WEB・モバイル2022.04.06

ブランディングを基幹にした広告戦略で、東北のこだわり商品・企業を熱くサポート

仙台
株式会社 虹とソラ 代表・ブランドディレクター
Keigo Kataoka
片岡 啓吾

仙台市で販売促進・集客コンサルティングを行う広告代理店「虹とソラ」の代表で、ブランドディレクターの片岡啓吾(かたおか けいご)さん。東京でグラフィックデザイナーとして3年、その後地元・仙台市で広告代理店の営業担当として10年働いた後、独立。2014年に一人で広告会社を立ち上げ、2016年に法人化。デザイナーの視点で、ブランディングコンサルティングを手掛ける片岡さんに、広告業界の今と「虹とソラ」の事業や強み、目標などを伺いました。

東京のデザイナーから仙台の広告代理店営業へ、そして独立

これまでの職歴を教えてください。

東京で3年間グラフィックデザイナーをしていましたが、地元・仙台にUターンして広告代理店に就職しました。
東京だからかもしれませんが、自分でつくったデザインが、どう世に出て、どう消費者に伝わり、商品がどこでどのくらい売れたのかという情報が入ってこなくて面白みに欠けるなと感じていたんです。
仙台の広告代理店では、クライアントとも打ち合わせを行い受注する立場であり、デザイナーに発注する立場でもある営業職として、10年ほど勤めました。

広告代理店を辞めて、独立したのは何故ですか?

広告代理店で営業を始めた当初はデザイナーとしての経験しかなかったので苦労しました。徐々に馴れて、提案したテレビCMで大きな反響をいただくようになると、自分の提案やディレクション次第で人が動いたり、モノが売れたりすることが分かり面白かったですね。
だからこそ、会社に守られている一会社員としてではなく、独立して、自分の力を試したい気持ちが湧いてきました。ちょうど35歳目前で、プライベートでも大きな節目があり、「プロ」として納得のいく提案を熱い思いで行い、責任を持って取り組みたいと考えました。

個人事業から始められたそうですが、営業活動はどのようにされましたか。

2014年3月に会社を辞めて独立。7月に個人事業で広告代理店を始めて、2016年に法人化しました。社員を雇って大きくするより、一人でできる範囲でやろうと考え、現在もすべて一人で責任を持つスタイルで活動しています。営業もゼロからのスタートで、とにかく電話をかけてアポイントをいただき、後日ご企画書を持参して提案にいくということを繰り返し、少しずつ仕事を増やしていきました。
そのうち、噂を聞きつけた代理店時代のクライアントから連絡をいただくことが増えました。クライアントには、広告代理店との関係を崩すことのないように話を通していただいたうえで、仕事を受けています。こうして紹介が紹介を呼び、おかげさまでコロナ禍まではクライアントも収益も増えましたね。

広告代理店から販売促進集客コンサルティングにシフト

御社の主な事業は?

数年前から弊社の事業は、広告代理店ではなく、販売促進集客コンサルティングといっています。かつてと違い、今はただ媒体を提案したり、広告を出したりすればモノが売れる時代ではありません。これからの販促は、クライアントが自社の事業や商品をしっかり見つめ直し、売れる商品に変えていくところから提案できる能力が間違いなく求められると思うからです。そして、「売れる販促手法」の根本であるブランディングデザインに力を入れています。
ブランディングは、その企業らしさを「見える化」することです。名刺や制服などもその企業らしいものに変えていきます。また販売促進では、パッケージやチラシのデザイン、クリエイティブのすべてを考え直します。その企業や商品にしかないものを見つけだし、商品をつくる理由や思いをユーザーに共有してもらうために広告・販促展開を行います。
また、今後企業の強みをPRしていく動画制作のニーズも増えてくることを踏まえ、「ムービープロモーションスタジオ」という、動画を制作してWeb広告を展開する事業も行っています。

コロナ禍で仕事の変化はありましたか?

コロナ禍で広告代理店全体の売り上げは厳しくなりましたが、小さい会社にとってはチャンスにすることもできます。大手と比べて柔軟に対応できますし、ひとつの案件で利益を確保することが難しい場合でも、別の案件で頑張れば、収益につなげることができます。これまで企業の販売促進のために使ってきた企画力やアイデアを、コロナ禍で困っている観光地や地域に役立てて、課題解決のためのいろいろなチャレンジをしているところです。
例えば、観光地の商品パッケージや、仙台市太白区と組んで地元の交流を深めるWebメディア「ルート286」を立ち上げたり、コロナ禍で前向きに頑張っている会社の取材記事を表紙にデザインした子ども向けのノートを(2022年)4月に販売する予定もあります。今後は、営利目的ではなく、アイデア力で企業や社会の課題を解決していきたいと考えています。

1人で複数の役割をこなすから対応が早く、ぶれない提案ができる

広告代理店を一人で経営するメリットは?

私は営業担当でありディレクターでもあるので、クライアントの要望をそのまま形にするのはなく、ベストなやり方、方向性を決めて、クライアントが納得する答えを提示します。大手の会社の場合、営業と企画とデザイナーはそれぞれ担当者が違いますが、その役割をすべて一人でやれるのが弊社の強みです。クライアントと話をしながら、コンテのイメージなどクリエイティブなことも提示できますし、自分で手を動かしたほうが早いし、ぶれないというのもありますね。
また、一人で仕事をすると、上司の顔色も見なくていい、会社のルールにしばられることもなくストレスフリーです。広告をつくる人は常にストレスフリーで前向きでいなくてはいけないと思っているので、いい環境だと思います。
とはいっても、一人で考える量には限りがあるので、一年ほど前から、外部のディレクター2人に業務委託で手伝ってもらい、現在は3名体制でやっています。
8年前に広告代理店を始めたときは、一人では無理だと皆に言われましたが、コロナ禍で働き方が変わり、会社に頼らず個人事業を始める方も増えていて、いい傾向だと思います。

仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

自分が100%考えた販促企画をクライアントがそのまま受け入れてくれて、世の中に出せたとき。そして具体的な数値や成約などを共有してもらい効果が出せたときですね。
私は販売促進のプロですから、「これをやれば売り上げが上がる」という方法が分かります。それでも、クライアントによってできることとできないことがあるので、100%自分で考えた企画を世の中に出せる例はあまりないです。だから「片岡さんが言うならやってみよう」と私を信頼して、企業の何千万円という広告費をかけて、まかせていただいたときは一番やりがいを感じますね。

ユーザー目線に重点を置き戦略を練り提案していく

会社としてこれからの展望は?

具体的には、仙台市太白区のWebメディア「ルート286」ベースの小売りショップを展開して、太白区をより良くする拠点にしていきたいです。僕自身も販促のノウハウや経験を積むためにリアルな店舗を持つことが、ここ2、3年以内に実現したい夢ですね。

どんな人と一緒に仕事をしたいですか?

例えば企業の広告案件なら、商品をどうユーザーに伝えるか、どうアプローチしたらユーザーは買いやすいか、などを自ら考えられるプロの人。企業の課題解決に役立つアイデアや戦略を提案できることが重要で、デザイナー、映像ディレクターも同様に戦略を考えられるか否かで差が出てくると思います。始めからテレビCMをやりましょうというアウトプットだけではなく、こういう状況でこういう理由だからTVCMやりましょうと言える方が仙台の広告業界に増えていくといいなと思います。
個人で責任感と独立心を持って案件に取り組める方と対等な関係で、チームを組んでやっていきたいですね。

最後に、クリエイターを目指す若い方へメッセージをお願いします。

たくさん失敗をした方がいい、そして失敗するためには挑戦をしなくてはいけません。若いうちは、絶対無理だと思わず、何にでも挑戦してほしい。そして挑戦することと同じくらい、失敗することが必要だと思っています。私は、失敗を100個重ねれば101個目の失敗をするときには、今より10倍仕事ができるようになると自分に言い聞かせて失敗を乗り越えてきました。失敗をして挫折するのではなくて、若いときは失敗する時期だと思い、自分のビジョンを設計していけば、言われたとおりのデザインしかつくれないということにはならないのかなと思います。

取材日:2022年2月4日 ライター:佐藤 由紀子

株式会社 虹とソラ

  • 代表者名:代表・ブランドディレクター : 片岡 啓吾(かたおか けいご)
  • 設立年月:2016年7月
  • 事業内容:ブランディング/販売促進集客コンサルティング/Webマーケティング/デザインディレクション/動画制作
  • 所在地:〒982-0025 宮城県仙台市太白区砂押町19-2
  • URL:https://nijisora.com
  • お問い合わせ先:090-9318-6683

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