WEB・モバイル2020.07.22

顧客とWIN-WINの関係を築き、ともに成長する企業を目指して

広島
株式会社TomTak 代表取締役
Takeo Mohri
毛利 武雄

広島の地元企業を中心にWebサイト制作、Webマーケティングを手掛ける株式会社 TomTak(トムタック)。顧客の事業に貢献するWebサイト支援に「成果報酬型」を取り入れ、顧客と自社が共に成長していく仕組み作りが成功し業績を伸ばしている。勢いのある若い会社を率いる代表取締役の毛利武雄(もうり たけお)さんにお話しを伺いました。

「いつか自分の会社を」という気持ちは、アメリカ留学時から自然と芽生えた目標

いつごろから起業しようと考えていたのですか?

僕は20歳から33歳までの13年間、アメリカで過ごしたんです。語学学校と大学を合わせて5年半、卒業後はそのまま大学でプログラマーとして7年ちょっと働いていました。海外で実績を積むうちに「いつかどこかで会社を作りたい」と漠然と考えるようになりました。

初めから大学を卒業したらアメリカで働く予定でしたか?

卒業後のことまでは決めていませんでした。就職したきっかけは、大学のIT部門でインターンをしたことです。学生のうちにITに関わる仕事の経験を積みたいと思っていて。

大学のクラブ仲間3人で「無償でいいから仕事をさせてほしい」と大学にインターンを交渉したんです。学部側にも「インターンするから単位にしてほしい」と話して(笑)。どちらも快く承諾してくれてインターンで仕事を経験した後に、プログラマーとして本採用になりました。

7年も務められたのは居心地が良かったんですね。

そうなんですよ(笑)。2年目ぐらいにはベテランと変わらない給料をもらえるし、勤務が終わるのも16時半と早くて。アメリカは21時くらいまで明るいので、仕事終わりにはゴルフに行ったりしてましたね。

そんな海外生活を終えて、株式会社 TomTakを設立されたきっかけは?

いろいろなことが重なったこともありますが起業のスイッチが入ったのは、サイバーエージェント 藤田晋さんの著書『渋谷ではたらく社長の告白(幻冬舎)』を読んだことです。自分も早く起業家の世界に行きたいと刺激を受けました。

仕事の契約更新を迎えるタイミングで「1年後に辞めて起業します」と上司に伝えました。そして日本に戻り、2011年にTomTakを設立しました。

顧客に喜んでもらう仕事をすることで、自分たちも発展できる

御社の事業内容を教えてください。

広島県内の企業を主にWebサイト制作や戦略支援、システム開発、サイトの運用や改善のアドバイスをするコンサルティングなどをしています。なかでも力を入れているのが、Web広告やSEO対策、Webマーケティングなどの戦略支援です。

成果報酬型を取り入れられていると聞きました。どのような制度ですか?

弊社はお客様と共に成長する企業を目指し、成果報酬型のウェブサイト制作や保守を行っています。成果報酬型は従来のウェブサイトの保守とは違い、専門的な視点を持つ弊社が、主体的に改善やウェブマーケティングに関わり、お客様のサイトのアクセスや問い合わせを増やすなど効果を上げています。

細かいボタンの配置から、ユーザーの導線、内部システムの改修まで、よりサイトを訪れる人が使いやすいようにアップデートをしています。他にもWebサイトをGoogleやYahoo!などの検索エンジンから流入が見込めるように、期待されるキーワードで検索上位に表示されるよう改善したり、広告費を成果報酬の一部から弊社が負担し、効果的なウェブ広告を打つことで売上アップ・アクセス数アップを図ったりしています。

こうした支援はオプションで別契約になることが一般的ですが、弊社は成果報酬型を導入することで、ウェブからの集客サポートを徹底的に行うことができます。2019年3月には広島県の中小企業経営革新計画の承認も受けたので、これからもっと前面に出していきたいサービスですね。

成果報酬型の契約を開始したきっかけは?

弊社はもともとサイトの制作より保守やコンサルティング業務を主力にしていたことが特徴でした。あるとき、お世話になっているクライアントさまの1社が、SEO対策やWeb広告を実施したウェブサイトの売り上げを調査してくださったんです。

その結果、制作にかけた費用の2.5倍以上の売り上げが確認でき、費用対効果の高さに満足していると教えてくださることがありました。それをきっかけに成果報酬型の契約を取り入れていこうと決めました。

お客様が本当に求めているのは、ウェブサイトによって会社の売上げが上がり、社員の方々が安心して仕事ができる会社にしていくことだと思うんですね。弊社のサービスを通じてお客様が発展していく、お客様が発展することで弊社も成長できる。そういう関係を築くことができるのが成果報酬型の良いところだと思っています。

創業時から順風満帆だったのですか?

そんなことはないですよ。初めは失敗もたくさんしています。創業者である僕は仕事に没頭できても、スタッフがついてこれなくて辞めてしまうこともありました。人間ですもんね、仕事ばっかりじゃ働けないなと反省して、休みを増やし勤務時間を短くするなど改善を図ることで、仕事の効率も上がるように。今は効率よく働いて、仕事以外の時間を自分や家族のために使ってほしいと思いますね。

他にも、制作の価格を低く設定したことで、労力と収入がアンバランスになってしまい、疲弊するばかりの時期もありました。これでは顧客も自分たちも幸せにならないと思い切って価格を見直し、価格を明示したメニュー表を作成しました。

そうすると、僕たちも価格に見合ったサポートに全力を尽くせるようになり、結果も出せるようになりました。そういった改善が積み重なってか、契約を解除する取引先はこの3年間1件も出ていませんし、毎年右肩上がりで売り上げが伸び続けています。

より多くの仲間と一緒に、より大きな事業を手掛ける会社に

これからどんなことにチャレンジしていきたいですか?

僕はもともとプログラマーなんですよ。プログラムでサービスを開発したいと思っていたのですが、サービスが定着するには、1年、2年と時間がかかります。体力のない創業時にはできなかったのですが、10年目になり余裕も出てきたのでプログラム開発にも着手しています。

といっても、まだ社内の業務をスムーズにするためのツールぐらいなんですけどね。あくまでもメイン業務は今までどおりなので、成果報酬型を前面に打ち出した、成果につながるサイトを提供していくことに変わりはありません。

新型コロナの対応をきっかけに、弊社では社員全員がテレワークをするようになりました。もともと将来的に、世界中どこにいても仕事ができるようにしたいとテレワークの準備を進めていたので、今回スムーズに実現したと思います。変化に素早く対応できたことで、活動が制限される中でも企業活動を止めることなく成長できたことや、遠方のお客様など新しい需要にも対応できるようになるなど新しい可能性も見えてきました。

ITの技術は人々の生活を豊かにするものと考えています。この技術を通じてお客様に役立つ存在になることで、より多くのお客様、そして弊社の夢も実現していきたいと思います。

夢を実現するには、どんな人に仲間になってもらいたいですか?

これはスタッフだけでなく、外部のクリエイターさんも同じなのですが、真面目だけど明るくて、常識にとらわれず、変化を楽しめる人がいいですね。

固定観念って誰しも持っていると思いますが、それにとらわれてほしくないですね。「それって常識でしょ?」と頭ごなしに考えず、「本当にそうなのか?」と常識を疑うことも大切ではないでしょうか。僕はアメリカでの生活が長かったので、日本の常識が世界で通用するとは限らないという経験をたくさんしました。

「こうしてみたらどうかな?」と思うアドバイスをもらったとしても、「やってみようか」と柔軟な考えを持つと、違った結果が手に入るかもしれないですしね。柔軟でいることは、変化の激しいIT業界で生きていく強みにもなると思います。

取材日:2020年6月15日 ライター:山名 恭代

株式会社 TomTak

  • 代表者名:代表取締役 毛利 武雄
  • 設立年月:2011年4月
  • 資本金:7,000,001円
  • 事業内容:ウェブサイト制作、ウェブ戦略支援、ウェブシステム開発
  • 所在地:〒730-0004 広島県広島市中区東白島町21-13 第一鈴川ビル 4F
  • URL:https://tomtak.com/
  • お問い合わせ先:082-555-9388

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