WEB・モバイル2012.11.20

地域を活性化させる、みんなが使いたくなる、使っていると得をするようなアプリを。

福岡
株式会社ゲイトウェブ 代表取締役 馬郡由紀氏

携帯用アプリの開発、制作、販売などを手掛ける福岡市の株式会社ゲイトウェブ。公式サイトの1日のアクセス数は約1万件にのぼり、今期も好調に売り上げを伸ばしている会社です。大手女性雑誌にも取り上げられるなど、何かと女子の携帯生活を盛り上げている同社のコンテンツ。今年5月には有名IT企業などが軒を連ねる福岡ITビジネスの聖地、百道浜に本社を移転、波にのっている同社の成功への道のりを代表取締役の馬郡由紀(まごおりゆき)さんに聞いてみました。

自分で何か挑戦してみたいという気持ちからスタート

コンテンツ開発はいつからはじめられましたか?

学校を卒業してからはしばらく東京に住んで働いていましたが、海外に興味があり、アメリカに1年間語学留学をしました。その後、独学でHPの作り方を勉強して、IT系の会社でパートをしていたんです。その頃、パートとは別に、自分でパソコン用HPや、携帯用サイトを作る仕事をしたら、収入がパートの収入を上回るようになったんです。

実は、結婚後、色々な仕事を経験しました。主婦がよくやる保険のセールスとか、販売の仕事も少ししたりしていました。でも、こうした仕事って、だいたい身内から攻めるというか、周りにいる人にまず「買って」と言うことから始まり、友達とかにもセールスしたりと、なんとなくいやだなと思い始めたんです。飲食業にも興味はあったのですが、天候に左右されたり、休みの問題などもあったので、これも難しい。その点、IT産業はそうした煩わしさが無かったんです。誰かに直接「買って」と言わなくてもいいわけです。また、在庫を抱えるというような心配もいりません。いいアイディアでコンテンツを作れば、ユーザーが自分で探して、買ってくれます。この辺りが私には合っていると思いましたね。

そして、個人事業主になられたのですか?

はい。もともと、人に使われるより自分で何か挑戦してみたいという気持ちが強かったですし、子どもが生まれたこともあって、自宅でもできるということで、携帯コンテンツの開発、制作会社を作ろうと、起業の道を選択しました。貯金が少しあったので、それを元手に個人事業主という形で始めたんです。

事業は順調でしたか?

いえいえ、そんなことはありませんでしたよ。起業してしばらくは、だまされたり、雇ったスタッフが急にこなくなったりで、本当に苦労しました。でも、なんとか法人化して、平成19年、知人からの勧めで福岡市が主催するビジネスプランコンテストに応募したところ「最優秀賞」に選ばれまして、助成金を頂くことになったのです。ここから何が何でもやらなくては!という気持ちになりました。軌道に乗ったのは3期目以降です。

どんなアプリを作られているのですか?

スマホ、携帯用のアプリで、デコレーションメールのアプリや、動く待ち受け機能の素材の提供、写真をデコするアプリなどを中心に作っています。最近は写した写真を可愛くデコレーションできるものが人気です。今月末にはアプリのデザインや機能を一新したものを新しくリリースします。

携帯アプリがこんなに盛りあがるとの予感はありましたか?

そうですね、世の中でプリクラが長く生き残っていますよね。いろいろな進化を遂げながら、なくならずにずっと受け入れられています。携帯メールのデコや、写メのデコアイディアを思いついた頃は、すでに携帯電話で写真を撮るようになっていましたし、携帯写真の画質などもどんどん上がってきていました。カメラ女子など、カメラに関する関心も高まっていましたから、携帯でも、プリクラのように撮った写真をデコレーションしたいと思う人も出てくるのではないかなという思いはありました。年代層も幅が広いですし、まだまだアプリ熱は続くと思います。SNSで使われているスタンプアプリもリリースを始めています。アプリ利用者は辛口な人も多いので、どんな機種にも対応できるような強いアプリを開発、制作していきたいです。

SOHOスタイルで子育て世代を応援

会社理念として地域の子育て世代を応援するフレキシブルな企業日本一を目指すと掲げておられますが、どういったことをされているのですか?

初めにお話しした通り、こうしたアプリの制作は自宅でもできる仕事です。そこを生かして、子育て中の女性の方にSOHOという形で働いていただいています。福岡だけでなく、全国のSOHOスタッフさんに支えていただいています。子どもがお昼寝している間など、自由な時間でできるのが良い所です。空いた時間に働けるので、小さな子供を持った女性の方も沢山働いていただいています。中には、産後1か月で復帰した人もいます。ネット環境さえ整っていれば、遠隔でできる仕事でもありますから、どんどん仕事を増やして、多くの子育て世代の方に頑張ってもらいたいです。

馬郡さんも子育てをしながら働かれていらっしゃいましたが?

そうなんです。下の子どもが生まれてすぐに会社を立ち上げたので、色んな意味で大変でした。実家が福岡にあるわけではなく、子供を抱えて仕事をしていました。はじめは自宅で行っていたんですが、賞をいただき、地元メディアで紹介され始めて、仕事は広がりました。平成20年から事業が本格的に動きだし、大阪など遠方への出張もあるようになったんです。実家に赤ちゃんを預けて、出張をこなす日々が続くこともありました。上の子と下の子の年が離れているので、保育園には長くお世話になりました。今は、上が中学1年生、下が小学1年生。二人とも学校に上がったのを期に、会社を百道浜に移転し本腰を入れる決意をしました。

その後は順調でしたか?

平成21年にぷちぷちデコツールアプリをリリースしてからは毎年新しいものを送り出すようになりました。大手女性雑誌にも女の子に役立つ携帯コンテンツとして読者から紹介されたりもし始めました。実は、親族から広告費用として1000万円を借りていたのですが、1年で完済しました。何年先にどうしてというような緻密なプランを立てるタイプではないので、今できることを片っ端からやって行こうと思って突き進んだ感じです。その分、起業当初にはいろいろと不具合もありましたけど、高い勉強代を払ったお陰でいい勉強になりましたよ。

みんなが使いたくなる、使っていると得をするようなアプリを

今月も何か新しいモノが出ると聞きましたが。

はい。12月上旬の予定でデコレーションした写真をツイッターやフェイスブック、携帯メールに載せられるコンテンツを発表の予定です。この市場に参入した頃は、競争相手も少なかったのですが、簡単に個人でもアプリを販売できるようになってしまった為、創業当時よりも競合が増えたわけです。今まで以上にアイディアが必要になっていくと思うんです。当社の場合は、アイディアと更新枚数で勝負しています。常に新しいモノを発信していけるように、これからも努力したいですね。

どんな時にアイディアが浮かぶんですか?

意外とぼーっとしている時にフッと降りてきたりしますよ。コン詰めてやっている時よりも、カフェでのんびり過ごしている時とか雑談の中からいいアイデアがひらめいたりします。

今後の展開は?

今、リリースが決まっているのは ●現在提供中のスマホ用アプリ改良版 スマホ/iPhone用 新規リリース ●動画作成アプリ スマホ/iPhone用 ●チャット系アプリ スマホ/iPhone用 ●癒し系アプリ スマホ/iPhone用 です。 これからは地域を活性化させる、みんなが使いたくなる、使っていると得をするようなアプリをどんどん作って常に進化させていく予定です。詳細についてはまだここではお話できないませんが、実現に向けてすでに動き始めています。自分を含め、周りまでも幸せにできる、そんなシステムを作って行きたいです。

取材日:2012年11月

株式会社ゲイトウェブ

  • 代表取締役:馬郡由紀(まごおりゆき)
  • 事業内容:
    • 携帯コンテンツ開発
    • 運営アプリ開発
    • 販売HPの企画・作成・運営
    • イラストレーターの育成
    • システム開発
  • 所在地:〒814-0006 福岡市早良区百道浜3-8-33 福岡LSIセンタービル602
  • URL:http://gateweb.jp
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