WEB・モバイル2022.12.21

「新たな働き方で自分らしさを追求する」 北海道、東京から、グローバルな進出を目指すIT企業

札幌
株式会社GVI 代表取締役
Yasuyuki Ito
伊藤 康幸

3社もの会社を立ち上げ、「自分らしさ、働きやすさ」を追求し続けてきた伊藤康幸(いとうやすゆき)さん。そんな自分の考える理念や手法、自由な働き方を実現するべく取り組んでいるのが、アプリやシステムの受託開発をメインとする「株式会社GVI」です。北海道と東京に本社を構え、今後は「海外を含めた、好きな場所で自由に楽しく働ける仕組みを作りたい」と話す伊藤さん自身、ワーケーションで全国を飛び回り自由な働き方を体現しています。起業の経緯や新しい働き方の支援、今後の展望などをお聞きしました。

アプリやシステムの受託開発からマーケティングの支援までトータルでサポート

現在の事業内容について教えてください。

Webサイトの制作とECサイトの構築、アプリ・システム開発の3つを軸とし、必要に合わせてマーケティングの支援も行っています。特にECサイトやWeb・スマホアプリの構築とそれらを連動させるシステムの開発に力を入れています。
例えば直接携わっている案件で大きなものだと、売上数百億円規模、全国に数百店舗展開する大手企業のECサイトの構築や、数十万人規模の顧客のデータベースとECサイトをつなげる社内システムの開発などを手掛けています。

マーケティングの支援というのは?

新規事業として新たにアプリなどを開発されるお客さまに対して、システム開発からマーケティングまで一貫して支援するサービスとして「新規事業ダイナミックパッケージ」というサービスを展開しています。
Webやアプリは作ってからがはじまりという考え方でお客さまのWebへの集客やアプリの利用者を増やすためにはどのようにしたら良いかをお客さまと一緒に企画段階から考えていき、開発を進めていくというスタンスで多くのお客さまにリピート頂いております。
最近の事例だと、ECサイトの開発とその後の広告運用・マーケティングの展開の仕方をセットで提供して、半年で売上が3倍になったという事例などがあります。
継続して結果を出せる仕組みを作るために、企画の段階からお客さまに寄り添った最適なご提案をしたり、社内で運用するならそのための人材教育などのお手伝いしています。

学生時代に月30万!バイトにのめり込んで知った理想の働き方

株式会社GVIは3社目の起業と伺いました。これまでのキャリアと起業のきっかけを教えてください。

大学時代にアルバイトが楽しくて、飲食店バイトを3つ以上掛け持ちして月に30万円以上稼いでいたんです。ところが就職したら逆に手取りが半分以下に下がってしまって。当時は新卒で頑張ろうと思って上司よりも家賃の高い家に住んでいたので、すぐにでもバイトしないとお金が足りない! と思ってすぐに辞めることを決意しました(笑)。

バイトで月30万円は相当稼いでいましたね

本当に多くの人と環境に恵まれていてバイトながら社員と一緒に新店舗の立ち上げに携わるなど、忙しくも貴重な経験をさせてもらいました。一方で、当時はアルバイトしていた上場企業のカフェチェーンでは2代目社長が会社を率いていたのですが、先代からいる古株の役員と意見が異なる場面を度々見ていました。上場企業の社長であってもやりたいことができない、下手をすると株主総会で解任させられる可能性もあるなんて、自分が本当にやりたいことを実現するためには自分がオーナー側になるしかないなと思ったのが起業しようと思ったきっかけです。

「自分が実現したいこと、自分らしさを」追い求め、3年で3社の起業 多額の借金に裏切り、辛酸数知れず  

それで起業に行き着いたのですね。

就職先を1年で辞め、最初に営業代行の会社を仲間内で立ち上げました。ただ、仲間だけで楽しくできるほどビジネスは甘くはないですよね。痛感しました。それで、そのあとにご縁を頂いたホールディングス会社の社長の下で、1年ほど勉強させてもらい、次に持ち株50%・50%の共同経営という形で、IT系の開発と人材系の会社を立ち上げました。

2社目はどうでしたか?

共同経営ですから、自分と相手の考えに相違があれば話し合わなければならず、自分が思ったようにできないことも多々あって、これはかつてのバイト先の社長と同じだなと感じました。共同経営者は、もっと医療業界に特化していきたいということで、IT業界に根ざしていきたかった私は株式を売却し、よりグローバルに新しいことに挑戦するための現在の会社をつくりました。

決断のスピード感がすごいです。

自分の考える理念や手法を思った通りに試してみようと、動かしているのが3社目である現在のGVIです。実は2社目の創業1年後くらいに会社自体は作っていたのですが、個人的な売上を管理するぐらいの目的で、最初の3年ほどは大きく動かしておらず、2社目を抜けたあとで本格的に動かし始めました。そのため、創業は2018年となっていますが今の事業としては実際にはまだ2年くらいです。

起業にあたって苦労したことはありますか?

信頼していた人に裏切られたりしてそこから多額の借金ができたり、一度は多くの経営者が通る道だと思うのですが、資金と人の面での苦労はたくさんありました。ただ、普通の20代が一生で一度経験するかどうかのたくさんの苦労をたくさんしたはずなのですが、実は最近はもう全然思い出せないんです。
何があっても自分で選んだ結果だと思い、常に前だけを見てきたらどんな出来事も乗り越えてきたので、今はいろんな笑い話ができてよかったなと思っています。

地域に根ざす覚悟と姿勢 北海道と東京の2本社体制

今回北海道に進出された理由を教えてください。

会社を大きくするのと同時に現地での雇用も増やしたいと思い、まずは札幌と福岡のどちらかにもう一つの本社体制をつくろうと考えていました。地域の人柄やマーケット規模、採用のしやすさなどいろいろな要素を鑑みた結果、札幌からまず進めることに決めました。特に行政独自の支援体制が魅力的でしたし、シングルマザーの方など時間の融通を必要とされている方々なども積極的に雇用したいと考えているので、地域の離婚率などさまざまなデータをリサーチしました。ただ、最終的には北海道のおいしい食べ物が魅力的だったのが決め手でもあります!(笑)

北海道支社ではなく、北海道本社として東京と2本社体制にしたのはどうしてでしょう?

北海道で信頼を得て仕事をしていくために、地域に根ざしていくことが必要だと考えたからです。特に北海道の市場では独自のさまざまな文化があり、その覚悟と姿勢が相手にしっかり伝わるように、北海道本社という体制にしました。

「どうしたら喜んでもらえるか」常に考え 人との関係づくりを重視

新天地でも大きな案件をしっかり獲得している印象がありますが、どのように展開しているのでしょうか。

これはどの地域でも共通していることなのですが、相手が何を望んでいるのか、どうしたら喜んでもらえるのかを常に考えながら、人との関係づくりに取り組んでいます。営業手法に関しては、紹介、DM、ポスティング、飛び込み、Web、SNSなど、思いつく方法はすべて試して、最適解を見つけていきます。地域や業種、お客さまの年齢などによっても、刺さる手法はさまざまで、IT企業だからといって、必ずしもすべてWebのみで簡単に集客できるわけではありません。

北海道では具体的にどんな営業活動をされたのでしょうか。

まずは北海道の人なら誰もが知っているような地元企業の案件を獲得して、その実績を持って営業するという方法をとりました。東京の大手企業の実績を出すよりも地元企業の方が知名度や信頼感が高く、スムーズに話が進むケースが多かったです。

好きな場所で楽しく働ける自由度の高い働き方を模索

現在はどんな職種の方が、何名いらっしゃいますか?

正社員、アルバイト、業務委託など雇用形態や稼働はさまざまなのですが、全体でエンジニアが28名、デザイナー5名、ディレクションや営業が7名程度です。

職種によってリモート勤務なども多く取り入れ、今の時代に適した働きやすい環境を追求したいと考えているそうですね。

正社員でも希望に応じて柔軟に対応しており週3・4日からの勤務も可能ですし、フレックスの方であれば勤務時間は朝5時半から夜21半までの間でのフルフレックス、副業もOKにしています。当社から独立した人に対しても、できるだけ同様の水準で報酬が払えるよう、継続して仕事を発注することが多いです。自由なキャリア形成や働き方が可能で、社員でいながらフリーランスに近い働き方をしている人もいます。

とても魅力的だと感じます。

北海道に来た理由の一つでもありますが、ワーケーションを推進したいとも考えています。私も学生時代はバックパッカーをしていたので旅行が大好きなのですが、同じ場所で忙しく働いていたらお金がたまっても使う時間がありません。
人生は有限ですから仕事を理由に新しい経験をしないのではなく、仕事にも積極的に取り組みながらワーケーションを通じて大切な人との素敵な時間を過ごしたり、新しい繋がりをつくってもらいたいのです。できる限り、新たな経験をする機会を増やしていくために自分の会社で一つずつ取り入れているところです。コロナ禍以前には、タイにもオフィスを借りていたこともあり、将来的には札幌、東京、福岡と合わせて海外も含めた世界中で働けるように展開していきたいです。

実際にワーケーションの形で働いている人はいますか?

まず私自身がワーケーションを体現しています。現在は東京に1週間、札幌に3週間、時々福岡に行っており、日々いろんな全国のお客さまとのご縁を頂いております。今後、東京にいるエンジニアが、ワーケーションを利用して札幌に来る予定なのですが、その方の家族も含めて一緒に来てもらえるようなさまざまな制度の導入を進めており、小さな村のようなアットホームな温かい関係性を会社の中にどんどん築いていきたいなと思っています。

ここでしか作れないものを一緒に! 独自性と強みを生かしてグローバル企業への成長を目指す

今後、北海道で取り組みたいことはありますか。

北海道は観光業が多いので、観光業のIT導入による売上改善や各業界のDX化に取り組みたいと考えています。札幌市をはじめ行政でも、DX化は命題でありながら、あまり進んでいない自治体も多いので、北海道全域にサポートを広げていきたいです。
また、海外の優秀な人材にも北海道へ来てもらいたいと思っています。日本人にはないグローバルな視点や多言語を扱う環境が浸透していけば、今後、日本から海外に挑戦する人材が必要になったときの強みになるはずです。将来的には、海外と人材の相互受け入れをしながら、グローバルな企業を目指したいです!

一緒に働くクリエイターに求めることを教えてください。

お客さまのことをしっかりと考え、思いやれることが大切です。独りよがりの仕事はクライアントのためにはなりません。相手のことを考え、フィードバックがあれば素直に受け入れる、そのうえで独自性があって、ここでしか作れないものを一緒に作ってくれるクリエイターさんと一緒に働きたいなと思っています。クリエイターさんは経験値によって仕事の幅が大きく変わるので、自分らしい強みをつくれる経験をどんどんしていきましょう!

取材日:2022年10月18日 ライター:小山 佐知子

株式会社GVI

  • 代表者名:伊藤 康幸
  • 設立年月:2018年1月
  • 事業内容:Web制作.アプリケーション開発.システム開発.EC開発.コンサルティング.クリエイティブ制作.オフショア開発.システムエンジニアリングサービス
  • 所在地:
    【札幌本社】〒003-0005 北海道札幌市白石区東札幌5条1-1-1 2階E号室
    【東京本社】〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-2-9 新宿ワシントンホテルビル2階
    【福岡営業所】〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1丁目1−1 アクロス福岡1階
  • 電話番号:011-600-6365
  • URL:https://gvi.co.jp/
  • お問い合わせ先:https://gvi.co.jp/contact/

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