映像2023.09.22

撮影基地IN中国 2023 その1

横店影視城
映像何でも屋
秘密のチュートリアル!
野辺五月

突然ですが、ハリウッドで大きなスタジオと言えば、ユニバーサルスタジオですね。
では、中国と言えば?
……ぱっと答えられる人はよほどの通かマニアだと思います。
中国はテンセント(WETV)を抱え、多くのドラマを制作し、広く配信している国でもあります。当然スタジオも数ありますが、特に、有名なのは漢劇(時代劇)で使われる大きなロケスタジオ。
外の撮影に特化し、街並みから屋敷までを再現した「影視城」でしょう。
実は中国には、日本の太秦村ばりに時代劇(漢劇)で使われている撮影基地が幾つかあります。
中でも有名どころは、横店影視城、無錫影視基地、鎮北堡西部影城……

今回はその横店影視城に行ってきたので、軽く紹介したいと思います。

まず横店影視城とは、浙江省東陽市にある総面積五万を超える広大な公園。中国版ハリウッドと呼ばれ、一部は観光地としても人気のあるロケ地なのです。
その成り立ちは、1996年『アヘン戦争』(謝晋監督)のときからで、2000以上のドラマや映画が以降ここで撮影されてきました。
主な撮影場所は、秦王宮、清明上河図、夢幻谷、圓明新園、明清宮苑……
オープンセット32カ所、スタジオ130棟をこえる最大規模の撮影基地ということで、ここで取られた有名なタイトルはあげればきりがありません。
中華ドラマ時代劇のほとんどで使われているといっても過言ではなく、Googleの最も検索されたドラマ2018に入った『瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜』や日本でも人気の『陳情令』『慶余年』などでも使われています。

また近年、海外のチームも(許可された場所のみではありますが)撮影・ロケハンを行っており、『ムーラン』や、日本では例えば『キングダム』のオープニング部分や一部で使われた場所でもあります。
写真に覚えのある人も多いはず……。

仕事で行きたいところですが、まずはその広大さを見てこようと、今回こっそり小さなツアーにモニター参加してきました。

まずそもそも横店ですが、日本から行こうとするとそのときは直行便が出ておらず(あっても週に一本)一番楽な方法を考えると上海経由……ということに。
ちなみに、今中国に行くにはビザが必要なのですが、これを取るにも一苦労だと付け加えておきます。

さて、上海からの移動ですが、高速鉄道を使う手もとれますが、これもまたなかなか骨がおれ……そんな状況を知っていたのでバスをチャーターしたミニツアーで移動。
高速にのって、ざっくり上海を南下すること5時間~。
横店の看板が見えてきます。
このエリアは、とても広く、スタッフや関係者、観光含めて宿泊できるようにホテルや施設も揃っています。もちろん、上海よりは当然田舎なのですが、泊まったホテルは有名なドラマのクルーや俳優たちも使う場所。なかなか快適な旅になりました。

初日は移動で終わりましたが、翌日は秦王宮の撮影所。
空港を降りてから度々思っていたのですが、此処で実感したのは、「尺が可笑しい」ということ。
とにもかくにも画角におさまらない……とんでもないスケールです。
この秦王宮は撮影に使われるわりに「コンパクト」だときいていたのですが、十分広い……
入口の段階で圧倒されますが、この入口でもひと苦労。
というのも、外国人観光客がしばらくきていないこともあり……また中国ではすべてが電子管理されているため、携帯=身分証で出入りや支払いを行うのですが、それが外国人にはないため、パスポートと示し合わせての申請など全て手動になるのです。
これは後から聞いた話ですが、人がいて手動で行う入口自体が観光地にも少ないということで、なかなか確認にも時間がかかりました。
しかし、個人旅行を諦めて、ツアーを使ったのはこういうときの為だったので、結局少し待たされたものの、どうにかパス。中に入ることができました。
中は写真の通りですが、兎に角広い広い……広い……でかい……でかい……
圧倒されます。

現地が夏休みということもあり、多少混雑もありましたが何分面積があるのでじっくり見られる部分も多かったです。この日は部分的な撮影も行われていて入れなかった箇所もありましたが、その分開いている箇所も……。
この辺りは狙っていってもスケジュールとの都合があるので、なかなか確実にみられるか分からなさそうな空気です。遠くに部分的にビルが見える場所もあるにはありますが、広さもあるので、そのまま撮影して背景に手を加えることなく使えるだろう場所が多い印象を受けました。

王宮は外だけでなく、中ももちろんちゃんと撮影できるようになっています。
特に宮廷や後宮としてよくでてくる御殿……中には玉座があり、衣裳をきて撮影するサービスもありました。またよく玉座の前で、女官・踊り子が舞い踊る水のステージのような場所も……。
実際撮影のときは、内容に合わせて石や柱の装飾をかえたり、上からつけていくのでしょうが、大枠の作りがみられてとても面白かったです。手前には、軍議に使われる幕・テントや、戦いや、演習に使われる武器を多く並べたセットも……大迫力でした。
またここはわりと観光地としても開かれているセットということもあり、門の裏に、ぎっしりとこれまでの有名なドラマを紹介する写真もあって、一層楽しめる作りになっていました。

時代物が好きな人には必見かなと。
一日じっくり見てもいられるくらいの広さの敷地に、今回は体験しなかったのですが、軽い3Dのアトラクション的なものもあったようで……並んでいました。なお美術周りについては、わりとそのままおいてあるので、日本の撮影所より気軽にふれることができる様子……
ベースと、加工を後でいろいろなドラマで確認して勉強することもできそう。
一緒に行った仲間には、いろいろな職種の人がいたので、その辺の意見交換もできてとても楽しかったです。
次回は、更に広い撮影地、清明上河図について紹介しようと思います。

プロフィール
映像何でも屋
野辺五月
学生時代、研究の片手間、ひょんなことからシナリオライター(ゴースト)へ。 HP告知・雑誌掲載時の対応・外注管理などの制作進行?!も兼ね、ほそぼそと仕事をするうちに、潰れる現場。舞う仕事。消える責任者…… 諸々あって、気づけば、編プロ・広告会社・IT関連などを渡り歩くフリーランス(コピーライター/ディレクター)と化す。 2015年結婚式場の仕事をきっかけに、映像畑へ。プレミア・AE使い。基本はいつでもシナリオ構成!2022年は現場主義へ立ち返り、演出・構成をメインに活動。現在の主流は「インタビュー」「取材」もの。 「作るために作る」ではなく「伝えるために作る」が目標。趣味の飲み歩きができるようになって嬉しい反面、ダイエットせねばと叫ぶ日々。

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