職種その他2018.12.12

「感動」を生み出す仕事

名古屋
有限会社タッチ 代表 田島 秀和 氏
「IT」を軸にした様々なソリューションで、約3,300社もの企業をサポートする有限会社タッチ。20代で独立を果たし、20年にわたってさまざまなビジネスを手がけてきた。学生時代からの念願であった「人工知能」の関連ビジネスにチャレンジする代表の田島 秀和(たじま ひでかず)氏に、起業までのストーリーや時代の一歩先を見据えて成功させてきた事業、仕事のやりがいや若いクリエイターへのアドバイスなどを伺いました。

将来は「人工知能」の分野で活躍したい!

高校時代には、どんな夢を描いておられましたか?

コンピューター関連の部活動をしていたこともあり、将来は「人工知能」の分野で活躍するという夢を抱いていました。とはいえ、当時はまだインターネットも普及していない時代。「AI (Artificial Intelligence)」という言葉がやっと生まれた頃でした。

卒業後は大学で人工知能を学ばれたのでしょうか?

人工知能が学べる大学に進みました。当時、心理学の領域はあるものの、私の学びたいことがある大学はほとんどなかったのですが、トライデントコンピュータ専門学校の「人工知能学科」は、まさに私の学びたいことが学べる学科でした。

学校生活はいかがでしたか?

当時取得できるプログラミングなどの資格を1年目でほぼ取ってしまったため、余暇を利用して学生生活を謳歌しました(笑)。日本1周ではなく日本2周を実現したり、阪神・淡路大震災のボランティアとして神戸に足を運んだりしました。旅行やボランティアのためには資金が必要で、そのためにアルバイトを4つほど掛け持ちしている状態。そのため、単位が足りなくなって卒業の危機に陥ってしまいました。

どうやって解決されたのですか?

当時の担任がとても良い方で、私の状況を知って解決してくれました。「学校にも来れるし、お金も稼げる一石二鳥の仕事をやる!」といってご紹介いただいたのが、なんと通っている専門学校の講師のお手伝い。学生として通いながらコンピュータの授業を講師の目線で担当して単位も無事に取得し、そのまま講師として独立することになりました。それが、有限会社タッチを立ち上げるきっかけになったのです。

お客様の感動体験が、仕事のモチベーションに

御社が手がけてきたビジネスについて教えてください。

設立当初から一貫して手がけてきたのが「IT」に関連するビジネスです。デザインオフィスタッチとしてスタートしたデザイン&印刷の事業を皮切りに、パソコンスクールやホームページ運用・制作、ホスティングサービス、パソコンや周辺機器の販売、携帯電話の販売、サポートセンター事業など、時代の流れに合わせてさまざまなIT関連事業を展開してきました。 スクール講師としては、縁あって全国の商工会議所を巡り、パソコンの講座で日本3周目を。インターネット講座で日本4周を達成しました(笑)。

現在の柱となっているのが、法人サポートとホームページ制作、そして企業研修・セミナーの3つの事業です。法人サポートとしてはITパートナーとして約3,300社のお客様を持ち、ホームページ制作ではシステム開発からクラウド連携、目標を達成するための更新サポートまでを行っています。企業研修・セミナーでは基礎的なスキルアップから最先端の情報提供まで、幅広い講習会をサポートしています。

社名「有限会社タッチ」の由来を教えていただけますか?

「タッチ( TOUCH)」には「触れる」という意味以外に「絵筆のタッチ」や「人を感動させる」といった意味があります。また、私のニックネームが「たっちゃん」だったこともあり、覚えやすいこの社名に決めました。設立当初はほとんどの方が「触れる」という意味でしか認識がなく、馴染みの薄いネーミングでしたが、タッチパネルの普及によってIT業界でも「タッチ」という言葉が広く浸透したのかなと考えています。

社長が仕事のやりがいを感じる時を教えてください。

やりがいを感じるのは、当社のサービスやセミナーを通じて私と出会い、触れ合った方々が『感動する瞬間』を見届ける時です。例えば、20年来のお客様に現在事業化を進めているロボットを持ち込むと、「田島社長がまた何か持ってきた!」「未来が見れる!」「すごい!」と大喜びしてくれるんです。お客様がワクワクドキドキしている様子や驚いている姿、笑っている姿を見ると、私も感動して思わず泣いてしまいそうになります。この気持ちは、専門学校で講師をしていた頃からずっと変わっていません。

描いた未来に、時代が追いついてきた!

御社の今後の展望についてお聞かせください。

今後、特に力を入れていきたいのが「人工知能」の分野です。私が高校時代に描いた未来に、やっと時代が追いついてきました。昨年の夏に名古屋で開催されたロボットによる世界規模のサッカー大会「ロボカップ2017」では、日本のチームがみごと優勝しました。当社ではヒューマノイドロボット「NAO」を活用した事業を進めており、実際に愛知県のロボット教育プログラムを当社で手掛けています。2050年までに人型ロボットでサッカーのワールドカップチャンピオンに勝つ!という夢に向かって、世界中のエンジニアが研究開発を進めています。当社の教え子が活躍するのが楽しみです。人工知能に関連するキーワードは今後「クラウド」から「エッジコンピューティング」にシフトしていきますので、その知見も増やしていきます。

※1 「端末の近くにサーバを分散配置する」ネットワーク技法のひとつを意味します。ユーザや端末の近くでデータ処理することで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消します。

他事業の展望もお聞かせいただけますか?

セミナーでは、「働き方改革」の分野に力を入れていこうと考えています。すでに超大手をはじめとする多くの企業からセミナーの依頼を受け、テレワークなどITを活用した働き方のノウハウを提供しています。「働き方改革」という言葉には、現状はネガティブなイメージがついてしまっているかもしれません。しかし、IT活用で時間を短縮することで余暇や家族との時間を増やす本当の意味での働き方改革を普及していこうと考えています。

また、法人サポートの分野では2020年1月14日にWindows7のサポートが終了するため、今後Windows10への移行が一気に進むと予想されます。3,000社を超えるお客様に適切なサポートを行うため、ノートパソコンの確保などをしっかり進めていく予定です。

当社は現在25名ほどの規模なのですが、今後の事業展開を考えて少なくとも倍の規模にしようと採用活動にも力を入れています。

最後に、世の中のクリエイターにメッセージをお願いします。

デザイナーやシステム・プログラミングなどに携わる若いクリエイターは「かっこいいもの」を作ろうとする傾向があると感じます。しかし私自身は、そのような「かっこつけ」はいらないと考えています。それよりも大切なのは、『クリエイティブの力で目的を達成すること』。例えば、かっこいいデザインをしてお客様が喜んだとしても、売上アップなど本来の目的を達成することができなければ、それはただの自己満足です。逆に、目的を達成するためなら、デザインの枠だけで考えるのではなく、あらゆる手段を使っていいと思うのです。お客様の目標を達成するために、持てる知識や技術を総動員する。それが、プロの仕事だと思います。

取材日:2018年10月19日

有限会社タッチ

  • 代表者名:田島 秀和
  • 設立年月:1999年8月
  • 事業内容:法人パソコンサポート/ホームページ制作・ 更新・SEO/物販・新規導入/企業研修・セミナー講師/顧問契約・提携業務/クラウド・システム開発・アプリ
  • 所在地:〒468-0058 愛知県名古屋市天白区植田西1-522
  • URL:https://www.touch.co.jp
  • お問い合わせ先:052-806-8899(クラウド)

TAGS of TOPICS

続きを読む
TOP