映像2019.05.28

その映画が名作と言われる理由。

東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ

うちの母はよくテレビで映画を観ていた人だった。高校時代、たまたま居間に通りかかったその日に母が観ていたのは、チャップリンの名作「街の灯」。なんとなく横に座ってチラ見してると、「面白そうだ」と興味が湧いた。

 

そんなわけで「街の灯」をレンタルビデオで借りてきて、ひとり映画鑑賞会である。昔の名作映画をひとりで観るというのはその時が初めてだったと思うが、最後までじっくりと観てみて、その面白さにショックを受けたし、唸らされた。こんなに昔のサイレント映画なのに、今観ても面白いと感じさせる、その圧倒的な力に。

 

古い映画にはこんなに面白い物があるのかと感動し、それからは名作と呼ばれる映画をたくさん観た。そうなってくると、なぜこれらの作品が世に出てきたのかを知りたくて、監督や出演した俳優や女優の本をよく読むようになる。

 

たとえば冒頭の「街の灯」だと、チャップリンの完璧主義ぶりに周りの人々が疲労困憊しているエピソードがあったりする。何でも放浪紳士(チャップリン)と相手役の花売り娘が出会う、僅か3分間のシーンには1年以上もかけたそうだ。役者陣もスタッフもよくついていったなぁと思ったら、やはり配役交代も何度かあったようで。

 

名作と言われる映画には理由があり、大勢の人々の心を捉えてやまないからこそ名作として後の世に残っていくのだけれど、その裏側に少し触れてみると、監督の執念とも言えるこだわりや、それに巻き込まれる演じ手達の悪戦苦闘ぶりが知れて、興味深い。

プロフィール
ライター
かつらひさこ
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、6年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。

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