昭和天皇のお墓を拝礼してきました

東京
コピーライター
TOKYOそういえば日記 36
コジマカツヒコ

毎年、年が明けると思い出すひと。私は昭和天皇なのです。

1989年(昭和64年)の1月7日、崩御。

 

そのとき私は社会人1年目の終わりで、とにかく大変な出来事だと

カメラを片手に都心の様子を写して歩いていました。

 

写真は度重なる引っ越しでどこかへ埋もれてしまったけれど

以来ずっと気になっていたのが天皇の墓を拝礼すること。

 

私、天皇や皇族に特に強い興味があるわけではありません。とはいえ

せっかく東京で暮らしているのだし、いつか行ってみたいと思っていました。

 

よく晴れ渡った1月の終わり。いざ、JR中央線に乗って西へ。

着いたのは終点の「高尾駅」。高尾山のシンボルである天狗の石像が迎えてくれます。

 

昭和天皇が埋葬されているのは、この高尾駅から北へ1キロほどの小高い丘にある

東京都八王子市の「武蔵陵(むさしりょう)」。

昭和天皇は1989年(昭和64年)1月7日に崩御し、同年1月17日に陵所地鎮祭が行なわれ、

お墓の造営が始まりました。そして2月24日に大喪の礼(葬儀)と造営中の陵所への

斂葬の儀(埋葬)が行なわれ、2月27日に「武蔵野陵」と命名。

翌年の平成2年の1月6日にお墓が竣工しました。

 

高尾駅から武蔵陵への道順はかんたんで、駅の北口を出てまっすぐ進んだ先の交差点を

右に曲がり、あと道なりに歩いていくだけ。もちろんクルマでもいけます。

小さな川を渡って歩くこと10分。門が近づくにつれて凜とした空気が漂ってきます。

 

着きました。ここが門の手前。すごく広いです。野球ができそうなくらい。

武蔵野陵には昭和天皇だけではなく奥さんの香淳皇后、そして大正天皇とその奥さんの

貞明皇后も眠っています。4陵あります。

気をつけたいのは門の内側つまり御陵の中に入る前に、横にあるトイレに寄っておくこと。

そのへんの(というと申し訳ないけど)神社や寺とは違います。なにしろ天皇のお墓だし。

中で用足しできる場所なぞありません。

 

参道に入ると明治神宮にも似た木立ちと、足の裏を心地よく刺激する細かな玉砂利。

ただしベンチなどはなく、とてもストイックです。なにしろ天皇のお墓だし。

ただし明治神宮とはやっぱり雰囲気が違います。平日のせいもあるのでしょうけれど

すごくソリッドな、霊気とでも言いましょうか。なにしろ天皇のお墓だし。

 

 

ついに来ました。これが昭和天皇のお墓「武藏野陵(むさしののみささぎ)」です。

たぶん何も塗られていない、言い方を変えると誰にも愛想笑いをしていない無垢の鳥居の神々しい迫力。

 

そして写真の奥に写っている、石造りのこんもりとしたドーム状のものがお墓です。

 

お気づきかと思います。これ、古墳なのです。

正式には「上円下方墳」といい、四角い台の上にドーム型の石室(?)が乗っています。高さはおよそ10.5メートル、

下の台部分の面積は27平方メートルだそうです。

 

大和朝廷の頃ではなく、ついこのあいだ、30年と少し前につくられたばかりの古墳。

「新鮮な古墳」って。なかなか無いですよ。そもそも「古」じゃないけど。

 

ちなみに工事を担当したのは大林組とのこと。古墳も作れるのか。。。すごいな。

 

昭和天皇のほか大正天皇とそれぞれの皇后のお墓もまた古墳です。下の写真は大正天皇。

備考ですが、古墳であるということは火葬ではなく土葬(今上天皇のご意向で今後は火葬となりますが)です。

 

さてしかし、どんなふうに礼拝をしたらよいものか。

調べてこなかったのでiPhoneで調べたら、特に決まった形式はなく神社と同じように

二礼二拍手一礼でもかまわないとのこと。

 

前半は現人神(あらひとがみ)として、後半は象徴天皇として。

神様と人の両方を経験した昭和天皇、うーん、、、、迷ったあげく今回は一礼。

 

帰りの参道もすれ違う人はなく、高い木立ちの上には蒼い空。すがすがしい気分。

ひとり玉砂利を踏む音だけを聞きながら、来て良かったと思いました。

 

宮内庁 武蔵野陵 ホームページ

https://www.kunaicho.go.jp/ryobo/guide/124/index.html

プロフィール
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コジマカツヒコ
流通やメーカーのハウスエージェンシー、広告代理店を経て独立。得意領域は流通小売・メーカーの広告や販促ツールいろいろ。趣味は水泳と愛猫の育成、お酒と無駄話。お仕事のご依頼は kojimakatsu@icloud.com までメールくださいませ。

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