プロデューサーは人脈・人望・人間力が全て!

Vol.5
株式会社フェローズ マーケティングセクション兼 アニメ セクション アドバイザー シニアプロデューサー
映像業界40年 おやじプロデューサーのひとり言
関田 有應

こんにちは。
フェローズマーケティングセクション・シニアプロデューサー関田有應(せきたゆうおう)です。
5回目のコラムは「プロデューサーは人脈・人望・人間力が全て!」です。

CM制作の世界ではPM(プロダクションマネージャー)を経験してプロデューサーに昇格します。
それまでに、多くの現場スタッフ、キャスト、クライアントとの関係値、また制作メンバーポスプロメンバーと現場を共にします。
その出会いを自分の人脈として将来につなげていけるかどうかが、プロデューサーを目指すPMにとって必要不可欠な事です。

PMは、上司にあたる先輩PMやプロデューサーから、現場経験を通して、多くを学んでいきます。
そして制作現場を共にしたスタッフやキャストと人脈を作って行きます。
その中で、プロデューサーとしての人間力と組織人格を学んで行きます。

プロデューサー歴40年の私の言う知り合いとは、作品制作を共に行い、苦楽を共にした仲間・同志です。
名刺交換をしたレベルの方々の事を知り合いとは言いません。
そのレベルの関係値では、気心も分からない、勿論、融通も利きません。

私がまだPMの頃、上司のプロデューサーは、クライアントミーティングを始め、色々な打ち合わせに連れ回される、要は同行、同席です。
貫徹明けの、いき絶え絶えなのに「関ちゃん!いくよーん!」的な軽い感じで、人の事も考えずに、いきなり夜の会食にも付き合わさせられました。
会食の席では、超気遣い!食事なんか喉も通らない!会食の席でも段取り担当です!
先方のクライアントアシスタントも同じスタンス。
お互いに気を使いながら、会食を盛り上げる段取りをしていた事を今でも覚えています。

帰りのタクシーの中で上司から言われた事です。
「関ちゃん!あと何年かしたらクライアントのアシスタントも役職が上がり、発注担当になるんだよ。だから関ちゃんは、アシスタントと沢山コミュニケーションを取って、共に多くの現場を経験して苦楽を共にする事が大切なんだよ。
そして、必要とされるプロデューサーになる。
将来1本立ちした時には、お互いに信頼出来る関係値が出来上がっている。
今の自分のクライアントは自分がPMの時のアシスタントだったメンバーなんだよ。
演出も、照明、撮影、編集、MA、役者事務所のマネージャー、メイク・スタイリストもみな同じ。自分が1本立ちする頃には、皆1本立ちして、現場の第一線で活躍するスペシャリストになっているんだよ。」

そうか!
そういう事だったんだ!
あの頃の私にはわからなかった事でした。
私の上司から学んだ事!

「プロデューサーは人脈・人望・人間力が全て!」

「関ちゃんに言われたらしょうがないようなあ!」
ここまで言って頂く関係値・信頼関係が出来て、初めて本当のプロデューサーです。

「根回し」「段取り」「握り」これもプロデューサーに必要不可欠な能力です。
だからこそ人脈なんです。
それが本物の人脈です。
新人プロデューサーの時に痛い目を何度も味わい、自分自身が学んだ事です。

PMの時代に本気で仕事に挑み、相手の気持ちになって考え、先を読んで、精度の高い作品制作に惜しまず全力で挑む。
次の作品もこのPMと一緒に仕事をしたい。
このPMと仕事をしていると現場が楽しい。

自分の事を、自分で自慢しているPMは伸びません。
ましてやそんなPMがプロデューサーになっても、だれも仕事を一緒にしたいとは思いません。
それは信頼出来ない、人望が無いからです。
気心がしれているから融通もつくし、無理な要望も受けて下さる。

それだけの人間関係・人脈を作れるかでプロデューサーとしての力量が決まります。
人脈の無い、人脈を作れないプロデューサーは仕事の領域が狭くなります。

私は40年間、組織に帰属してプロデューサーという仕事を生業としてきました。
それは組織に帰属してないと、億単位の作品制作を行う事が出来ないからです。
やりたくない仕事、好きでない作品の制作も一生懸命行いました。
それが組織に帰属しているプロデューサーの責務だからです。
自分の企画が全て通る訳では有りませんし、組織人として仕事を選ぶ事は許されない事だからです。

テレビ業界を離れて、アニメ業界でプロデューサーとして仕事を始めた時も、今まで苦楽を共にした仲間との繋がりで、本当に助けてもらいながら制作を行う事が出来ました。
今はフェローズに在籍しておりますがその頃からの人脈は今でも続いています。

「プロデューサーは人脈・人望・人間力が全て!」

若手PM君。 足元をしっかり見据えて、協調性をもって組織人格を学び、本当の人脈を作り、さらに経験を積んで、素敵なプロデューサーになって下さい。
「がんぱれ」
先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

しかし貫徹明けの、いき絶え絶えの時の会食同行・同席はあのタイミングだったのでしょか
別日でも良かったのではとふと思いました。
今の自分だったら絶対にしないなあ。
いまだに謎です!

「おやじ一押し!InterBEE2019 ロケ弁グランプリ」

当社フェローズが、InterBEE2019に出展いたしました。
ロケ弁グランプリを行っていましたのでご紹介します!

協力:ロケーションジャパン/ロケなび

『使える小ワザ』

 

人脈は小ワザでは創れませませんので今回は有りません。
あしからず!

ここまで読んで頂き有難うございました。
それではまた次回。

 

プロフィール
株式会社フェローズ マーケティングセクション兼 アニメ セクション アドバイザー シニアプロデューサー
関田 有應
(せきた ゆうおう)大学を卒業後、テレビ局直系制作会社に入社。 企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。 子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品 株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。 息子も大手広告代理店直系の制作プロダククションのPM「親子鷹」である。※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。

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