仙台のまちに寄り添う、映像とWebの夫婦ユニット。公務員志望から映像クリエイターへ

仙台
合同会社WACO CREATE 代表社員
Kazuya Iwamura
岩村 和哉

仙台市を拠点に、映像とWebの二軸でクライアントをサポートする合同会社WACO CREATE。まったくの素人から独学で動画を学び、コツコツと信頼を積み上げてきた代表の岩村 和哉(いわむら かずや)さんに、ユニークな創業からの軌跡や、クリエイティブにかける思いについて、語っていただきました。

元々やりたかったのはゲストハウス。そこでの交流が、動画制作のきっかけに

まったくの異業種出身だと伺いました。起業以前は、どのようなお仕事を経験されてきたのでしょうか?

元々は公務員になるつもりで大学に入ったのですが、民間企業の方が力を生かせるんじゃないかといった先輩の勧めもあって、卒業後は民間企業に就職。大学の研究室を回って、PCなどのデジタル製品や家電、家具、事務用品などの営業に3年間ほど従事していました。
一方で、大学生のときにハマったゲストハウスの運営を手がけたいという思いがずっとありました。そんなとき、2018年に仙台・荒町にゲストハウスができるという情報が流れてきて、これは自分もウカウカしていられないと背中を押されるようにして退職。元々は独自でやるつもりでいたのですが、そのゲストハウスの経営者とのつながり、話を聞くなかで、ゲストハウスを活用した面白いアイデアがたくさん浮かび、結局、スタッフとして働くことになりました。

動画制作を覚えるきっかけとなったのは?

ゲストハウスで働いていたときに、動画を勉強することになるのですが、きっかけとなったのは、たまたま泊まりに来ていた同い年の外国人の方がそのゲストハウスの動画を作ってくれたことです。それが、ものすごく格好良かったんです。いわゆるPVみたいな感じで。“同い年の彼にもできるなら、自分にもできるかもしれない”と思いました。
その頃、新たなスキル習得に向けて、デザイン、Webサイトの勉強などをしていました。自分に合うクリエイティブを探っている時期だったこともあり、動画がピンときたんです。すぐにカメラを買って撮影するようになり、ハマりこんでいきました。
最初は動画制作の勉強として、ゲストハウスのイベントムービーや人の活動を紹介する動画を作っていました。当時は映像を作ることが楽しくて仕方がなかったですね。

クラウドソーシングから始めて、徐々にスキルと単価を上げていく

動画の仕事はどのように取っていったのですか?

そういった形で動画制作を始めて、徐々に副業化させていくつもりだったのですが、2020年になってコロナ禍となり、ゲストハウスがまともに営業できなくなってしまうんですね。ゲストハウス内だけで仕事をつくるのは難しいと判断し、クラウドソーシングのサイトを利用して、仕事を取っていきました。
ちょうど20年頃はビジネス系のYouTuberが増えていたこともあり、テロップ編集が流行った時期だったので、その波に乗りました。大体一本あたり3000円の仕事から始めて、5000円、1万円、1万5000円と単価を上げていって、結果的にそれなりに稼げるようになっていきました。

会社設立までの経緯を教えてください。

動画制作を生業にできる見込みが立った2020年にはゲストハウスを退職。その1年後の21年にIT企業に勤めていた妻も会社を辞めてWebクリエイターとして独立しました。元々、二人で会社を作りたいという話をしており、それぞれの売上の合計額が目標に達した23年に法人化しました。

“地域に寄り添う”を社名に込め。県内の会社をクリエイティブでサポート

あらためて、事業内容を教えてください。

映像制作とWeb制作の二軸で取り組んでいます。
映像制作は、企画・撮影・編集までを一貫して行うのが特徴。企業やお店のPR、商品・サービス紹介、採用映像など、幅広く対応しています。ドキュメンタリー映像の手法を取り入れながら、“想い”を映像に乗せて伝えることが得意です。
Web制作では、企業・個人のホームページから、キャンペーンなどのランディングページ(LP)まで幅広く制作します。

社名の由来について、お聞かせください。

「WACO」は、「輪」と、共同や協力を意味する接頭辞の「CO」を足して、名付けたものです。“地域に寄り添う”という自分たちのスタンスを示したかったので、この社名にしました。

代表的な作品を教えてください。

代表的なものを挙げるとなると、河北新報社の「河北新報オンライン」のテレビCMですかね。シリーズで担当させていただいています。また、各種キャンペーンの動画、Webサイトも作らせていただいています。
仙台市が主催するイベント「仙台まちづくり若者ラボ」のダイジェストムービーや「仙台市社会福祉協議会若林区事務所」の活動紹介動画も好評です。
ほかにも、東日本放送が主催する「みやぎふるさとCM大賞」では、ご縁があった塩竈市から応募して、最優秀賞にこそ届いていませんが、3年連続で入賞しています。

コミュニケーション力を強みに、ドキュメンタリーの手法に磨きをかける

どのようなところを強みとされていますか?

お客さんのご相談に親身に乗る姿勢など、人対人のコミュニケーション力という気がしています。人との良好なコミュニケーションが仕事につながると思っています。
制作技術でいえば、ドキュメンタリーの手法を得意としていることですね。私の人の懐に入っていくようなコミュニケーション、フットワークの軽さを存分に生かせるからこそ、ドキュメンタリー的な手法が得意なのだと思います。そういった動画の制作には意欲的にチャレンジしていきたいです。

今後どのような展開を考えていますか?

スタジオが併設された、多種多様な人が集まる場を作りたいと思っています。 例えば、商店街の方々がふらっと立ち寄って、“商品をPRしてほしいから、ちょっと動画作ってくれないか”という相談にきやすいような場づくりを考えています。地域の方がコーヒーを飲みつつ交流するなかで、互いに仕事を生み出せるような場所も理想です。
“コミュニティーづくり”が重要で、今後こういうコミュニティー間での仕事のやりとりが増えていくんじゃないかと思っています。

どのような人材と仕事をしていきたいですか?

デザインが得意な社員がいたらいいなと思っていますが、それ以上に人柄を重視してしまうでしょうね。私たち夫婦と一緒にいても、楽しく会話できるとか。社員なのかパートナーなのかはともかく、新たな仲間はほしいですし、幅広いクリエイターさんたちと関わっていきながらやりたいなと思っています。

取材日:2025年3月26日 ライター:高橋 徹

合同会社WACO CREATE

  • 代表者名:岩村 和哉
  • 設立年月:2023年5月
  • 資本金:20万円
  • 事業内容:映像制作、ホームページ制作
  • 所在地:〒980-0023 宮城県仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル内
  • URL:https://wacocreate.com/
  • お問い合わせ先:https://wacocreate.com/contact

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