WEB・モバイル2014.11.19

地元神戸で、長くいっしょに働ける プログラマーを育てたい

大阪
株式会社イーイット 取締役 中条井紅氏
神戸で少数精鋭ながら、Webシステム、Webアプリケーション開発で確かな実績を築き上げている株式会社イーイット。中条取締役は数学的能力に長けた業界屈指のプログラマー。そんな中条氏にプログラマーへの想い、経営者としての展望を語っていただきました。

化学者を目指す数学少年が進路変更、プログラマーに

この業界に入ったきっかけを教えてください。

大学では化学を専攻していたのですが、化学の勉強は得意ではなかったんですよ(笑)。そんな頃インターネットが普及し始めたこともあり、プログラミングの勉強を始めました。高校生のときから数学人間だったのもあり、独学でどんどんスキルが高まったんです。その後、プログラミングのアルバイトを始めたのが僕がこの世界に入るきっかけになりました。

独学でプログラミングを勉強されたんですか?

ドキュメントや冊子を読んで勉強しました。ドキュメントは、プログラミングの説明書ですよね。説明書を読めば物の使い方がわかるのと同じなので、ドキュメントを読めば人から教わらなくても何とかなりましたね。すごくいい組み方とかノウハウは、仕事をしながら他の人のソースやオープンソースの中身を見て学びましたね。

会社を立ち上げたいきさつは?

大手企業をはじめ、会社をいくつか転々として、どんなプログラム構築のやり方があるのかを学んだわけですね。そのうち、いっしょに組んでやって欲しいと言う依頼もあったりして、フリーランスで仕事を受けていたのがどんどん膨らんでいったので、独立して会社を立ち上げようと思ったんです。 経営的なことは全くわからなかったのですが、当時知り合いだった細目(代表取締役)が税金など経営に関わることを熟知していたので、「じゃあ、一緒にやろう」と言うことで会社を立ち上げました。

フリーランスでの仕事が増えたゆえの独立だったということで、営業面でのご苦労はあまりなかったわけですね?

起業当初、3年くらいは昔の同僚からの仕事が多かったですね。収益はまずまずでしたが、プログラミングの実務は僕ひとりでやっていたのでやはり大変でした。でも、いただいた仕事のご縁でクライアントさんから新しい案件を紹介していただいたりして、現在、受託開発業務は順調です。

お客様のニーズに応える受託開発と 自分が作りたいゲーム開発の二本柱で

現在の主な業務内容は?

システムの受託開発と自作ゲームの開発・運営をメインで行っています。ゲームはギャンブルみたいなものですけど(苦笑)。当たるか当たらないかは出してみないとわからない。特に弊社が作っているのは、ニッチなジャンルなので。・・・というか、自分がやりたいゲームがニッチで、それを作ったと言うのが正直なところです。そんな中でもおかげさまで「憂国の大戦」はヒットしました。

憂国の大戦 公式HP

憂国の大戦 公式HP

「憂国の大戦」はどのように生まれたのですか?

フリーランスの頃、小さなSNSを立ち上げていて、その中で楽しめるゲームとして作ったのが「憂国の大戦」なんです。mixiでソーシャルゲームがオープンになり、出してみたら口コミで拡がってスゴイことになりました。

システムの受託開発の方はどうですか?

システムのパッケージソフトは1万円か2万円、高くても30万円程度で買えますが、弊社のシステム開発と構築は80万円/人月が目安です。 高いように思われるかもしれないですが、パッケージソフトではできることに限度がある一方で、独自のシステム構築は、クライアントさんの要望通りのものができるんです。 例えばショップの売上と在庫の管理をしたい時、クライアントの要望に応じて「営業と経理が共有できて」「消化率や売上高も算出して」「独自の統計も出して」「しかもそれがスマホでもできるように」…といったオリジナルのシステムを作ることができる。システム開発の初期投資はかかりますが、結果的に現場の作業効率が上がり、ランニングコストの人件費分が利益になっていく訳です。それが独自のシステムを開発・導入するメリットですね。

ITの技術は進化しているけれど プログラミングはそれほど進化していない

ITは日々進化していますが、プログラミングも同じように進化していますか?

半導体などの技術革新は進んで処理速度はどんどん速くなっていますが、プログラミング自体はそれほど変わらないんですよ。多くのコンピュータ言語が出来てはいますが。

そうなんですか?

基本は0と1を処理してるだけですよ。appleのswiftは、iPhoneで処理しやすいように作った言語でちょっと特異なんですが、基本やっていることは同じ、上から下へ計算しているだけなので。0と1の信号、オンオフの解析の仕方が違うだけです。

中条さんにとってプログラミングの面白さはなんでしょうか?

数学的な面白さですね。作ったものがそのまま解答に現れる。書いたものが思い通りに動いたらそれが正解って感じですよね。昔から数学は好きだったし、数Ⅲ、数Cは得意でしたね。それなのに、なぜ化学の分野に行ったのだろうって自分でも思います(笑)。

生まれ育った町、神戸で仕事を 経営者としては離職率の低い企業にしたい

経営者としては今後、どのような展望をお持ちですか?

会社の土台をしっかりして、社員が長く働ける環境にしたいですね。プログラマーは悪く言えば、使い捨てにされることが多いんですよ。20代、30代の若い人材がどんどん輩出されますし、40代になると給料も高くなり、会社としても使いたくないわけです。うちではそのようなことはしたくない。できるだけ長く働いてもらいたいですね。

そのためにはどのようなことを?

ムリをさせない。残業をさせない。フリーランスのときに自身で経験したことですが、自己管理の大切さを伝えています。納期があるので、ムリをするのですが睡眠をとらないとアタマが回らなくなる。そうすると仕事の効率が悪くなるので、また残業しないといけなくなる。100%のフル稼働するには休養と睡眠は必要です。

中条さんのスキルがあれば、東京での方が大きな仕事ができると思うのですが…。

うーん…。でもね、やっぱり生まれ育った地元で仕事がしたいんですよ。神戸は程よく小さく、程よく田舎で、程よく都会。この“程よく”が僕には一番合っているんですよね。神戸は美味しいパン屋も多いですし(笑)。大きな仕事ももちろんですが、神戸のお店や中小企業さんのシステムやホームページなどのちょっとした相談も、どんどん承りたいと思っています。

取材日:2014年10月28日

株式会社イーイット

  • 代表取締役:細目江利子
  • 設立:2007年4月9日
  • 事業内容:ソーシャルアプリ受諾開発業務、WEBシステム制作の受注業務、ホームページ制作の受注業務
  • 所在地:〒651-0088神戸市中央区小野柄通3-2-22富士火災神戸ビル5F
  • TEL:078-959-8380
  • FAX:078-959-8381
  • URL:http://www.e-it.ne.jp/
  • お問い合わせ:上記HPより
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