WEB・モバイル2023.04.19

デジタル・ブランディングをワンストップで。親会社と連携し質の高いサービスを提供

福岡
アジサイ株式会社 代表取締役/取締役
Kensuke Iwasaki/Keisuke Haraguchi
岩﨑 健佑 氏/原口 佳輔

デジタル・ブランディング、Webサイト制作、写真、動画撮影のほかWebメディア運営などを手掛ける、福岡のアジサイ株式会社。親会社は福岡を中心に西日本エリアで不動産専門の広告クリエイティブソリューションを提供するバラタス株式会社です。両社の代表取締役を務める岩﨑 健佑(いわさき けんすけ)さんは、不動産広告としての専門性を高めるだけでなく、あらゆる業界の垣根を越えた仕事を受注できる新会社を設立することで、幅広い事業者をサポートしようとアジサイ株式会社を設立しました。そんな岩﨑さんと取締役の原口 佳輔(はらぐち けいすけ)さん、お2人に設立の背景、経営戦略、事業内容、今後のビジョン、求める人材について話を伺いました。

「バラタス」起業から6年、新会社「アジサイ」設立でデジタル化の潮流へ。互いにもたらすメリットとは?

岩﨑さんは2018年7月にバラタス株式会社の取材を受けられています(https://www.creators-station.jp/interview/legends/38768)。 22年11月に「アジサイ株式会社」を立ち上げるまでの経緯を教えてください。

岩﨑さん:親会社である「バラタス」が2016年から不動産に特化した広告サービスを提供していく中で、デジタルシフトしていく波が今後より顕著になるという予測のもと、会社の取り組みとして、クリエイターのスキルをよりデジタル化していくことに取り組んできました。
不動産広告を専門にしているメリットを挙げるなら業界に特化して強い領域があるということ。ですが、デメリットはそれ以外の領域の情報が入りにくいというところ。時代の流れを読むためにも、あらゆる業界を広く知り、新時代のビジネスに関われる事業が欲しいタイミングだったんです。
アジサイは、親会社バラタスの制作面をサポートしながら、その一方で、不動産以外の幅広い業界に対し、時代に即したサービスを提供していくという目的がありました。

不動産業界以外へ枠を広げようという戦略があって、新会社設立に至ったのですね。

岩﨑さん: バラタスは専門分野を縦に深く掘って、アジサイは横に広げることで、提供できるサービスや提案の幅をお互いに広げたいと思っています。
アジサイのデジタル技術とバラタスの不動産知識、デザイン力をかけ合わせることにより、クリエイティブのレベルを上げたり、対応できるサービスの幅が広がると考えています。

タイミングや価値観、方向性がぴったり一致して…

左から、代表取締役の岩﨑 健佑さん、取締役の原口 佳輔さん

原口さんがアジサイの立ち上げに関わることになったきっかけを教えてください。

原口さん:もともとはWeb制作会社で働いていたんですが、ちょうど世間がコロナになったタイミングで独立してフリーランスになりました。Web制作のほかに、もともと好きだった写真や映像の仕事も始めました。フリーになってから2年半ぐらい経ち、2022年初めくらいから本格的に法人化しなければと思っていました。そのタイミングで岩﨑から3、4年ぶりに突然連絡があったんです。「そういえばどうしてるかな?」と私のことが気になったらしくて。それでご飯を一緒に食べに行ったんです。これから法人化するかどうか悩んでいると話したら、ちょうど岩﨑もWeb系の会社を作ろうとしてたと。「お互い会社作ろうとしてるんだったら一緒にやる?」みたいな感じでタイミングがばっちり合いました(笑)。

お互いの方向性も一致したのですか?

原口さん:そうですね。私はWebだけではない会社にしたいと考えていまして、Web制作会社はいっぱいあるのに今さらまた作ってもしょうがない、写真や映像を取り入れたコンテンツ制作に力を入れたいと思っていたんです。岩﨑も同じ考えで「単なるWeb制作ではない、その先を考えている」と。ちょうどそこも合致したんです。
その時に、経営的なことは一旦お任せして自分はクリエイティブに力を注ぎたいと話したら、岩﨑が「経営は全部やる」と言ってくれたんです。それならぜひ喜んでお願いしますと(笑)。実際、自由にやらせてもらっていますし、フリーランスの時よりも、作ることに集中できています。

これまでになかったさまざまな業種から受注が増加中

設立されてまだ約半年ですが、これまでの成果については?

岩﨑さん:ありがたいことに、スタートから想定以上のご依頼をいただいています。既存のお客さまに加えて新しいお客さま、バラタスのお客さまであるマンションデベロッパーやハウスメーカーさんのお仕事も含め、新たな相談もいただいており、今後につながりそうな流れができてきています。
原口さん:業界の幅も広がっています。最近増えてきたのは医療系です。他にも、人材評価サービスやアプリのUIのコーディングなどを手掛けています。バラタスのクリエイティブスタッフと協力することで、今までにできなかった提案ができている実感があります。

社内の体制はどのようにされているのですか?

岩﨑さん:私が営業・企画からプロジェクト全体のプロデューサー的ポジションを。実働的な制作や細かい制作上のディレクションを原口の方でやっています。連携も大事なので同じフロアでやっています。コミュニケーションを深める意味もありますし、どういう仕事のやり方でどんな仕事をしているのかなど、肌感で知っておいた方がお互いやりやすい。アジサイのメンバーが加わっても、雰囲気はいい意味であまり変わらず、違和感はないですね。
原口さん:同世代のスタッフが多いので、ともに成長していることが感じられて刺激があります。

映像やモーションなどデジタルなクリエイションが注目を集める

現在の仕事内容について聞かせてください。

原口さん:現在はまだWebサイト制作が大きな柱になっていますが、写真や映像をさらに育てていきたいですね。どうしてもいただいた写真だと望ましい表現にならないことが多いからです。なので必要に応じて、私たちがカメラを持って行き、撮影することもあります。最近の例だと、福岡市中央区の大名小学校跡地の「FGN(Fukuoka Growth Next)」という施設の公式の写真を弊社が撮影することになりました。おかげさまで撮影のお仕事も徐々にですが増えています。

デジタル・ブランディングがワンストップでできるそうですが。

原口さん:弊社は紙から映像までトータルなソリューションが可能で、そこが強み。Webサイト制作や写真、映像は結局、企業や個人のデジタル上のブランディングに深く関わっています。そのため、写真や映像の需要が高まるのは必然で、実際に、お客さまからのニーズも顕在化しています。
既存の制作会社は、Web制作はできたとしても写真や映像は外注になってしまうことが多いので望ましい表現ができなかったり、マーケティングの知識が浅かったりします。しかし、弊社の場合は企画から制作までまとめてワンストップで受けられるので「発信」に“ぶれ”が出にくい。要望があればSNS動画の制作やSNS運営なども行っています。単なるWeb制作にとどまらず、その先の展開まで見据えた面のサービスを、ワンストップで提供していくことを重視しています。

「デジタル・ブランディングを全ての人へ」。その本当の意味

この先のビジョンについて聞かせてください。

岩﨑さん:ひとつは「ネクスト・スタンダードの追求」です。実際に最先端技術を求めている人は少なく「ちょっと新しくて、ちょっと良い」ぐらいを求めていらっしゃる方が圧倒的に多いと感じています。今まで、とっつきにくいと感じていた方でも「デジタルを使って会社を良くし、ビジネスを良くしていく」という世界を気軽に手にしてもらいたい、そこで我々の会社をぜひ使って欲しいと願っています。そのために我々は「“食べにくい最先端技術”よりは“初めて食べたけど美味しい”」と思ってもらえるような、クリエイティブやブランディング・サービスを広く提供していきたいと考えています。

会社の理想実現を登山に例えるとどの辺りでしょうか。

岩﨑さん:まだ登山道の入口に立っているところです(笑)。装備を整えているところですね。「全ての人へデジタル・ブランディングを届ける」というミッションがあるので、どうしたら全ての人に届けられるのかを模索しています。今はあくまで我々の周りの人に届けているだけなので。どのような体験を提供できるのか、今後の長い道のりの中で考え実行していこうと思っています。

「なぜこれをやるのか」を考えられる人と働きたい

クリエイティブな人材に求める志、スキルなど求めるものは?

岩﨑さん:我々の商品やサービスを使ってくれるのはあくまでお客さまなので、お客さまのビジネスにとってこの技術がどう活きるのか、このデザインがどう力になるのかというところに主眼を置いて取り組んでほしいなと思います。お客さま目線を持ちながらその先を自分たちで創造していくのが真のプロの姿だと思います。ホームラン打ちたいからホームランばっかり練習していても、お客さまはヒットでいいんだよ、という時もあります。きっと最初のうちはヒット打ちながらその延長線上でホームランが出るというスタンスでいてくれるのが一番いいと思います。

一緒に働く上で大切なことは何でしょうか?

原口さん:私自身は「これはなぜやるのか?」ということを必ず考えるようにしています。必ず、「考える視点」を持つこと。そうしないと制作中も要らない時間を過ごしてしまったり、単純なミスにつながったり、お客さまの意図と違うことが起こったりするからです。それは意識して働いてくれると良いなと思います。

取材日:2022年3月13日 ライター:永留 じゅん

アジサイ株式会社

  • 代表者名:岩﨑 健佑 (取締役 原口 佳輔、平野 康昌)
  • 設立年月:2022年11月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:デジタル・ブランディング、Webサイト制作、映像・写真撮影制作、プロモーション動画・SNS広告動画・YouTubeチャンネル運営支援など各種デジタル・コンテンツの企画制作
  • 所在地:〒814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜1-3-70-5806 ザ・レジデンシャルスイート・福岡
  • 電話番号:092-400-0967(バラタス内)
  • URL:https://ajisai-co.com/
  • お問い合わせ先:

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