「定額制の撮影プラン」という新しいビジネスモデルを提案

福岡
株式会社Libell 代表取締役
Hayato Yasunari
安成 駿利

2018年3月にカメラマンとエディターの2人で立ち上げた「株式会社Libell」。19歳から動画や写真の撮影に携わってきた代表取締役の安成駿利(やすなり はやと)氏は、「定額制の撮影プラン」という画期的なビジネスモデルを打ち出し、業界に新しい風を吹き込んでいます。会社設立に至るまでのキャリアから新サービスを思い立ったいきさつまで、じっくりお話を伺いました。

映像と写真、両方のスキルを身に付けて独立

安成さんは24歳で起業されたとのことですが、もともと独立志向だったのですか?

そうなんです、私の父は自営のイラストレーターで、子どもの頃からよく家族でキャンプや旅行に出かけて、自由に働き暮らす父の姿を見て育ちました。それで、私も中学生のときから「将来は会社員になるのではなく、自分で何かしたい」と思っていました。

具体的な職業ではなくて、働き方を先に決められたのですね。

はい、これがしたいという仕事のこだわりはなく、いろんなことを経験してみたくて、高校卒業後は大学に通いながらたくさんアルバイトをしました。家庭教師からコンビニ、居酒屋、引っ越し、バイクの修理など、どれも楽しかったですね。そのうち早く働きたいと思うようになり、19歳で大学を中退。そして、父が会員だった異業種交流会に連れて行ってもらい、さまざまな経営者の方とお話する中で映像会社を紹介してもらい、そこで働き始めました。

どんなお仕事をされたのでしょうか?

映像プロダクションで、初めは結婚式で流す新郎新婦の紹介ビデオを編集する業務からスタートしました。もともとパソコンに興味があったので、おもしろいなと思いました。それから映像の撮影技術を現場で覚えながら、結婚式のビデオや企業紹介、テレビ番組の撮影などをするようになりました。映像の仕事は人の役に立てるし、自分が作った映像を見て、全国、ひいては世界の人たちが笑ったり泣いたり怒ったりするというのが大きな魅力。スキルを身に付ければ独立できるというのも、私にピッタリだと感じました。どんな仕事も1人前になるには3年といわれるけれど、自分は少しでも早く独立したくて人の2倍は働きました。

撮影の仕事をずっと続けようと思われたのですか?

はい、映像プロダクションに2年勤めた後、カメラマンの方に声をかけられて写真のプロダクションに転職しました。そこはブライダルの撮影がメインで、スタッフが少なかったこともあり、現場をとにかく数多く経験しました。ほぼ休みなく人の4倍は働いて、仕事のスキルもずいぶん上がったと思います。それで24歳で独立しました。

念願の独立ですね。スタートは順調でしたか?

いえいえ、撮影はできるけど営業の仕方が全くわからず、「やばい、これでは食べていけない…」と焦りました。それで平日は異業種交流会の事務局で働き、週末にブライダルを撮影するという働き方を半年くらいやっていました。そのうち少しずついろいろな人とつながりができて、紹介で仕事が入るようになりました。

映像・写真撮影を軸にコンサルティングも展開

独立して今年で7年とのことですが、昨年会社を立ち上げる前はひとりで活動されていたのでしょうか?

フリーの仲間と2人でチームを組んでやっていて、一時期は3人になったりしながら、結局は2018年3月に2人で株式会社Libellを設立しました。大企業や行政と仕事をするためには、やはり法人格が必要だったからです。「Libell」というのはパートナーの岩崎が使っていた屋号で、Liberty Bellの略。アメリカのフィラデルフィアにある自由の鐘の名前で、アメリカの独立を記念する自由の象徴でもあります。私たちも下積みがあってこその自由や余裕を追求しようということで、これを社名にしました。今は私が撮影と営業、岩崎が事務や編集を担当していて、今年中に新しいスタッフを2人入れたいと考えています。

現在の事業内容を教えてください。

ブライダルをはじめ、企業のプロモーションやリクルート映像、イベントなど、幅広く対応しています。映像と写真のどちらも得意とする会社はあまりないので、そこが強みだと自負しています。 そして今年、新しいサービスをスタートしました。毎月定額で動画や写真を撮影するというプランです。これまで「撮影してほしいけど、高そうだから無理」と決めつけてしまっている人にたくさん出会いました。もっと撮影を身近に感じてほしい、お金のことで悩まずに安心して利用してほしいという思いから、毎月定額にすることを思いついたんです。

具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?

飲食店ならメニュー、アパレルなら商品、不動産なら部屋など、定期的に撮影が必要な業種はいろいろあります。月額で契約して、例えば月2回訪問して撮影しつつ、動画に関するコンサルティングも行います。定期的にお客さんを訪問して、先方のことをよくわかった上で、来月は会社のPR動画を作りましょうとか、営業マンが商品紹介に使う動画を作りませんかと提案したり、撮影を軸に一歩踏み込んでお客さんのためになることを一緒に考えています。

撮影で定額サービスというのは画期的だと思います。さらにコンサルティングまでされると、お客さんと信頼関係を築いて長くお付き合いできますね。

撮影というのは技術でありサービスであって、結局は人と人との関係が一番重要だと考えています。お客さんにはもっともっと満足してほしいし、当社だから、安成だから頼んでいると言ってもらえるように精いっぱい努力しています。

これからの目標を教えてください。

ひとつは、この撮影の定額プランを広めていきたいです。すでに続々と契約をいただいていて、大きな手ごたえとやりがいを感じています。もうひとつは、若い人に向けて講演をしていきたいです。私は中学生の頃から独立するという夢を持ち、24歳で独立、25歳で結婚という目標を達成しました。今は子どもが3人いることもあり、未来を担う子どもたちに、夢を持って行動することの大切さを伝えていければと思うようになりました。私を応援してくれる人たちや環境に感謝しながら、これら2つを頑張っていきます。

取材日:2019年6月12日 ライター:佐々木 恵美

株式会社Libell

  • 代表者名:安成 駿利
  • 設立年月:2018年3月
  • 事業内容:動画マーケティングコンサルティング、動画企画制作、写真撮影
  • 所在地:〒811-1344 福岡県福岡市南区三宅3-10-17-201
  • URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/libell
  • お問い合わせ先:092-408-9018

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP