陶芸・中村多喜美さんの猫たちも、手前で至福の表情を浮かべながら軽く空を仰いでいる2匹がとてもいい。

どこかの駐車場で、てんで好きなポーズを取りながらなんとなく群れる猫の集会を思わせる。

そして、もっともわたしが心惹かれたのは、木工工芸の横井吉則さんの「ネコ額」だ。

猫が額に入っているので「ネコ額」なのか、そしておでこが狭いことも「ネコの額」と呼ぶがそれも関係しているのだろうか。

とくに右手のきれいな目をした猫が、6歳のおしゃまな姪っ子に似ていて他人に思えない。

いろんな表情のニャンコロリンも、ころんとして可愛かった。

同じ動物がテーマでも表現や素材の違いでさまざまな猫になるのも、生物と同じく変化があって面白い。

展示フロアにこっそりと並ぶ猫たちを眺めて、ほっこりしたひとときを過ごせたのだった。

プロフィール
ライター
しお
ブランニュー古都。 ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。 タウン情報サイトの記者やインターネット回線系のまとめ記事などを執筆しながら見つけたもの、感じたことをレポートします。 てんとうむししゃ代表。

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