プロダクト2021.03.24

パーマンでスリマッカ?シルクスクリーン印刷との出会いから見えた新たな可能性

広島
パーマン株式会社
Kenji Fukinbara/Masatomo Ogura
代表取締役・冨金原 健治 氏/デザイナー小倉 正朋

島根と広島に拠点を置き、広告代理業からデザインまで大小さまざまな案件に関わる「パーマン株式会社」。広島事務所は、1年前の設立と同時にsurimacca(簡易シルク印刷キット)を導入し、プロだけでなく一般の人にもクリエイティブを楽しんでもらえるレンタル作業場(ワークスペース)事業も展開しています。

スタッフは代表の冨金原 健治(ふきんばら けんじ)さんと、デザイナーの小倉 正朋(おぐら まさとも)さんだけという少数精鋭。お二人に独立までの経緯とsurimaccaの魅力、今後の展望をお伺いしました。

 

独立して自分の力がどれだけ通用するのか、試してみたかった

立ち上げまでのキャリアを教えていただけますか。

冨金原さん:

専門学校を卒業後、地元の島根に戻り就職しました。はじめの会社は、飲食店やホテルの経営など、さまざまな事業を手掛けていて、その中の広告事業の部署に配属されプランナーとしてキャリアをスタート。その後、より本格的に広告の仕事をしたいと思い、松江の広告代理店に転職し、そこでは営業兼プランナーとして11〜12年ほど経験を積みました。

 

独立しようと思ったきっかけは何だったのですか?

冨金原さん:

働いているうちに「自分の力を試してみたい」という気持ちが強くなったからです。広告代理店にいた頃は、当たり前のように会社の目指す方向性がありました。自分なりに広告業界の将来を考えたとき、もっと身軽で柔軟に方向転換できるような姿勢でありたいと思うようになり、チャレンジしてみようと独立を決意。パーマンを立ち上げました。今思えば若さゆえの勢いや自信な過剰な部分もあったかもしれませんね(笑)。

小倉さんはどんな経緯で入社されたのですか?

小倉さん:

冨金原とは広告代理店で一緒に仕事をしていたんです。当時、僕もそろそろ独立しようと思っていたのですが、先に冨金原が辞めてしまって「まさか」の出来事でした。冨金原は周りの評価も高かったですし、逆に最後まで残る人だと思っていたので…独立には本当に驚きました。

その後僕も個人で開業したのですが、しばらくして冨金原から「一緒にやらないか」と声をかけてもらい、この人だったら一緒にやってもいいなと思い、それから約1年後にパーマンに移りました。

 

社名はとてもユニークです。どんな思いが込められているのですか?

冨金原さん:

有名な某漫画からインスピレーションを受けて命名しました。誰かのピンチに駆けつけて助けるヒーローのように、お客さまが困っているときに頼っていただける存在になりたいという思いを社名に込めています。

 

広告からシルクスクリーン印刷まで、身軽に対応する街の広告屋

現在の事業内容を教えてください。

冨金原さん:

パーマンは島根の松江をメインとして広島と2拠点で広告代理業を行っており、主軸としているのはデザイン制作です。

なお一部広告代理店から請け負う業務もありますが、ほとんどはお客さまと直接取引しています。

そしてもう1つ広島では、surimaccaというフランチャイズのシルクスクリーン印刷事業を展開しています。作業場では一般の人にも来ていただき、オリジナルデザインのTシャツやトートバッグなどを自分で作ることができます。素材の持ち込みも可能です。

 

シルクスクリーン印刷をはじめるきっかけは何だったのですか?

小倉さん:

ウェアのデザイン制作で印刷まで受注する機会がけっこうあったんですけど、印刷は専門会社に外注するのでコストがかかっていました。どうにかコストを抑えられないかと考えていた時、surimaccaのフランチャイズを募集していて、二人で体験会に参加したのが最初のきっかけですね。

冨金原さん:

コストカットという目的はあったんですけど、体験会で実際にシルクスクリーン印刷をやってみたら単純に面白かったんですね。すっかり魅了されてしまって2人で「これだ!」と直感的に思いました。この楽しさを皆さんに知ってもらいたいなと。

シルクスクリーン印刷のどんなところに魅力を感じられたのですか?

冨金原さん:

デジタルの時代ですけど、手作業の印刷ならではの楽しさがあります。あとはやっぱり自分の描いたデザインがすぐオリジナル商品になるところですね。

小倉さん:

しかも誰でもお手軽にできちゃうんです。「印刷会社のような特別な機械が揃っていないとオリジナル商品は作れない」と一般の方は思っているかもしれませんが、surimaccaは小学生でも扱えるくらい簡単です。

 

お客さまからの反応はいかがですか?

冨金原さん:

シルクスクリーン印刷は2019年の11月29日からはじめたのですが、ご承知の通りその後すぐに新型コロナウイルスが流行しまして…かなり厳しいスタートとなりました。でも最近はアパレル関係や美容室、広告・印刷関係の同業者の方など、徐々に利用者が増えてきています。これからは一般の方への認知度を上げてどんどん広めていけたらいいなと思います

 

御社の強みは?

冨金原さん:

身軽さという点においては他社にない一番の強みですね。2人なのでお客さまの要望に臨機応変に対応できますし、意思決定もスピーディーに行えます。

surimaccaのシルクスクリーン印刷に関していえば、デザイナーの小倉が常駐していますので、デザイン面での相談が気軽に可能です。

小倉さん:

「短納期だけど間に合うかな?」といった悩みにもフットワーク軽く対応できていますね。また2人とも、広告代理店出身ですから、デザイン制作だけでなくメディア、Web、TVCM、映像など幅広く相談に乗れるのも強みになっています。

例えばペットボトルのラベル印刷、プラスチック系の印刷など「これはどこで作れるの?」といったことにもいままでの経験を活かして答えています。

 

仕事をする上で大切にされていることは何でしょうか?

冨金原さん:

お客さまの思いを大切に、自分も楽しんでやることですね。

小倉さん:

仕事をしっかり成立させてお客さまに喜んでいただくことです。利益のことはそれから。という風に考えています。

 

デザインだけに止まらない。さまざまなクリエイターが集まる場所を作りたい

今後の展望を教えてください。

冨金原さん:

若いクリエイターが集まる場を作っていけたらいいなと考えています。シルクスクリーン印刷もその1つですし、広島では他にも好きな色の紙を選んでオリジナルノートを製作したり、電解マーキングで金属に印刷したりできる環境を整えました。誰でも来ていい環境なので、モノづくりに興味のある人たちが集まってくれて、そこから新しいコミュニティが生まれたらいいなと。

 

小倉さん:

今は新型コロナウイルスの影響で開催を控えていますが、過去にはワークショップを開いたり、ハンドメイドのイベントに出展したりもしています。設立当時から「広告業だけに縛られないようにしよう」というのは2人で思っていました。今後もさらにつくれる環境を増やして、つながりができていったらいいなと考えています。

 

今の時代、クリエイターに求められていることは何だと思いますか?

小倉さん:

クリエイターとしてのスキルに加えて、コミュニケーション能力をしっかり持っていることですね。自分の意見を曲げない頑固すぎる人は困る場面が出てくるかもしれませんね。

冨金原さん:

クリエイターとしてプライドをもつことは大切だと思いますが、いろんな事情でやむを得ない場合もありますので柔軟性は持っていてほしいですね。

 

最後にクリエイティブを志す人たちにメッセージをお願いします。

小倉さん:

モノづくりを楽しんでほしいです。ときにきついこともありますが、とにかくたくさん作り続けていれば、きっと道は開けますから。

 

冨金原さん:

自分の作ったモノが世に出たとき、何物にもかえ難い喜びがあります。かんたんに諦めずに頑張ってほしいと思います。

取材日:2月26日

パーマン株式会社

  • 代表者名:代表取締役 冨金原 健治
  • 設立年月日:2015年10月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:広告に関するコンサルティング、広告制作、シルクスクリーン印刷、その他SP全般
  • 所在地:広島県広島市西区己斐本町1丁目8-30 3F

    島根県松江市西津田2丁目1−11

  • URL:https://parman.tokyo/
  • お問い合わせ先:
    (TEL)082-208-2461(広島)
    (FAX)082-208-2717(広島)
    (TEL)0852-67-6739(島根)
    (FAX)0852-67-6746(島根)

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