考え抜いた広告デザインで人々に最適な選択肢を。納得いくまで「とことん向き合う」、重ねた信頼

愛知
株式会社アトマ 代表取締役
Tomohiro Sakata
坂田 朋宏

愛知県にあるJR高蔵寺駅の目の前にオフィスを設け、名古屋・多治見・春日井エリアを中心とした地域密着型のビジネスを展開する、株式会社アトマ。近郊の大学や地元企業のデザインパートナーとして、グラフィックから動画までの幅広いクリエイティブを提供しています。創業10年で100社を超える顧客の心をつかんだ代表の坂田 朋宏(さかた ともひろ)さんは、「お客さまが納得するまで」デザインに向き合います。そのこだわりには訳がありました。起業までのいきさつや営業力の秘密、会社の強みなどをお聞きしました。

営業ノウハウと広告業界の知識をもとに起業を果たす。同僚のデザイナーとともに

坂田社長の起業までのキャリアを教えてください。

愛知県の春日井で生まれ育ち、名古屋の大学に進みました。その後は教育系の広告代理店に就職し、営業として7年ほど広告業界でキャリアを重ねました。大学のパンフレットや入試ガイド、オープンキャンパスのツールなどをプロデュースし、ブランディングなどにも携わりました。
広告代理店を退職した後は、異業種の営業にチャレンジしたのですが、同じ営業職でも個人向けがメインの営業は肌が合わず、数年で広告の世界に戻りました。今度は代理店ではなく広告制作会社に転職し、営業だけでなく制作ディレクションの経験も積んでいきました。

広告代理店と制作会社で違いはありましたか?

新卒で入った広告代理店は全国展開する大手で、広告制作会社は中小企業でしたので、規模感から違いがあったのですが、広告制作会社の仕事内容がハードで何日も寝ずに働くこともありました。その大変な時期があったおかげで力が養われたというのもありますが(笑)。

アトマを起業されたいきさつを教えてください。

転職した制作会社で一緒に働いていた優秀なデザイナーと意気投合し、アトマを一緒に立ち上げることになりました。営業とデザイナーそれぞれの領域で力を発揮し、助け合いながら二人三脚で経営を続けてきました。
顧客ゼロの状態からのスタートだったので、立ち上げからしばらくは新規営業への注力が必要でした。しかし徐々にお客さまに認めていただけるようになって、今では新規営業を頑張らなくても紹介でどんどん増えていく状況になっています。
新型コロナウイルスが流行する前には安定してデザインの案件相談をいただける状態になっていたので、コロナ禍もそれほど影響がありませんでしたね。

創業10年で100社超の顧客を獲得できた秘訣とは?

創業10年で100社超の顧客を獲得されていますが、初めはどのように開拓されていたのでしょうか。

何か特別な近道をしたわけではまったくなく、まずは電話で1件1件アプローチして提案の機会をいただき、小さな仕事から獲得していきました。テレアポからのアプローチ手法は異業種時代の営業で培ったノウハウが大いに生きていると思います。
もともと人と話すことや営業活動が大好きなので苦に感じたことはありませんし、経営者の集まりなどに顔を出すのもあまり好きじゃないので、特定のコミュニティにも頼ることなく自力で顧客を開拓していった感じですね。

しかも、直契約のお客さまがほとんどなんですよね?

そうなんです。一部、広告代理店経由の仕事もありますが、全体の9割以上は直接のお取引をさせていただいています。

物事の核心を突く広告デザインを提供する。理念に込めた想い

社名「アトマ」の由来を教えてください。

英語の社名だとありきたりになってしまう感じがしたので、別の方向で社名を考えていました。妻に相談していた時にふと「インドっぽい雰囲気の社名がいいかも」と感じ、いろいろ調べて「アトマ」に決めました。
「アトマ」の元となる言葉は「アートマ」といって「物事の核」といった意味があります。本質をついた広告ビジネスとの相性もいいですし、文字の中に自身の名前を感じさせる「tom」が入っていることも気に入りました。

企業理念「考え抜いた表現で人々の選択に貢献する。」についてもお聞かせください。

広告の一番の目的は、人々がそれを見て商品やサービスの選択をすることです。「常にお客さまに最適な選択をしてもらいたい」という想いのもと、日々広告づくりへの姿勢を意識できるよう理念としました。また、お客さま(広告主)とその先のお客さま(購入者)をつなぐという部分も大切にしており、理念に立ち返るたび気が引き締まります。

グラフィックデザインから動画編集までを自社で完結。「お客さまが納得するまで」が信頼に

現在の制作体制と手がけている事業領域は?

私が営業を担い、4人のデザイナーが実制作を手がけています。4人ともそれぞれの得意領域があるため、グラフィックデザインはもちろんWebデザインやムービー編集まで社内のスタッフで完結できます。案件によって外部カメラマンに撮影をお願いすることもありますが、当社にはドローン撮影機器もあり、撮影からフィニッシュまですべて自社スタッフでこなすこともよくあります。
新型コロナが流行してからは動画の領域に特に力を入れており、多くの実績とノウハウが蓄積できています。グラフィックデザインの技術やセンスが、動画編集にも確実に活かされているのを見て「デザイナーって本当にすごい!」といつも感じています。
ビジネスエリアは拠点がある春日井市をはじめ、名古屋市エリアや多治見エリアなど、お客さまの顔が見える範囲にしています。

御社の強みはどのようなところにありますか?

営業的視点とクリエイティブ視点のバランスがいいのが強みだと自負しています。営業の私がお客さまのニーズや世の中の動きを的確にキャッチし、そこにクリエイティブの視点をかけ合わせて広告表現を提案しています。お客さまの気持ちと、広告を作る側の視点が上手に噛み合っているので、着実な成果となって現れてきやすいという特徴があります。
アトマではお客さまが納得するまでデザイン調整をとことん行います。そのこだわりが信頼につながって、長い付き合いになるお客さまが多いのが当社の特徴だと思います。私は営業を担当していますが、Webのソースコードがある程度わかるので、お客さまが困った時には訪問してその場で修正することもあります。営業自らの即時対応にけっこう驚かれますし、喜ばれますね。

リモートワークも活用しながら、働きやすい環境づくりを。少数精鋭で顧客と向き合い続ける

そのほかで力を入れていることも教えてください。

お客さまにとことん向き合う一方で、ワークライフバランスの充実にも力を注いでいます。半分以上の社員がリモートワークを選択して、通勤期間のムダを省いたスマートな働き方を実践しています。広告制作会社でありながら、土日もきちんとお休みできる体制を整えています。

現在は坂田社長、お1人で営業活動をされていますが、営業スタッフを増やされるご予定は?

営業スタッフを育てていきたいという想いはあるのですが、人材教育のリアルはなかなか難しいですね。社員の平均年齢も年を経るほどに高くなっていくので、これからの課題の一つとなっています。
組織としてはどんどん大きくしていこうという気持ちはあまりなく、これまでどおり少数精鋭で目の前のお客さまを大事にできる環境を維持していきます。

仕事のベクトルを自分ではなくお客さまに向けること。デザインで地域を元気に

坂田社長の視点から、世の中のクリエイターにアドバイスをお願いします。

私自身は営業メインなのでクリエイターではないのですが、営業的な視点からクリエイターを見つめてみると、やはり「お客さまのためにいいものを作りたい!」という気持ちが一番大事だと感じます。
「自分の腕を磨きたい」とか「認められたい」という気持ちももちろん大事ですが、そのベクトルが自分に向くよりは顧客満足に向いているクリエイターのほうが圧倒的に成功していますし、そうしないと仕事が長続きしないと思います。また、そのことを諭した時に「責められている」と感じるのではなく、「自分の将来を思ってアドバイスしてくれている」と素直に受け入れ感謝できる方が伸びていきます。
人生に無駄な経験なんてないですし、大きなチャンスはどこに隠れているかわかりません。仕事を区別せず、とにかくたくさんのプロジェクトにチャレンジしてスキルを上げていってください。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

春日井を拠点にビジネス展開を行い、地域のお客さまから支持をいただけるようになってきました。しかし、デザインは地域すべての会社がお客さまになりうる仕事だと私は考えます。春日井には大企業は多くないですが、地域にもまだまだ伸びしろはあります。多くのお客さまと直接お会いして、デザインの力で企業の課題解決や地域を盛り上げるお手伝いがしたいと心を新たにしています。

取材日:2023年7月11日

株式会社アトマ

  • 代表者名:坂田 朋宏
  • 設立年月:2013年3月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:グラフィックデザイン、Web制作、動画制作
  • 所在地:〒487-0013 愛知県春日井市高蔵寺町4丁目8番地2 加藤ビル2F・3F
  • 電話番号:0568-29-6392
  • URL:https://atoma.jp
  • お問い合わせ先:https://atoma.jp/contact/

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