染める旅

choco旅 vol.13
ライター
DECO KATO
加藤 デコ

庭の雑草のなかに、ヨモギの大群を発見した。「あ、草木染に使えるー!」と思ったが、しばらく悩んだ末に面倒になり、結局、他の雑草と一緒に抜いてしまった。

「染める」ということに、実は、とても関心がある。

上の写真の右側のストールは、京都で草木染ワークショップに行ったときのものだ。先に明るい色で全体を染める。それから、ひもや輪ゴムでぐるぐる巻いて暗い色に染めると上のようなまだらな模様ができる。ストールは首のまわりに引っかけたり結んだりするわけだが、その位置によって明るい色と暗い色の出具合を調整でき、雑な(?)まだら模様でも使うのに支障はない。むしろ、「フフ、自分で染めたヤツですぅ…」と内心でほくそえみながら、首に巻いている。ちょっとうれしい。

写真左は、名古屋市の有松絞りのワークショップでつくった日傘。日傘から布部分をはずして、これもひもをかける。染める前はこんな感じだった。

京都で、友禅染めの体験をしたこともある。図柄ごとに数枚の型紙があり、1枚ずつ色を重ねていく。このときは、水仙の絵を選んだ。型紙の空いている(型の抜けている)部分に色を塗るのだが、それが全体の図柄のどこにあたるのか、よく考えないと色が決められない。職人さんの大変さがよくわかった。お店の方がサポートしてくださるのでなんとか絵にはなったが、母に「遠近感のない水仙やわ~」と笑われた。

沖縄では、紅型の工房へ行った。紅型は型紙ではなく、糊を使う。あらかじめ糊が定着しているものに、色を差していく。

これも友禅染と同じで、やっているうちに「この柄はなんだ?」とわからなくなってしまうのだが、自宅に持ち帰って水洗いをし、糊を落として干しておくと、それっぽい?ものができあがる。

旅をするというのは、言うまでもなく旅自体が体験である。そこをもう一つ踏み込んで、何かをつくる体験モノを予定に入れておくと人とは違う体験が一つ増える。「染める」以外にも陶芸やガラスなどいろいろやってみたのだが、どうも私は染めることに関心があるんだなと思うようになった。だから、この数年は旅行先に染色の体験工房がないかどうかを調べるようにしている。

旅の体験で関心を持った「染める」ことを「趣味」にできないだろうか。幸い実家には庭や空いている部屋があり、自称・工房(?)をつくれるかもしれない。いつか「染める」ことがもっと身近になったらいいなと思う。

プロフィール
ライター
加藤 デコ
目指せ、ソロワーク、ソロ旅、ソロ温泉。 そのために、もの書きとしてがんばって働きます。

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