WEB・モバイル2023.10.04

「学歴もキャリアも関係なく自分の実力で勝負できる」。Web制作で地元・金沢を底上げ

金沢
ソラノデザイン合同会社 代表社員
Yuta Kakuda
角田 悠太

Web制作・Webマーケティングコンサルティングを行う石川県金沢市のソラノデザイン合同会社。
代表社員・角田 悠太(かくだゆうた)さんは学歴やキャリアより実力重視で仕事の依頼がくるWeb業界に魅力を感じ、ホームページ制作技術を習得。市内企業で実務経験を積み、5年前に独立を果たします。
地元・金沢を中心に地域密着型のWeb制作会社として、「広告媒体・集客媒体としてのWebサイト」にこだわっている角田さん。会社を立ち上げたきっかけやクリエイターとしての心得についてお聞きしました。

実力があれば認められるWeb制作業界に可能性。会社員時代に積んだ経験が糧に。

角田さまがWebページの制作に興味を持ったきっかけを教えてください。

今の時代は、アメリカの大統領にSNSでコメントができ、好きなアーティストやアイドルにコメントできる時代です。
そんな「インターネット」といったメディアが持つポテンシャルも魅力的でしたし、私の最終学歴は高卒なので、学歴やキャリアに関係なく実力だけで勝負ができる「Web制作」という業界構造にも魅力を感じました。
初めは今より軽い気持ちでこの業界に入ったのですが、徐々にモチベーションを感じて今ではこの仕事をとても大切に思っています。
最初は職業訓練校でWebデザインについて学び、その後初の勤務先では時給でプログラマーの仕事をこなし、その後ある会社に正社員として雇っていただき、デザインやディレクション、デジタルマーケティングと、徐々に「Web制作」という仕事を深掘りしていきました。

前職や前々職での経験が独立のときの礎になっているのですね。

はい、そうです。 私が勤めていた会社は2社しかないのですが、その2社でお世話になった上長の方、お二方とも今でも仲良くさせていただいていて、心から感謝していますし尊敬しています。
Web制作の現場がどのように動いていて、お客さまは何に困っているのか。
そんな基礎的なところも学ばせていただきましたし、また、まだまだ若かったにもかかわらず前職の社長さまが商談やヒアリングの場にも積極的に同席させてくれたので、商談スキルは前職で身に付けました。とても感謝しています。
また、お客さまに対しても、一緒に働くスタッフに対しても、真摯さと情熱を持って取り組む姿勢はとても影響されました。
もちろん数字管理も必要ですし、そういった経営に振り切る先輩方もいらっしゃいますが、私は社員を数字で管理するだけではなく、それぞれの人柄や気持ちを汲み取り、向き合うマネジメントスタイルで経営をするよう意識しています。これは先輩方の影響が大きいと感じています。
技術的なところではWebサイトの制作から企画、運用まで一連の流れも掴めたほか、アプリ開発からマーケティング、ディレクションなど幅広い経験を積ませていただきました。

独立し地元金沢に特化したWeb制作を行い、企業からの依頼をきっかけに法人化

独立後、法人化するまで期間が短かったそうですが、その経緯を教えてください。

個人事業主として独立してからは、半年ほどスタートアップのプロジェクトにエンジニアとして参画させていただいたのち、法人化の4ヶ月ほど前に今の受託事業をスタートしました。
最初はリスティング広告を出してWeb制作の仕事を受注していました。
転機となったのは、金沢市に本社を構えるある会社さまから公式Webサイトのリニューアルの相談がきたときです。この仕事を受けるのであれば、個人よりも法人の方が信用力は高いという理由もあり、会社を設立しました。
また、当時少し挫折があったのですが、とある先輩から「本当にやりたい事を貫くためには綺麗事や想いだけじゃダメで、ある程度の力や知名度がないと何もできずに終わるよ。」と教えていただいたこともきっかけです。
とんでもなく心許ない資本金で起業したので当時は不安もありましたが、今となってはあの時法人化したのは良かったなと思っています。

取引先は地元、金沢のお客さまが多いのですか。

そうですね。地元石川県の取引先さまが多いです。私自身、都会的な暮らしにそれほど憧れもなく、この先も金沢に住みたいという想いを持っていました。
金沢で仕事を続けていくには人と人とのつながりが大切です。
私にとって一番嬉しいお客さまとの関係は、Webサイトの制作だけで終わってしまう関係ではなく、リピートしていただきお付き合いが続く関係です。
創業時からずっと、もう3年もお付き合いが続いている企業さまもいらっしゃいます。
Webサイトの制作をきっかけにECサイトの構築やお客さまのWebマーケティングの部分にも携われると嬉しいですね。

Webサイト制作からアプリ開発、SEOまで対応。「ものを売る」に原点回帰し、事業を展開

「Web集客に強いホームページ制作」と打ち出している理由を教えてください。

ブランディングも集客の一環とはいえ、現在の集客数を1.1倍〜1.3倍にするのがブランディングだと私は解釈しています。これはデータを見て感じました。
中小企業が多く存在する金沢は、まずその「現在の集客数」に困っているお客さまが多くいらっしゃいます。ブランディングを行うWeb制作会社さまは金沢に既にたくさんありますので、ソラノデザインではそのブランディングの前フェーズのお客さまに価値提供できたらといった想いで、「Web集客」を打ち出したホームページ制作を行っています。

Webサイト制作を中心にWebアプリケーション開発からECサイト構築まで幅広いですね。

お客さまと信頼関係が構築できて、お付き合いが長くなってきますと、コンサルティングのお仕事をいただく事も多いです。ホームページ制作のご依頼から接点を持って、WebマーケティングやECサイトにまで話が発展すると、私には一番うれしいお客さまとの関係が続いていきます。
もちろん単発での制作ご依頼も嬉しいのですが、頼ってもらえればもらえるほど、事業家としては嬉しいなと感じてしまいます。
また、ECサイトにも事業の幅を広げたのは、商売の原点である「ものを売る」というスキルを身につけたいという想いからです。
その派生で、自社でもECサイトの運営をはじめました。自社でECサイトを運営しているメリットは大きく、ブランディング戦略からデータドリブン、SNSマーケティングまで「自分ごと」としてノウハウを蓄積できるので、組織としての知識量が上がっていっています。よりお客さまにノウハウを還元できるよう日々努力しています。

報われる会社にするため互いの仕事に責任を持つ。分業しない、そのワケとは

現在の社員さんはどんな役割分担をされていますか。

大きな会社であればあるほど分業化が進むのですが、私たちのようなまだ4期目の企業は、まだまだ分業体制が整っていません。
そのぶんスピード感を持って動けたり、意思決定がスムーズだったり、自由に事業をデザインできたりします。
組織が大きくなるまでは今いる全員がスーパーマルチプレイヤーとして動き、会社としての目標である「頑張っている人が報われる会社」をスピード感を持って構築した上で、組織化・マニュアル化を行うつもりです。
まずは組織を磐石にし、ビジネスモデルを安定させていきたいです。

スタッフにはどのようなことを求めていて、応えていますか。

それぞれがマルチに動けるからこそ、それぞれの良いところを伸ばすマネジメントは意識しています。
また、心理的安全性はとても大切にしていますし、ボトムアップ型の意思決定も大切です。
1on1や労働分配率の設計も細かく行っています。
Googleが行ったプロジェクトアリストテレスという実験があるのですが、結果をとても簡略化して話しますと、「社員に自由にさせる会社は、社員が責任感を持っていれば大きく成長しやすいが、社員に責任感がなければすぐにダメになる」といった実験結果があります。私が今の経営スタイルで事業を継続できるのも、今の社員が優秀で真面目だから、それぞれがお金の面でも仕事の面でも、責任感が強いから、といった理由が大きいです。
皆会社のキャッシュフローを自分ごとのように考えてくれますし、自分の個人粗利も把握した上で、現実的に動いてくれています。
そのため、スタッフに求めることがあるとすれば、仕事に対して、会社に対して、今と同じ姿勢で向き合ってくれることですかね。真摯で真面目な姿勢で向き合ってくれるからこそ、私も倫理観を大切に経営ができています。

妥協せずに戦い続けることでWebサイト制作の世界を生き抜く。BtoBも視野

角田さまがクリエイターとして大切にされている考え方を教えてください。

私がずっと大事にしている言葉は、アメリカのロックシンガーであるジャニス・ジョプリンさんの「あなたはあなたが妥協したものになる」です。
これでいいやとその時点で妥協して受け入れてしまえば、それ以上向上はせずに自分の人生はそこまでです。
妥協せずに戦い続ければ、成長し続けられると。つらい時やしんどい時に自分を奮い立たせてくれた言葉であり、今もこの言葉に励まされています。
制作物に対しても、その想いで取り組んでいます。

今後の展望について、挑戦してみたいと思う仕事はありますか。

BtoB SaaSにはチャレンジしたいと思っています。種銭が必要なビジネスモデルなので、VCや借入を考えていない私にとってはまだまだ着手するには時間がかかります。そのため先の話にはなるのですが、今まで積み上げてきたノウハウをつぎ込んだ集大成となるようなプラットフォームを構築して、自分の力を試してみたり、失敗して学んだり、いろいろと経験していきたいと思っています。
Webサイト制作は参入障壁が低い業界なので、これからも多様に変化していく感覚があります。AIを活用していく動きも活発ですし、時代とニーズに合わせて新しいものを取り入れる柔軟さと、クリエイターとして妥協しないところのバランスを取りながら成長していきたいです。

取材日:2023年8月18日 ライター:高井 寧香

ソラノデザイン合同会社

  • 代表者名:角田 悠太
  • 設立年月:2020年8月
  • 資本金:80万円
  • 事業内容:Webサイト・ホームページ制作、Webアプリケーションの開発、LP(ラディンディングページ制作)、ECサイトの開発、Webメディア制作・運用、Webマーケティング事業、ITコンサルティング事業
  • 所在地:〒920-0345 石川県金沢市藤江北4丁目395 ABOX3 セパレーツ106
  • URL:https://kanazawa-homepage.jp/
  • お問い合わせ先:上記サイトお問い合わせフォームより

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