職種その他2018.09.19

最良の仮説を立て、その仮説に高い精度で挑めるか。それが広告業の本質。

福岡
バラタス株式会社 代表取締役 岩﨑 健佑 氏
不動産の世界では成約が決まると薔薇の花飾り、通称「バラ」の印をつけることから「バラ=成約」を意味します。福岡を拠点に西日本エリアで不動産専門の広告販促を手掛けるバラタス株式会社は、新たな“バラ"を“足す"ために歩み続けている会社です。代表取締役の岩﨑健佑さんは、営業職として広告を「売る」側から、企業の販売広告担当として「やる」側へと転身し、その経験を自らの武器にして会社を設立。そこには、失敗を恐れずに、次のステップへと繋げていく広告マンとしての姿がありました。

広告マンとして上を目指し、広告を売る側からやる側へ転身。

岩﨑さんのこれまでの経歴を教えてください。

もともと福岡の編集プロダクションで営業をやっていました。媒体の営業は幅広いジャンルを扱うため、何でも分かっているようで実は分かっていない中途半端な営業マンになりかけていました。その頃から「これからも広告マンとしてやっていくには自分の強みになるジャンルが欲しい」と考えるようになったのです。それに、私を含め広告マンは広告を売っているのにやったことがない人が多かった。言い換えれば、車を売っているのに乗ったことがないみたいなこと。そういう現実に疑問を抱くようになりました。そんな考えもあり、広告をやる側になろうと決意して大手デベロッパーに転職し、そこで広告販促を担当しました。

どのようにして転職先を決めましたか?

広告をやれるのであれば、業種にはこだわっていませんでした。「専門性があって広告をやれる会社」を条件に探していて、すぐに採用が決まったのが大手マンションデベロッパーだったんです。そこでの仕事は、新築分譲マンションを効率良く販売しながら、ブランドを浸透させていくために広告プロモーションを仕掛けていくというものでした。

転職後、広告をやる側になってどうでしたか?

広告をやるという立場になったとき、やる側にも痛みが伴い、リスクを背負ってやっているのを初めて感じました。言葉にするのは難しいですが、広告は失敗することの方が多いということを学びました。

広告を自分の強みに変えて、不動産専門の広告屋として独立。

いつかは独立したいと考えていましたか?

もともと独立は考えていました。そのため大学も経営学部しか受験しませんでした。祖父が事業をやっていたのでその影響もあります。若い頃から「いつかは自分で会社をやりたい」と思っていて、それで“広告"を強みにしました。独立した時点ではクライアントが全くいない状態でしたが、かつての編プロ時代の後輩や同僚、かつて一緒にチームとして仕事をした方々が力を貸してくれて、おかげ様でスムーズにスタートを切ることができました。

現在の事業について教えてください。

独立設立してからの2年間は、地場デベロッパー様や総合不動産会社様を中心に仕事をさせていただきました。
法人化してからは、全国大手のデベロッパー様のお仕事なども任せていただけるようになり、関西エリアの物件のお仕事にも携わらせていただけるようになりました。
ようやく自信をもって「不動産専門です」と言えるようになってきました。

御社の強みはどんなところでしょうか?

業界を問わずいろいろな方との付き合いを大事にしていて、デザイナーやカメラマンといったクリエイターだけでなく、様々な業界の経営者とも仲良くしているため、他業界のビジネス動向に常にアンテナを張っています。それが強みと言えるかはわかりませんが、他業界での成功事例を上手く不動産業界に取り入れていきたいです。

不動産広告に進んで良かったことは?

不動産広告には広告の基本が詰まっていると思います。マーケティング的な分析や発想、ロジカルな考え方、クリエイティブ、プロモーションの知識まで全てが求められるので、自然と身につきました。また、自分の意図をしっかり説明できるクリエイティブがアウトプットできるようになったと思います。不動産は商売の基本です。何もない所に物を造って、価値を生み出し、売る。これはこの先もずっと変わらないから、長く続けられる仕事です。以前、お世話になった方に言われて心に残っている言葉があります。「不動産という事業は、50年経っても100年経っても事業スタイルは変わらない。だから広告マンとしてこの業界に携われば、10年で10年分、20年で20年分、やった分だけ知識やキャリアが積み上がって見識がつく業界」。そう言って背中を押してくれました。

人生で一番高い商品を扱っている自負がある。それが仕事への自信とプライド。

広告をやるうえで大切なことは?

広告は失敗することの方が多く、やる側にも痛みが伴う。年間で何億というお金を使ってもそう簡単には成功しない。それでも広告はこれからも必要なので、自分たちが広告をやる立場でできることはなんだろうと考えることが大切です。その時々において最良の仮説を立て、その仮説にどれだけ高い精度で挑めるかが広告業の本質だと思います。僕自身、それをやっておくと失敗しても次の成功への道が開かれる感覚があります。以前は載せた情報に対しての集客の有無しか気にしていなかったのが、もっと深い発想と、もっとロジカルな思考で、それがなぜ成功や失敗をしたのかを細かく分析できるようになりました。

この業界を目指す方へメッセージをお願いします。

不動産広告には厳しいルールがあります。ですが、その中で常に新しいものを求めているのはデベロッパーも消費者も同じ。だからこそ、そこに新しいエッセンスを取り入れていくのが我々の課題のひとつです。その課題を解決するためには若いクリエイターの力が必要です。ルールが厳しいだけで表現の場は十分ありますし、むしろ予算を考えると表現しやすい業界です。私たちには「人生で一番高い買い物」を広告として扱っている自負があるので、その販売におけるクリエイティブにぜひ若い人に挑んでもらいたい。何千万や億といった商品のプロモーションに携わることで、これからの仕事に自信をもつことができると思いますよ。

取材日:2018年7月25日 ライター:井 みどり

バラタス株式会社

  • 代表者名:代表取締役 岩﨑健佑
  • 設立年月:2016年9月
  • 事業内容:不動産専門の広告販促/プランニング全般(コンセプト作成、事業企画立案、イベント企画、
         販促・コストコンサルティング、市場調査など)/広告制作全般(パンフレット、チラシ、DM、WEBサイト、
         撮影、CGパース作成、サイン関係など)/不動産メディア「Filma」の運営
  • 所在地:〒810-0045 福岡市中央区草香江1-8-19-8f号
  • TEL:092−776−9890
  • URL:http://baratasu.com
  • 問い合わせ:iwasaki@baratasu.com

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