商機をいち早く見出し、沖縄で国土交通省認定のドローンライセンス 取得スクールを展開

沖縄
株式会社BUDDY 代表取締役
Reo Yoshimoto
吉元 玲雄
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従業員

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東部消防組合機能別消防団辞令交付式

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富士総合火力演習空撮

空撮映像などで活躍する小型の無人航空機ドローン。2022年12月からライセンス制度が導入され、一部の飛行においては、車の運転免許のような国家資格が必要となりました。その制度改定にいち早く着目したのが、沖縄の株式会社BUDDY。22年に、国土交通省が認定したドローン免許取得のためのスクール(登録講習機関)を開校し、すでに100人近い受講生を送り出しています。若き経営者であり、元ダンサーという異例の経歴の持ち主である代表取締役の吉元 玲雄(よしもと れお)さんは、 なぜドローンスクールの運営に乗り出したのか。そこには高校生の頃から胸に抱いていた、強い想いがありました。

逆境を乗り越えるためにダンスに熱中。「一冊の本」に導かれた飲食店経営の道

独立までのキャリアを教えてください。

会社に就職していた、という一般的な社会人経験はなく、20代前後はストリートダンス一筋でした。家庭環境が複雑だったうえに経済的にも苦しい状況で、子どもの頃から早く自立したいと思っていました。「大学へ行って公務員を目指せ」と周りの大人から言われましたが、大人に対して不信感があったせいか、そんな言葉を信じられませんでしたし、魅力的にも感じませんでした。自分にできること、向いていることを見つけたいと思案した結果、「ダンス」にたどり着きました。
高校時代はバイトに明け暮れて、稼いだお金はすべてダンスに費やしていました。卒業後もバイトしながら県外や海外の大会に参加したり、ダンスのインストラクターをしたり。しかしダンス一本で生きていくのは厳しく、親しいダンサーの先輩と別の道を模索することにしたのです。そんな時、一冊の本に出合いました。

どのような本だったのでしょう?

「仲間とゼロからバーを立ち上げる」という内容で、飲食店の経営に興味が湧きました。当時、私の父が那覇の国際通り近くでバーを営んでいたこともあり、日中は使われていないその物件を使わせてもらうことに。とはいえ店舗運営は全くの素人だったので、成功している飲食店のオーナーなどとSNSからコンタクトを取り、アドバイスをいただきながらノウハウを独学で獲得していきました。
1年ほど準備に費やしましたが、何とかオープンにこぎつけました。店舗のプロモーションにSNSを駆使したところ、「100日後に飲食店をオープンさせる2人」というコンテンツでバズり、開店時は100人規模の行列ができるほどでした。Instagramでも1000人ほど一気にフォロワーが増えたのですが、父と店舗運営でもめてしまい、約2カ月で閉店することになってしまいました。

飲食店のオーナーから一転、ドローンスクール設立へ。“国家免許取得必須化”に見込み

2カ月で閉店とは大変でしたね。それからお仕事はどうされたのですか?

当時お世話になっていた方が、沖縄の恩納村にあるリゾートホテルのカフェを運営されていて、その方を頼ったところ、ホテルに住み込みながら経営を教えていただけることになりました。私自身、まだまだ経験も知識も不足していると痛感していたので、そこで昼間は働き、夜は事業計画書を書いては指導をしてもらうという日々を4カ月ほど続けました。
そんな生活が終わろうとしていた時、日本ドローン機構株式会社の方とお会いする機会に恵まれました。その会社では、22年12月からドローンライセンスが国家資格になることを受け、全国に国土交通省認定の講習団体、つまりドローンスクールを広める取り組みをしていました。その会社とのご縁もあって、提携先の会社として22年3月にBUDDYを設立しました。

吉元さんがドローン未経験の状態のなか、なぜドローンスクールをしようと決断されたのでしょう?

将来性がある事業だと感じたからです。沖縄にドローン操縦を習えるスクールや機関はあるものの『ドローンが国家資格になる』という認知面ではまだ広まっておらず、早く参入していた方が勝算はあるし、安定事業になり得ると思いました。まずは私自身もドローン講習を受け民間資格を取得し、ドローン操縦に精通しなければなりませんでしたが、未経験でも航空法から操作方法を学べ、民間資格を取得できると体感できたことは、教える立場になって生かせていると思えます。

開校1年で約100人受講。ドローン用途に合わせ、さまざまな内容の講習を用意

ドローンスクールとしての事業内容を詳しく教えてください。

車の免許取得に例えると、弊社は教習所です。ドローンを安全に飛行させるために必要な基礎知識操縦の技能を取得できる講習から、より専門性の高い操縦ができる講習、空撮に特化したコース、ライセンス取得のためのコース、インストラクターになるためのコースなど、それぞれ講習時間や料金が異なる複数のコースを用意しています。

ちなみにライセンスを取得しなくても、ドローンは操縦できるのですか?

現時点では可能ですが、ライセンスを取得しておいた方が、飛行に必要な申請の一部が免除されたり、申請の許可がスムーズに降りたりと、何かとメリットが多くなります。また「人がいる上空に飛ばす」など、現在禁止されている危険を伴う一部の飛行が、一等資格保持者のみ許可になります。まだ国家資格制度はスタートしたばかりなので、これからどんどんルールは変更されると思いますが、今後免許がないとドローン操縦は完全不可になる可能性が高いため、早めに取得しておいた方がいいと言えるでしょう。
もう一つ、最大と思われるメリットが、企業の社会的信用が向上する点だと思います。ドローンというと空撮のイメージがありますが、本来はもっと用途が多いものです。例えば測量や土木建設、農薬散布などの物件投下、物流、警備など、ありとあらゆる分野での産業利用が進められており、今後は多くの企業でドローン操縦スキルが必須になるはずです。
このようなトレンドを受け、受講生のほとんどは会社員です。開校してから1年強になりますが、既に100人近い方が受講されました。

BUDDYならではの付加価値のある講習で受講生の心をつかむ

新しいスクールにもかかわらず、どのようにして受講生を集めていったのですか?

最初はSNSで募集していたのですが、SNSを見ている層と、実際にドローン免許を必要としている層に乖離(かいり)があったせいか、あまり集めることができませんでした。そこで、知人の経営者の伝手をたどり、沖縄県内の企業へ営業に行くことにしました。
ドローン免許取得の重要性だけでなく、弊社ならではの付加価値のある講習を提供することをお伝えして、少しずつ参加者を増やし、紹介や口コミで広まっていきました。

付加価値のある講習とは、どのような内容ですか?

ドローンをお持ちでない方も結構いるので、まず小さなドローンをプレゼントするキャンペーンなどを行ったりしました。講座終了後は、ドローン練習会を開催したり、飛行に必要な申請をサポートしたり、アフターサポートも手厚くしましたね。
また、できるだけ楽しんで学べるような授業にしようと心掛けました。厳格すぎる授業だと退屈ですし、難しく感じて士気が上がりません。できるだけ操作時間を増やしたほか、気さくに、かつ丁寧にコミュニケーションを取ったことで評判が上がり、受講生を増やすことができました。

ドローンの利活用推進の一翼を担いたい。夢だった「ダンスの世界」への貢献も視野

今後の展望やビジョンを教えてください。

ドローンの国家資格化は始まったばかりですので、まずは講習内容をより工夫して、受講生の満足度を高めることに注力したいと思っています。
一方、「ドローンが国家資格になった」こと自体がまだまだ知らない方が多いと感じておりますので、まず認知度を高めるための活動もしていきたいです。例えば、ドローンを使って風船を割る「ドローンファイト」というスポーツがあり、イベントなどを通して広く伝えていきたいですね。また、私自身がインフルエンサーとなることも重要だと考えており、SNSを活用しての知名度アップにも取り組んでいます。
企業だけでなく、工業や農業系の教育機関、公共機関などさまざまな機関でドローンの利活用が推進されると思われますので、ドローン講習や情報提供を広く実施していきたいです。実際に、総務省消防庁が全国の消防団にドローンを導入する方針を固めたことを受け、沖縄県内のとある消防団へ入団し、ドローンの勉強会を実施し始めました。
そしてもう一つ、ずっと先のことになるかもしれませんが、私のかつての夢だったダンスの世界へ貢献したいです。何かとお金が必要な業界ですし、沖縄のダンス界を盛り上げるためにも、イベント主催やスポンサーになるなどなんらかのかたちで応援できればうれしいですね。

最後に、一緒に働くクリエイターにどのようなことを求めますか?

何か一つにずば抜けて長けている方がいいですね。ドローンの操縦に関しては、一点集中型の方が上手なケースも多いんです。例えば、今までどんな職場でもうまく馴染めなかったようなADHD の方でも、一つのことに集中できるのであれば、ぜひ一緒に働きたいです。実は私もADHDで苦労した経験があり、弊社が受け皿になれれば、と思っています。

取材日:2023年6月19日 ライター:仲濱 淳

株式会社BUDDY

  • 代表者名:吉元 玲雄
  • 設立年月:2022年3月
  • 資本金:600万円
  • 事業内容:ドローンスクール・免許取得、空撮・ドローン撮影、ドローンファイト
  • 所在地:〒900-0012 沖縄県那覇市泊2-15-8 泊マンション3F-B
  • URL:https://buddy-drone.co.jp/

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