WEB・モバイル2021.01.20

ランベルの社会貢献は「ドキドキする楽しい未来」をつくり、社員に自己実現と幸福をもたらすこと

札幌
株式会社ランベル 代表取締役
Hiroshi Iizawa
飯澤 浩

株式会社ランベルは、日本の書籍や文房具を販売する電子商取引(EC)事業、そのコンサルティングを中心に、Webシステム開発・音楽レッスン・Webデザインなどを事業の柱としています。一見すると関連性の少ない領域での経営は、気の合う仲間たちの特技を生かしたプロジェクトが原点でした。

人と人との縁から生まれた会社は、新たな縁を紡ぎながら成長を続けています。代表取締役の飯澤浩(いいざわ ひろし)さんに、会社への思いや中心事業、これからの展望を伺いました。

仲間との出会いから、多角化企業「ランベル」は生まれた

多角化戦略のきっかけを教えてください。

一つはリスクヘッジです。例えば、主力のEC事業では、米国の大手通販会社のイーベイ(eBay)やアマゾン(Amazon)などの販売プラットフォームを使って商品を販売しています。でも、もし何らかの理由で出品やアカウントを停止されてしまうと、にっちもさっちもいかなくなる……。このようなリスクを常に抱えているので、システム事業を育てたり、ウェブデザインを手掛けたりしてきました。

もう一つは、仲間4人でそれぞれの得意分野を生かして立ち上げた音楽プロジェクトです。そのときのコラボレーションの楽しさが忘れられず、ランベルで一緒に仕事をしようと誘いました。それが取締役の3人で、事業の柱である4領域は、僕と取締役たちの得意分野なのです。意識的に事業の多角化を図ったというよりは、仲間との協業が結果的に多角化となりました。

ランベルの原点ともいえる、そのプロジェクトとは?

音楽事業を統括している取締役であり、シンガーソングライターである野崎有真(のざきゆうま)のアルバムを作るプロジェクトです。あるとき僕、野崎、空間デザインとグラフィックデザインを手掛ける妻、その友人であるウェブデザイナーの4人とで、アルバム制作のアイデアが出て盛り上がりました。その取り組みが、とにかく楽しくて。

この出会いがなければ、今のランベルはないし、社名も違うものだったかもしれません。ランベルの原点でもあり、音楽事業のおおもとでもありますね。

「ランベル」という社名の由来を教えていただけますか。

もとは野崎とのたわいない会話から生まれました。そのなかで、「自分の人生を振り返ると、いろいろな出会いがあって、どれもが奇跡のような出会いで、それが今の幸せにつながっているなあ」と、しみじみと感じたのです。

そこで、法人化したとき、「Life Along with Miracle」の頭文字をとって“LAM”。“BELL”は鐘で、「奇跡に満ちた人生を幸せの鐘で祝おう」という意味を込めて「LAMBELL(ランベル)」という社名にしました。これは、そのまま経営理念にもなっていて、社員もお客さまも幸せにする会社であり続けたいと考えています。

農学部を出てSEになってから考えた、自分のしたい仕事と社会貢献

飯澤さんのご経歴を伺います。システムエンジニアだったとか。

大学4年生の夏、就職活動を始めてから、やりたいことが何も思いつきませんでした(笑)。たまたま見つけた求人が、システムエンジニア(SE)の募集だったのです。当時は全く興味がありませんでした。でもあれよあれよといううちに採用されたのが、日本アイビーエム・ソリューション・サービス株式会社です。

大誤算は、入社2年目の東京への転勤。「本社が北海道だから入社したのに……。それほど思い入れのない仕事をして、自分は何をやっているのだろう」と、自問していました。当時はまだ、社会貢献できる仕事に就きたいという思いが残っていましたから。

社会貢献を仕事にしたかったのですか?

高校生のとき、「砂漠の緑地化」に興味を持ち、北海道大学の農学部に進学したのです。ただ、北海道には砂漠がないので、研究を続けるのは難しかった……。でも、夢を捨てきれず、IBMから転職したのが一般社団法人「日本国際協力センター」。JICA(独立行政法人「国際協力機構」)の海外協力隊をサポートする団体でした。

ただJICAの仕事に携わって、社会貢献を仕事にすることは断念しました。「開発途上国の課題解決」のような、分かりやすい形の社会貢献は、自分の目指すものではないと感じたからです。「さて、これからどうしようか」と模索するなかで、副業にしていたトレーディングカードの販売が事業になるかもしれないと思い至りました。

ECは副業から始まったのですね!

そうなんです。私は英語が得意で、海外の人とコミュニケーションを取れることも楽しくて、eBayでトレーディングカードを売っていました。

1年ほどすると、月100万円を売り上げられるようになりました。ビジネスとして成り立つという手応えを得られたので、2011年の冬、退職して札幌へと戻ってきたのです。システム開発ではなく、海外にモノを売ることを仕事にしてもいいかなと。

そこから、現在のEC事業に至ったと。

カードにまみれてひたすら売り、2014年には年商3000万円を超えて、とにかく忙しかったです。この事業を大きくするには、と考えたときに、このノウハウを使って他のものを売ろうと考えました。アマゾンを使って、現在も行っている文房具と書籍の販売ですね。

その事業も軌道に乗り、そしていよいよ法人化。2015年2月、ランベルを設立しました。どんな商材でも、売りたい人と買いたい人をつなぐという仕組みは同じです。売れるモノを探すことは、宝探しのようで楽しいですね。弊社の売り上げの大半はECです。

運営する画材・文房具のECサイトが日本製の文房具を扱うセレクトショップ「ZU-STORE」(ズ・ストア https://zu-store.jp/ )です。アーティストの協力のもと、日本製品の良さを投稿動画サイト「YouTube」と画像投稿サービス「Instagram」で世界に発信し、認知度を高める販売戦略を行っています。

幸せに働くための「ランベル健康経営宣言」

御社は社員を厚遇していると感じます。2020年7月に制定された「ランベル健康経営宣言」とは?

会社が健全に成長を続けるためには、社員とその家族の健康が欠かせません。「ランベル健康経営宣言」では、「健康診断受診促進」「感染症対策」「コミュニケーション促進」「適切な働き方実現に向けた取り組み」「運動機会の増進に向けた取り組み」をうたっています。

本格的に着手したきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大です。リモートワークへの切り替えによって、1人で働く時間が長くなりましたよね。業務に支障はありませんが、何気ないおしゃべりは交わせません。メンタルヘルスと食生活の観点から、会社として何か手を打たなければならないと思ったのです。

具体的な取り組みをお聞かせください。

まず「コミュニケーション促進」として、月1回のランチ会を開催しています。皆で集まり、体によくておいしいものを食べて、心身を健康に保てればと考えたのです。次に「適切な働き方」については、宣言以前から残業ゼロに取り組んできました。

業務の効率化のために、自分でシステムを開発して、トライアンドエラーを繰り返しています。そして「運動機会の増進」では、全社員に腕時計型情報端末の「AppleWatch」を配布しました。楽しみながら運動するきっかけになっているようで、社員の評判もいいですよ。

ランベルの社会貢献、ということでしょうか。

社員たちが健康で幸せに働ける環境を整え、会社を発展させ、お客さまや地域の人たちに喜ばれる活動を続けることが、自分にとっての社会貢献なのだと納得しています。弊社のポリシー、社会貢献についてはサイトにも書き、宣言しています。

 “「ドキドキする楽しい未来」のために、私たちは創造し続けます。” “社員に自己実現と幸福をもたらし、社会に貢献し、お客様にますます笑顔と感動を与える企業を目指していきます。” 引用元:https://lambell.co.jp/about.html

 

新たな企画のために、新しいクリエイターと組む

これからの展望をお聞かせください。

今、計画しているのは自社商品の開発です。海外でよく売れる商品は把握しています。その情報に基づいて、ターゲットと商品を絞り込みました。まだ具体的に言えませんが、楽しみにしていてください。

販売プラットフォームは自社でコントロールできないので、自社商品を持つことでEC事業の安定化を図りたいと考えています。これも最初に言ったリスクヘッジです。当面の課題は、商品パッケージのデザイン、商品の認知度を上げるためのコンテンツ作りですね。

オリジナル商品の販売に向けて、新たにクリエイターが必要ということでしょうか?

デザイン関係は、デザイナーが3人いるので問題ないでしょう。ただ、認知拡大のためにInstagramやTwitter、YouTubeを活用しようとすると、写真・動画・テキストをうまく組み立てなければなりません。その分野は、ライターをはじめとして、新たなクリエイターの力が必要だと考えています。

取材日:2020年11月26日ライター:一條 亜紀枝

株式会社ランベル

  • 代表者名:代表取締役 飯澤 浩
  • 設立年月:2015年2月
  • 資本金:200万円
  • 事業内容:EC事業、システム事業、音楽事業、デザイン事業
  • 所在地:〒060-0009北海道札幌市中央区北9条西18丁目35-87スタジオビル4階
  • URL:https://lambell.co.jp
  • お問い合わせ先:上記HPのCONTACTページより

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