深掘りシンガポール~クリエイターエコノミー#2~

Vol.17
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
Junya Oishi
大石 隼矢

Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

第17回目のコラムも引き続き、クリエイターエコノミーという文脈でいくつか書いていきたいと思います。
知れば知るほど奥が深いクリエイターと彼らを取り巻く世界!

クリエイターとcreatorについて
私が考えるクリエイター/creatorとは

私自身、2020年から2年弱の間でシンガポールのビジネス環境の中に身を置きながらいろんな人と出会い会話をしてきたのですが、どうも私が思ってきたクリエイターと彼らの考えるcreatorは=(イコール)ではないのですよね。あくまでも≒(ニアリーイコール)で。振り返ってみると、日本にいた頃も違和感があったのが、動画や静止画などのコンテンツを作るクリエイターとウェブサイトやプラットフォームを開発・構築するクリエイターには違いがあるのではないかという事。そしてさらに言えば服飾やプロダクトを作るクリエイターもどちらかと言えば「アーティスト」というのかな、とか。
様々な自問自答をしながら、今私が行きついたのはクリエイターエコノミーにその答えがあるということで、前回触れたようにクリエイターエコノミーというのはクリエイターサイドとクリエイターの活動を支援するツールやプラットフォームを構築する人たちのサイドの2つに区分できるのではないかと考えています。
その中で、シンガポールはITの進歩が目覚ましく、クリエイティブコンテンツの境が顕著なだけに、Fellows Singaporeとしては、デベロッパー/エンジニアをサポートするサービスとクリエイターをサポートするサービスとで分けていく必要性を感じています。

■クリエイターエコノミーの現在地
パーミッションレスとクリエイター

前回のコラムでも触れましたが、いわゆるプラットフォームと呼ばれる活躍の場がクリエイターに与えられました。それまではテレビや雑誌などが主流だった戦場からTwitchPatreon、TikTokなどのプラットフォームは、配信を民主化し、クリエイターが視聴者に直接アクセスできるようにするために登場しました。
表面的には、この進化はクリエイターにとってプラスに働きます。なぜなら、ボタンを押すだけで、大勢のファンにリーチすることができるからです。しかし、これには代償があります。クリエイターは、オーディエンスを構築し、アクセスするための無数のツールを手に入れたものの、ほとんどの場合、それらを所有しているわけではありません。
JellysmackのCreator Accelerator担当副社長でエンジェル投資家のHugo Amsellemは、「私たちが賞賛したパーミッション・レス・インターネットは、その限界に達しています」と述べています。昨今登場したWeb 3.0という概念では、クリエイターが自らの手でよりコントロールできる、真のパーミッションレス(あらゆる制限、制約からの脱却を意味する)の未来を示しています。NFTなどの流行がその先駆けとなるかもしれません。
クリエイターはどのようにして自分たちが築き上げたものを保持すればよいのでしょうか?それは、オーナーシップです。オウンドチャンネルにブランドを固定することで、クリエイターはプラットフォームに依存しないコミュニティを構築することができます。Dayna Winterによれば「クリエイターエコノミーと起業の境界線が曖昧になりつつある今、独立したクリエイターは重要な存在となっています。」としていることにも表れるように、もっともっとクリエイターになることが身近になっていくでしょう。

■シンガポールで頭角を現してきそうなクリエイターエコノミーの立役者
動画クリエイターやTikTokインフルエンサーの味方になるかも

いま世の中にはどのくらいの動画クリエイターやTikTokクリエイターがいるのでしょうか?日本人だけでも相当な数がいますから、世界に目を向ければ更なる数のクリエイターが存在します。AI Communis Pte.LtdはNobuhiko Suzukiが立ち上げた世界最先端の音声認識および自然言語処理技術を活用した動画編集ソフトウェア『Auris』を開発した会社。そのミッション「Make your contents accessible to the world(あなたのコンテンツを世界へ)」に現れるように、Aurisは各国の言語に対応しています。皆さんもよくご存じのように動画編集においてもっとも「苦痛な時間」ともいえる字幕付けの作業。このAurisがあれば日本語だけでなく、英語、中国語、そして東南アジアの各言語(タガログ語、インドネシア語、ビルマ語、タイ語、ベトナム語)にも翻訳できます。自分がアップした動画がこのAurisを通じて正確に素早く、安価に多言語へ対応する様子を想像すると、冷静に考えてみても多くのメリットや可能性を感じずにはいられませんね。公式Websiteには、「インターネットリテラシーが高い視聴者数最大の地域である東南アジアへの市場参入も可能」と謳われています。
世界をターゲットにしたプラットフォームサービスと、それを利用する世界をターゲットにしたクリエイターの広がりは、今後加速していくに違いありません。

まとめ

最近、ある方から個人的に依頼を受けシンガポールのビデオグラファー(演出から編集までマルチに対応できる映像ディレクター)を、ある撮影プロジェクトで成約しました。その時にビビビッと来たのです。いわゆるD2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)と言われる市場が増えてきている中、クリエイターエージェントももっとD2C化していいのではないか、と。B2Cが基本だったこれまでの時代から、もっと個人へクリエイターを紹介し、フリーランスのクリエイターやクリエイターチームの価値向上や存在意義を模索していけるのではないか。なんて思った大石でした。まずはこの地にて企業も個人も含めてその新しいサービスの形を見つけていこうと思います。

 ソース:
 https://www.aspirantsg.com/singaporean-youtube/
 https://staseon.com/library/article_803/
 https://www.expertstaff.co.jp/merit/
 https://signalfire.com/blog/creator-economy/
 https://jp.techcrunch.com/2022/01/02/2021-11-23-small-creators-are-big-business/
 https://creatorzine.jp/article/detail/2184
 https://www.theheadline.jp/articles/450
 https://www.straitstimes.com/life/entertainment/new-training-plan-to-help-local-digital-creators-announced
 https://www.marketing-interactive.com/top-10-youtube-creators-in-singapore-that-audiences-love

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. エージェント/マネージングディレクター
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。小さいころからサッカーに魅了され、日韓ワールドカップで来日したデイビッド・ベッカムの話す英語に衝撃を受け、自分も話せるようになりたい!と大学は外国語大学へ。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。ブロードキャスト・ビジュアルセクション。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。好きなバンドはOasis、最近の趣味はNetflixで英語学習、尊敬する歴史上の人物は吉田松陰と白洲次郎、好きな食べ物はカレーライスとらっきょう、嫌いな食べ物はかぼちゃと大学芋、みずがめ座B型、佐々木希とジェームズディーンと富岡義勇(鬼滅の刃)と同じ誕生日。
Twitter:@junya_oishi
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