「金沢仏壇」ってKawaii!!
金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお氏
お仏壇、おうちにあります?
昔はちょっと田舎に行くと立派な仏壇が仏間にあって、という家も珍しくなかったですが、今は核家族も増え、仏間や仏壇がないおうちが多いですよね。
金沢には7職の職人さんが分業してつくる「金沢仏壇」があり、伝統工芸のひとつにもなっています。
でも、お墓参りも行くけど、クリスマスもするし、自分で無宗教だと思っている私にとって、お仏壇ってやっぱり縁遠いもの。
ただ、そんな私の狭い常識が、「ミニ仏壇」に出会い大きく変わりました。
お仏壇に対する表現としてはおかしいかもしれませんが、とてもクール!
なんだか箱庭感が…可愛い。
お仏壇のイメージや、極端な話、宗派や国、文化も越えるような、「クールジャパン」に限りなく近い「Kawaii」を感じたのです。
「ミニ仏壇」は金沢仏壇青年部に所属する、若手の職人さんたちの作品です。
金沢仏壇青年部の職人さんたちは、金沢仏壇の伝統を踏襲しつつ、これからの時代に合わせた仏壇のかたちを提案しています。
金沢仏壇を作り上げる7職というのは、木地師、宮殿師、塗師、蒔絵師、木地彫師、箔彫師、金具師のことで、こんなに小さな仏壇でも、それぞれの職人さんの技がギュギュっと詰め込まれているんですよ。
大事な人がいなくなった孤独を、職人や工芸の細やかな技・空間に触れ、静かな時をろ過して癒す。
大きくて立派な仏壇の荘厳さも素晴らしいですが、今の私たちにとって「ミニ仏壇」は宗教にとどまらない、人を想い偲ぶという信仰を表した、身の丈分のかたちなのではと感じました。
また、金沢仏壇青年部に所属する職人さんたちは、仏具にとらわれない普段使いの作品も製作しています。
「金沢仏壇」がもっと身近に思えてきた、今日このごろです。
プロフィール
ライター
しお氏
ブランニュー古都。
ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。
タウン情報サイトの記者などをしながら見つけたもの、感じたことをレポートします。