“アンチ・アンチエイジング”を掲げるアイウェアブランドCaddis
「アンチエイジング」
私は50歳を過ぎていますので、もちろん「アンチエイジング」的なことはしています。顔のたるみやシワを増やさないために顔ヨガをしたり、MEGUMIさんが紹介していた毎朝のフェイスパックやフェイススチーマーは欠かしません。少しでも若く見られたいし、ありたいと思っています。
でも一方で、こうも感じています。「年を取ることを賞賛したい」と。
老いはケアすべきものではあるけれど、若さを保つことが正義ではない。隠すべきものではなく、年を取ることはポジティブなことであり、カッコイイことだと思いたい。
そんな感覚を表現してくれているようなアイウェアブランドがあります。
それがCaddis(カディス)です。
Caddisは、リーディンググラス(いわゆる老眼鏡)を中心に、度付きメガネやサングラスなども展開するアイウェアブランド。Caddisが掲げているのは、アンチエイジングではなく、“アンチ・アンチエイジング”という思想です。
彼らが掲げている“アンチ・アンチエイジング”とは、年齢に抗うことを“否定する”のではなく「年を重ねた自分を肯定する」考え方。若く見えることを目指すよりも、今の自分をそのまま引き受けること。変化を消すのではなく、積み重ねとして楽しむこと。
ターゲットとしては、老眼鏡が必要な層のいわゆるX世代(40歳後半〜60代)ですが、「老眼鏡っぽくないメガネブランド」を作っているというよりは、「年齢をかっこよく見せるためのファッション寄りのプロダクト」を作っている、という印象です。
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実際にウェブサイトの企業説明には、Caddisはアイウェアのふりをした“ミッション”であり、“アンチ・アンチエイジング”のブランドです。それが私たちのスタンスです。とあります。(アイウェアのふりをした“ミッション”、というところに遊び心があって好きです)
そうした価値観がプロダクトだけでなく、Caddisのコピーやビジュアル、すべてに一貫して表れています。
たとえば、彼らのキャンペーンに登場するのは、いわゆる若さとは距離のある人たちです。白髪やシワを隠すどころか、むしろそれを誇らしく見せています。そして、その姿が不思議と老けているのではなく、圧倒的にスタイリッシュで魅力的に映ります。
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Unfollow(アンフォロー:フォローを外す)というCaddisの直近のキャンペーン(ブランドのテーマでもある)では、SNSに限らず、思考や習慣まで含めた“無意識のフォロー状態”を見直すことを促しています。以下はインスタ投稿からの抜粋。
あなたはアルゴリズムではない。
あなたのアルゴリズムには型がある。それは、ただ同じあなたが繰り返されているだけ。行き詰まっているんじゃない、ループしているだけだ。
あなたをもっとあなたらしく成長させないものは、すべてフォローを外せ。とにかくアンフォロー。
一日に一度、自分のアルゴリズムをかき乱そう。
SNSやネットの世界は、アルゴリズムでできている。でも、あなたはそうじゃない。フォローしているものの中に、本当は自分らしくないものがあるかもしれない。だったら、それは手放せばいい。
私はこのようなメッセージだと受け取りました。
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創業者のティム・パー(Tim Parr)さんがCaddisを創業したきっかけは、50代の頃、自身がやっているバンドのツアー中、セットリストが読めなくなり、老眼鏡を購入するため南カリフォルニアの眼科に立ち寄ったところ、ピンクやグリーンのかわいらしすぎるフレームしかなく不満を感じたことからでした。
「老眼鏡は40歳以上で90%が必要になるにもかかわらず、ブランド化されていない最後の領域で、ドラッグストアで20ドルで売られる、どこか恥ずかしい存在だった。ダサくて、埃をかぶって、見捨てられていた。」とティムさんは語ります。
ティムさんはそこにチャンスを見出し、Caddisの構想を立ち上げます。2015年頃、サンフランシスコでの投資家ミーティングで、ある投資家から「Caddisの構想は評価するが、人は自分の年齢を受け入れたがらない」と指摘されることもあったそう。
しかし、2018年にCaddisは「Get Older. Own It. See Stuff.(年を重ねろ、それを自分のものにしろ、そして物事を見ろ)」というブランドメッセージでスタートします。
現在は約600個の卸先を持ち、NordstromやBloomingdale’sといった百貨店で販売。価格は約89ドル〜160ドルで、高級眼鏡よりは安く、ドラッグストアよりは高い位置づけです。
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ティムさんは「自分は32歳に戻りたいか?絶対に嫌だ。気づいたんだ。自分たちはアイウェアの会社じゃない。“年齢の価値”を再定義する会社なんだ。」といいます。
Caddisの本質は老眼鏡を売ることではなく、老眼鏡はあくまでも「入口」であり、その先にあるのは「年齢をどう生きるか」、「アンチ・アンチエイジング」というカルチャーを広めること。
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創業者のティム・パーさん。
ティムさんはこのCaddisのビジネスモデルを、アウトドアアパレルブランドPatagoniaの創業者、イヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)さんから学んだそうです。ティムさんは2019年から2022年までPatagoniaで働き、同社が新たに買収したサーフブランドの運営を手伝いました。そして、イヴォンさんの「ビジネスは世界をより良くするためのもの」という考え方に触れたそうです。
その考え方に影響を受け、Caddisは売上の1%を音楽教育支援の非営利団体に寄付しています。音楽活動は認知症やアルツハイマー予防に効果があるとされ、医療現場でも活用されているといいます。
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いかがでしたでしょうか。
最近はZ世代マーケティングとかよく聞きますが(このコラムでもよくいっていますが笑)、X世代マーケティング、これはまだ空いている領域なのではないでしょうか?シニア世代でもまだなく、子育て世代のミレニアル世代でもなく、まだ体も元気で現役の人が多いので何かしらの需要があると思います。
アメリカではGenX(X世代)はよく使われますが、デジタルとアナログのカッコ良さ、面白さを両方知っている世代なんですよね。私はGenXの時代に生まれて来てよかったなと思っています。
Caddisのアイウェアのデザインもそういう雰囲気が表れていると思います。インスタにはブランドのイメージに合う大人の男性・女性がモデルになっていて、そういう人たちに似合うユニークなデザインのアイウェアがたくさん並んでいます。年齢に対する価値観を軽やかに更新してくれるCaddis。気になる方はぜひチェックしてみてください。
(参考)

foxylilly.com
Instagram: @foxylilly






