WEB・モバイル2020.02.19

クライアントと本音で話せる信頼関係が 効果的なWebサイトを生み出す

大阪
株式会社Crevice Factory 代表取締役社長
Masatake Kawaguchi
川口 雅武

クライアントの目標達成に向け、全力でサポートするため、見る人・買う人の目線を大切にしたWebサイト制作に務めているのは、株式会社Crevice Factory(クレビスファクトリー)。代表取締役社長の川口雅武さんは、Webサイトによるクライアントの課題解決に向け、パートナーとして一切妥協をせず日々取り組んでいます。また、社内ではチームワークや社員の意見を尊重するなど、働きやすく発言しやすい職場環境づくりに注力しています。クライアントからの信頼も厚い川口さんに、仕事上大切にしていることや今後のビジョンについてお話をうかがいました。

クライアントから教えられたこと

これまでのキャリアについて教えてください

知り合いがWeb制作関連の会社を立ち上げることになり、立ち上げメンバーとして参加しました。そこで初めてWeb制作の仕事に携わり、3年間でWebデザイン、コーディングなど一連のスキルを、働きながら身につけていきました。その後1年間フリーランスとして活動したのですが、当時は資金繰りもさることながら、クライアントからできあがりをなかなか納得してもらえず、技量不足を痛感したこともありました。自由にできる半面、すべてのことが自分一人の責任で成り立ってしまうため、これまでの自分には責任感と覚悟が足りていなかったと自覚しました。そんな時にも応援してくださる方々がいて、さまざまな壁を乗り越えることができました。

フリーになったことで、より一層スキルアップされた感じですね

そうですね。その時にお付き合いのあったコンテンツ配信事業会社の代表から相談があって、Web制作に事業転換するため、スタッフ7人のWeb制作の研修をしてほしいと頼まれたのです。フリーで活動をする傍ら育成もすることになったのですが、その7人はWeb制作に関してほとんどが初心者でしたのでかなり大変でした。しばらくして、その会社のWeb事業責任者・専務取締役になり、2年後に会社自体がコンテンツ配信事業からWeb制作事業に完全に切り替わったので、そのタイミングで代表取締役社長に就任しました。

現在の事業内容について教えてください

Web制作を軸に、ジェームズ・ディーンの写真修復事業とプロモーション事業の3つを展開しています。まずWeb制作関連については、ただ制作物を納品して完了するというものではなく、実際にそれを活用してクライアントの課題を解決することに重きを置いています。これは以前クライアントから「サイトは、立ち上げてから一緒に作り上げていくことが大事だろう」とご指摘をいただいた経緯があり、そのことを肝に銘じて、今では弊社の企業理念として残しています。

結果が出せない成果物は作らない

具体的な仕事の流れを簡単に説明していただけますか。

Web制作の依頼が来た場合、なぜ作りたいのかを聞き出し、そこを擦り合わせたうえで提案をしていきます。Webサイトでできることが基本になってくるので、課題やニーズを洗い出し、「ターゲットの設定」「予算・戦略・コンセプト」などを決定し、解決までの道のりとなる戦略を組み立てていきます。必要であればWeb制作に限らず、パンフレットなどの印刷物も提案します。それが決まった段階で実際にコンテンツを決定し、サイトマップ、ワイヤーフレームの作成など、サイトの設計後、デザインを作り込んでいきます。必要に応じて、写真や文章などを外部スタッフにも発注・依頼します。

外部にも何人かスタッフがいらっしゃるんですね。

現在は5人います。広告活動、カメラマン、デザインを担当してくれるフリーランスの方や会社の方もいますし、常勤以外にも、週1、2回だけという案件ごとに来てくれる方もいます。その方々にも協力していただき、制作内容が確定したら、コーディングに入り、テスト・チェック後に公開し、クライアントの要望により、その後の運用・更新まで担当します。

事業内容は常に更新中

Web制作以外の事業内容は全く違う分野のような気がしますが…。

Web制作時に、ターゲットや方向性など戦略を立てていく中には、先方が抱えている課題などWeb制作以外で相談を受けることがあります。それがきっかけで話が進み、事業展開したのが、写真修復事業とプロモーション事業です。ある人がこういうものを提供している、また、ある人はこういうものを探している…、そのかけ離れた需要と供給の間に入って、つなげることを事業にしたものです。現在プロモーション事業については、神戸の女子フットサルチーム「アルコイリス」などのブランディングや集客の支援をさせていただいております。

一見かけ離れているように思われる事業ですが、そういう流れがあったんですね。

社名の「クレビスファクトリー」って、日本語で「隙間工房」という意味なんです。クライアントを囲む顧客やビジネスの間で生まれるさまざまな隙間を、弊社がWeb制作をベースにアイデアで埋めることを使命としています。アイデアを出して実現できそうであれば、今後も事業内容を増やしていく予定です。Web制作についても、これまでクライアントの要望に応えるたびに、アプリ開発やSEO対策などその都度事業内容を更新しています。

本音でいえる信頼関係が良い成果物を生み出す

フレキシブルに対応されて、実際にクライアントからの反応はどうですか?

よく言われるのは、「かゆいところまで手が届いて助かる」「そんなところまでよく考えてくれたね」「対応が早い」といったことですね。成果物についても、「デザインが気に入った」と喜んでいただいています。現在、継続的に担当しているクライアントが40くらいで、年末年始やリクルート用だけといった単発や不定期なものも合わせると全部で250程度になりますが、ほとんどがお客様などからの紹介によるもので、積極的に営業活動をしなくても良い環境に恵まれております。

それはすごいです。クライアントから信頼を得るなかで、仕事上大切にされていることはありますか?

相手のためになることを徹底的に考えることです。嫌なことにも目をつぶらずに、相手にとって痛いところでも率直に伝えるようにして、本当にクライアントにとってプラスになることを提案しています。例えばホームページ作成の依頼があっても、先方にとって結果が出ないと判断した場合は、その旨をはっきりと伝えてお断りすることもあります。弊社に仕事を依頼されるということは、何か問題があってそれを解決するためのものを作るわけですから、成果につながりそうになければ、別の提案をします。

クライアントにとって真のパートナー的存在ですね。

クライアントの目標達成のため一緒に汗をかいて全力でお手伝いしたいので、パートナーとして一切妥協はしません。表面上だけのお付き合いでは、お客様の核となるところまで見えてこないため、本当に課題解決に結びつくものが作れないのです。ですから、そこが見えてくるまでとことんお付き合いします。時には喧嘩(けんか)になることもありますが、クライアントも本音で言いたいことを言ってくれる、弊社の話も聞いてくれる、そういう関係性は大事にしたいところです。また、社内のチームワークと情報共有もかなり大切になってきます。社内でのコミュニケーション、情報共有、困っている人を助ける体制ができていないと、クライアントに対してもいいパフォーマンスが発揮できませんので。

発言し合うことで生まれるもの

社内で何か取り組まれていることはありますか?

会社やスタッフ同士がお互いの良いところ、改善点、気を付けた方がいいところなどを発言し合う場を週1回設けています。また、社内のデザイナー、プログラマー、ディレクターに、自身の仕事について週1回交代で講義をしてもらっています。他の分野の知識を身につけようとする社員の知識向上に加えて、各担当の内情も把握するという意味も含めて実施していますが、意見を言い合う活気のあるものになっています。ひらめいたけれども口に出すほどではないと思っていることって、案外それがすごいアイデアだったりするので、発言しやすい社内環境づくりに、ますます力を入れていきたいと思っています。

今後どのような人材を求められますか?

チームワークと前向きな姿勢・考えを持っている人です。もちろん技術も必要なんですが、一つの技術だけでは将来的に使えなくなってしまうこともあり得ます。その時に新しいものにも躊躇(ちゅうちょ)することなくチャレンジできる意欲とか、自ら進んでいく力がある人が必要になってきます。日々精進する前向きな姿勢で、どんなことでも投げ出さず周りの意見を聞き、一つずつ積み上げていけば何でも成功すると思っています。将来的には、他社から引き抜きがあるくらいの人材になってほしいです。本当に行ってしまうと困るので(笑)、働きやすさ、知恵を出し合える場を設けて、弊社でずっと働きたいと思ってもらえるような環境にするのが、私の務めだと思っています。

将来のビジョンについて教えてください。

関わっている皆さんが、家族や友人に対して自信を持って紹介できるような会社にしたいです。社内環境、サービス、顧客満足度など、あらゆる要素が機能しなければ会社は成り立ちません。一つ一つを改善し積み上げていくことが出来ればまず前に進めます。この先どのようなメディアが出て来るか分かりませんので、クライアント、スタッフ、外注するパートナーとの信頼関係がしっかり出来ていると、情報交換やアイデアも出し合いやすくなります。新しいものが生まれそうだったら、皆でそこに集中すればいいと思います。

クリエイターに向けてメッセージをお願いします。

まず、発信することが大切です。話すうちに自分の考えも整理できますし、何かしら皆いろいろな意見を出してくれます。私自身の経験もあるのですが、自分一人だと1時間2時間と時間だけが過ぎていってしまうのに、周囲から意見をもらうことで10分で解決したことがあります。もしかすると、発信することで自分とは違う分野の人と結びついて、アイデアが具現化され、これまでに無かったものが創出されるかもしれません。一人の考えでできることって、範囲が限られています。悩みもそうですが、まずは発信してみることです。そこから何かが変わるかもしれません。

取材日:2019年12月9日 ライター:川原 珠美

株式会社Crevice Factory(クレビスファクトリー)

  • 代表者名:川口 雅武
  • 設立年月:2012年8月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:Web制作、ジェームズ・ディーンの写真修復事業、プロモーション事業
  • 所在地:〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通3-1-2-902
  • URL:https://cre-f.net/
  • お問い合わせ先:078-241-1888

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