プロダクト2023.07.05

【ブルックリン発】アート&サスティナブルなファッションブランドZero Waste Daniel

Vol. 50
FIND IT. LOVE IT.
Sayuri Fujii
藤井さゆり

世間では、先月6月5日に発表されたAppleのAR/VRヘッドセット、Vision Proが話題となっていますが、その発表と同時期、6月はLGBTQ+への理解を深める期間「プライド月間」ということもあり、アメリカのニュースメディアでは、LGBTQ+コミュニティについての記事が多く目立ちました。

 

その中でもMashableで紹介されていた、ニューヨーク・ブルックリンにあるファッションブランドZero Waste Daniel(ゼロウエストダニエル)について書きたいと思います。

 

 
 
 
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Zero Waste(ゼロウエスト)と言えば過去のコラムでご紹介した、オレゴン州ポートランド在住のえみこさん・ジェシックさんのYouTubeチャンネル「Blessing Plant(ブレッシング・プラント)​​」が行っている活動で「廃棄物ゼロ」という意味。

 

Zero Waste Daniel(以下ZWD)は、ダニエル・シルバーステイン(Daniel Silverstein)さんがデザインする洋服・アクセサリーブランドで、ブルックリンのBushwickというエリアにデザインスタジオがあります。ダニエルさんは、ニューヨーク市の衣料品産業から出た消費前の廃棄物やその他のリサイクル困難な素材を使用し、独自のデザインで洋服やアクセサリーを製造、オンラインで販売をしています。

 

 
 
 
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「廃棄予定であったものに手を加え、新しい製品へと生まれ変わらせる」ことをアップサイクル、「廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉えて循環させる」ことをクローズドループと言いますが、全てのZWD製品はまさにそれ。

 

廃棄物ゼロのZWD製品は「ReRoll(リロール)」と呼ばれるクローズドループの生産システムと技術を使用して作られており、製造過程で使われなかった廃棄物は、使用されるまで保管されます。

 

淡いカラフルな端切れをReRollして作られたサマーコレクション。

 

 
 
 
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最近発表されたミックスマッチの水着コレクション。

 

 
 
 
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ZWDの水着コレクションは、高品質で余剰な水着生地と端切れをニューヨーク市の衣料品産業から集めて作られたもので、全て手作り。サイズはXSからXXXLまであり、さまざまな体型に対応​​。水着のトップスとボトムスは基本別売りとなっていて、特定の年齢、サイズ、性別、人種、タイプの人向けという括りはありません。「素晴らしい見た目と気分を味わいたい人のためのもの​​​​」です。

 

 
 
 
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フェミニンなデザインの水着やドレスを男性モデルが着ていたり、グレイヘアの女性と若い女性が同じデザインのものを着ていたり、ZWDのモデルには、白人、黒人、アジア人、ヒスパニックと人種も様々、ふくよかな体型のモデルもいれば、普通体型のモデル、男性モデル、女性モデルはもちろん、トランスのモデルもいます。

 

ZWDは、ジェンダーレスでエイジレスであり、人種や体型を限定しない、幅広い多様性を持ち、かつサスティナブルであり、唯一無二のデザインを持つファッションブランド。また、一つ一つの製品のデザインがとても美しく、アート作品のようです。

 

 
 
 
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ニューヨークファッションウィークのため、日本の「しじみバッグ」からインスパイアされて作られたノットバッグ。

 

 
 
 
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日本と言えば、ダニエルさんは過去に2回ほど来日したことがあり、大阪の阪急うめだ本店にもポップアップストアを出店しています。

 

 
 
 
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ダニエルさんは、ニューヨークにあるFIT(ファッション工科大学)在学中、いくつかのブランドでインターンを経験、卒業後、2010年より自身のファッションブランドDaniel Silversteinをスタート。同時に、ビクトリア・シークレットなどのファッションブランドでデザイナーとしても働いていました。

 

元の自身のブランドでは、現在のようなZWDよりも、もっと伝統的なファッションブランドの形だったようで、シーズンごとにコレクションを発表しなければならないようなプロセスにストレスを感じていたダニエルさんは、ある時、5年間続けていた自身のブランドを休むことを決意します。

 

 
 
 
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そして、自分が人生で本当にやりたいことを考え始めます。ある時、スタジオを片付けるため、大学卒業後から5年間集めていた、たくさんの布が入った袋を自宅があるビルのゴミ収集箱に移動させていたところ、ダニエルさんは自暴自棄になり、布が入った袋を地面に投げつけてしまいます。布は袋から飛び出ましたが、その布を見た時「今日は何もしないからこの布でシャツを作ろう」と思い立ったそうです。

 

ダニエルさんは、この袋に入っていた布や端切れを縫い合わせ、新しい布を作り始めました。出来あがったシャツを着て自撮り写真をインスタグラムへ投稿したところ、かなりの反響とコメントが届いたと言います。その時が「自分がやるべきことはこれなのかもしれない」と思った瞬間だったと語っています。

 

ダニエルさんに言わせると「ZWDは偶然のようなきっかけでできた」ということですが、2015年にスタートしたZWDは、今年8年目を迎えます。

 

 
 
 
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ZWDが今後、どんな新しい作品を発表するのか非常に楽しみです。日本への配送もしているので、ご興味のある方は、ぜひInstagramをチェックしてみてください!

 

(追記)

 LGBT法案、ナイキの水着広告、トランス女性による女性種目出場、性自認が女性による男性の性犯罪、ジェンダーレストイレや温泉の問題など、LGBTQ+に関して大きな課題があることは私も認識しています。私自身は、LGBTQ+コミュニティに属する方々だけではなく、性別、年齢、人種も関係なく「全ての人々が安心して生きていける世界」を望みます。

 

(参考) 

Zero West Daniel

Zero Waste Daniel is drag’s sustainable fashion pioneer – Mashable

Zero Waste Daniel – LInkedin

MEET ZERO WASTE DANIEL, Brooklyn based Zero Waste Designer – Christina Rae

プロフィール
FIND IT. LOVE IT.
藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。
https://lnk.bio/foxylilly
Instagram: @foxylilly

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