考え、仕掛け、巻き込む喜び

名古屋
マリエプランニング有限会社 取締役社長
Kumi Sasaki
佐々木 久美

地域密着の広告代理業をメインに、三河地域(愛知県)を盛り上げるNPO活動などにも積極的に取り組むマリエプランニング有限会社。この春から名古屋にも制作拠点を構え、さらなる飛躍を目指します。同社を率いる佐々木久美(ささき くみ)さんに、広告業界に飛び込んだきっかけや起業までの道のり、ビジネスへの思いなどを伺いました。

広告業を通じて地域を元気に

御社が取り組まれている事業についてお聞かせください。

私たちマリエプランニングは、愛知県の豊橋を拠点とした広告代理店として企業の広告・宣伝やNPO活動のお手伝いをしています。メインのクライアントは、豊橋に本社がある全国区の外食チェーン。数年ごとに更新されるグランドメニューの制作をはじめ、季節ごとに更新されるフェアの仕掛けや持ち帰り商品の販促ツール作成など、セールスプロモーション全般を任されています。
その他にも地域のさまざまなクライアントに対し、できるだけ低い予算で効果の高い広告施策ができるよう、ご提案やアドバイスを行っています。

NPO活動について詳しく教えてください。

三河地域の発展と経済の活性化に寄与することが目的の「三遠南信(さんえんなんしん)Maido倶楽部」を10年ほど前に立ち上げました。昨年度は、企業や市民などが取り組む環境活動の協働ネットワークから設立された「なごや環境大学」と協力して環境問題を学ぶイベントなどを行ったのですが、今後は活動内容をさらにブラッシュアップしていく予定です。NPOで手掛けるイベントをマリエプランニングで受注し、収益の一部を活動資金としてNPOに寄付するという流れを生み出すことで、地域社会にもっともっと貢献できればと考えています。

考える・工夫する・創造するクリエイティブプロデュース

佐々木社長はいつ頃から経営者になることをイメージされましたか?

自営業の家庭に生まれ、親族もほぼ自営業という環境で育ったこともあって、何の抵抗もなく会社を立ち上げたという感じです(笑)。子どもの頃から会社の経営をしたいと思っていたわけではありませんが、「自立したい!」という気持ちはとても強かったです。

そのように思われたきっかけはありますか?

当時はまだ女性の地位が低く社会進出も難しい時代でしたが、ちょうど男女雇用機会均等法が生まれ、女性がバリバリ働くことが認められはじめたのが大きかったのかなと思います。

マリエプランニング立ち上げまでのキャリアを教えてください。

若い頃はインテリアコーディネーターになるのが夢で、大手住宅設備機器メーカーに就職しました。その会社で働きながら、建築業を営む親族の紹介でエクステリア関連の図面を引くアルバイトも請け負っていました。お小遣い稼ぎになったのですが、いつしか親の七光りで仕事を得ることに抵抗を感じるようになり、それまでとは全く違う広告業界に飛び込んだのです。
入社した広告代理店で制作や営業アシスタントを経験し、営業として売り上げが立つようになったとき、独立を考えるようになりました。

独立後の歩みも教えていただけますか?

フリーで動いている時代は、主に不動産関連のチラシを手掛けましたが、リーマンショックの影響で不動産業界は急速に落ち込んでしまいました。その頃に現在のメインクライアントである外食チェーンとの接点ができ、業務委託として会社の内部で仕事を行うようになり、企画制作部門の立ち上げと整備を任せていただけるまでになりました。しかし、その仕事だけをずっと行うことにちょっと違和感を感じ、2006年に思いきってマリエプランニングを設立しました。

会社名「マリエプランニング」の由来は?

信頼する方に相談したところ「マ」から始まる名前が良いというアドバイス受け、聖母マリアのようにいろんなものを広く受け止めるという思いを込めて「マリエプランニング(MLE PLANNNING)」と名付けました。MLEにはそれぞれ「MEETING」「LUSIOUS」「EFFECTS」という言葉を当て、「考える・工夫する・創造するクリエイティブプロデュース」をテーマにビジネスを展開しています。
ロゴマークは「人と人をつなぐ」という思いを込めてドットがMの文字をつなぐ女性らしいイメージにしています。ちなみに赤色は私のラッキーカラーです。

限られた時間と予算で課題を解決する

さまざまなことに挑戦されている印象を受けますが、“原動力”はどこにあるのでしょうか?

一つは持って生まれた性格だと思います。他界した父に「お前はとにかく上にのぼりたがる」とよく言われました(笑)。
もう一つは、耳が不自由な母の存在。幼少の頃から母の耳がわりとなって「どうすれば母がもっと快適になるだろう?」「困り事を減らすためにできることは?」と常に考えてきました。現状維持で同じ場所に留まることに不安を感じるのは、育ってきた環境があるのかもしれないですね。

佐々木社長が考える仕事の醍醐味(だいごみ)は?

もしかしたら、ギャンブルみたいな要素に魅力を感じているのかもしれません。経営には「絶対に大丈夫」というものがありません。その「決まり切っていない世界に身を置いている」ことが好きなんだと思います。
世の中や身の回りのさまざまな課題についてぐるぐると考え抜いて、実際に自分のアイデアを仕掛け、周囲を巻き込むことで物事が動き出すと、とてもうれしくなります。

最後にクリエイティブへの思いもお聞かせいただけますか?

「私たちの仕事は商業デザインである」ということを強く意識しています。高い技術を持ったクリエイターが無限に時間をかければクオリティが高いモノが作れると思いますが、私たちに求められている仕事の本質は「限られた時間と予算で課題を解決する」ことだと考えています。いかに素早く判断を下し、短時間で的確な答えを導き、期待に応えられるかどうかに価値があると思います。
広告代理店の仕事は、戦場に物資を送るバックヤードのようなものです。きれい事だけではなく、私たちが供給したものを使ってお客さまが最前線で勝負し、勝つことで、私たちの生活も成り立っていると理解するのが、広告クリエイターにとって必要です。

取材日:2020年3月9日

マリエプランニング有限会社

  • 代表者名:佐々木 久美
  • 設立年月:2006年2月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:広告の企画提案管理、広告デザイン・印刷、webサイトの制作管理・CM制作・デジタルサイネージ制作・地域ポータルサイトの運営管理
  • 所在地:〒441-8133 愛知県豊橋市大清水町大清水603-3
  • 電話番号:0532-21-5078
  • URL:http://www.mle-plan.co.jp
  • お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より

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