ECサイト運用の経験を生かし集客をサポート

金沢
株式会社 コムラボ 代表取締役
Jutaro Takami
高見 重太郎

石川・富山・福井の北陸3県を中心に、Webサイト制作やECサイト運営などを手掛ける金沢市のプロダクション『コムラボ』。創業以来、10年近くに渡って蓄積してきたインターネットでの販売手法と経験を生かし、顧客の集客をきめ細かくサポートしています。リニューアルしたサイトで売上が伸びるなど実績を重ねてきた代表取締役・高見重太郎さんに、自社の強みや新規事業、今後の展望等についてお聞きしました。

やりがいを感じた集客ビジネスをWebで展開

会社を立ち上げるまでの高見様のご経歴について教えてください。

石川工業高等専門学校で建築を勉強していましたが、好きな音楽活動にのめり込んでしまい専攻科進学後に中退。そんな時期を経て、リクルート北陸支社に入社しました。仕事は、結婚情報誌『ゼクシィ』の企画営業で、福井エリア担当となり、結婚式場やレストランなどを回りました。当時は紙媒体の力が強く、ネットで結婚情報を調べるカップルはまだ少数派でした。結婚式を挙げるカップルの9割くらいは結婚情報誌で式場探しをしていた時代です。そのような環境の中で、3年程『ゼクシィ』の営業を続けていました。

起業を考えるようになったきっかけは何かありましたか。

就職はしましたが、元々自分で何かやりたいという気持ちは持っていました。起業のきっかけの一つは『ゼクシィ』の営業経験です。媒体を使ってお客様の送客をコントロールできることに気づいたのです。例えば、土日の来客数が多過ぎて成約率が悪い式場さんに、平日の夜にスイーツ付きの相談会をやりましょうと提案して誌面に掲載したら、土日の来客が10組から8組に減り、平日に2組来るようになった。お客さんの総数は変わらないけれど、ちゃんと接客できるようになったことで成約率が上がった。というように媒体を使って集客コントロールできる面白さを知りました。結婚式は1本取れれば何百万円の売り上げですから、結構大きいのです。ただ宣伝するだけではなく、企画、提案することでお客様の課題を解決したり、人を動かしたりすることにやりがいを感じました。もう一つは、お会いした多くの経営者の方からビジネスに対する思いや熱量を感じ、自分も経営者としてやってみたいと思うようになったことです。

事業内容をWebサイト制作やECサイトの運用にされたのはなぜですか。

最初は2人のパートナーと僕の3人で個人事業主としてスタートしました。僕自身は経験値が高いものを特に持っていませんでしたが、一人のパートナーがWeb制作などの経験があり、Webの可能性を感じていたこともあり、Web制作とEC事業を軸にやっていくことにしました。ネットショップの運営を中心としたWeb関連事業に絞りました。彼らとは1年くらい一緒に仕事をし、その後、それぞれの道へ進み、僕は『コムラボ』を立ち上げました。

商品発送など受注後の対応もサポート。採用サイトも展開

会社設立後はどのような事業を手がけておられますか。

現在はWeb制作とネットショップの運営サポートがメインです。昨年から『コムラボ』の新しい事業としてヨガ・ピラティススタジオを始めました。そちらは妻が中心になって運営しています。

社名『コムラボ』の由来を教えてください。

コム(Com)はCommerce(コマース)、Communication(コミュニケーション)、Community(コミュニティ)、ラボ(Lab)はLaboratory(ラボラトリー)のことで、『コムラボ』はこれらの造語です。中でもラボについては特に意識しており、社内外で実践してみた新しい手法で有効だったものは他社でも応用するなど、実験的な取り組みを積極的に行っていこうという方針を表しています。既存の枠組みにとらわれず、いろいろなやり方にチャレンジしていきたいと考えています。コマースは、創業以来蓄積してきたインターネットで物を販売するノウハウと実績を活かしていこうということです。さらに、お客様とのコミュニケーションを大事にするとともに、一緒に仕事をする外部のパートナーさんなど、弊社の人間以外の方も含めたコミュニティとしての取り組みを意識していきたいということです。

社名に込めた方針に加え、日頃心がけておられることはありますか。

やはり受け身にならず、主体的に考えて行動することですね。例えば、お客様の要望を鵜呑みにして、そのとおり進めることが適切でないこともあります。要望をお聞きした上で、重要な課題は何か、より効果的な方法は何かなどを充分考えて、最善の提案を行うことを心がけています。

Webサイト制作やネットショップ運営において、どのような特徴や強みを持っておられますか。

現在9期目ですが、ネットショップについては創業当初から、お客様の自社サイトと、ヤフーや楽天などに開設したネットショップ両方のサポートを手掛けてきましたので、ECサイトの制作や、売上げを伸ばすためのサポートに関しては他社よりも経験値があると思っています。サイトを制作したり動かしたりするだけでなく、受注後の作業までお客様と一緒に考え、サポートすることができます。受注が増えると、梱包や発送という現実的な作業が大量に発生しますが、例えば伝票を200枚印刷するのにどれくらい時間がかかるのか、プリンターの機種はどれがよいのかなど、作業の効率化を図るアドバイスをすることもできます。受注対応や在庫管理、商品展開まで理解してサポートできるのが強みだと思います。さらに、もう一つは、リクルート時代の先輩で採用コンサルタントをされている方とともに採用サイトや採用ページの制作を数多くさせていただいていますので、そこで培った経験も持っています。それらを基に、最近では、Indeed(インディード)のクローラーに対応したサイト構成、或いは紙媒体や他のポータルサイトに出稿した情報との連動なども含めて提案できるようになっています。

リニューアルを手掛けたサイトが好調

これまでのお仕事で特に印象に残っている事例はありますか。

ネットショップのリニューアルで、かなり難易度の高いカスタマイズを行いながら半年かけて開発した結果、リニューアル後に売上げが倍増し、今も売れ続けて絶好調という食品関係のサイトがあります。弊社だけではなく東京のシステム会社と一緒に進めた事案で、かなり苦労しましたが、大きな成果が出て、引き続き良い関係で仕事をさせていただいています。それから、仕事そのものではないのですが、リクルート時代に福井で営業を始めたばかりの頃、『ゼクシィ』には広告を出さないという或る有名な結婚式場さんへ行き、担当者の方に怒られたことがありました。当時の僕は知識も経験もなく、しっかりした提案もできず、その上、坊主頭でひげを生やしているという風貌だったからです。非常に厳しい方だったのですが、2~3年前に偶然その式場さんのサイトのリニューアルをさせていただくことになり、その方に再会したのです。既にかなりの上役になっておられましたが、「高見さんだったね」と覚えていてくださいました。そして、サイトのリニューアルによって、目指しておられた目標が達成できたことで非常にご満足いただき、「成長したね」とおっしゃってくださったときは、素直にうれしかったです。

ネットショップの運営に当たり、商材そのものについてご提案されることもありますか。

ええ、あります。ただ、あまり踏み込み過ぎないようにしています。単純に利益だけを求めてネットショップをやろうというケースだと「こういう商材はどうですか」といったアドバイスをすることはあります。しかし、もの作りを続けてこられたメーカーさんやブランドを持った企業さんには軽々しく「これが売れますよ」みたいなことは言えないですね。僕ら、最初は、大変おこがましいことに、ECコンサルタント事業をやっていますという言い方をしていましたが、今は、ECサポートという形でお客様と一緒に考え、成長させていくという気持ちで進めています。

これまでの経験を生かし、お客様の悩みを解決したい

全くの異業種であるヨガスタジオ『AND STUDIO』を事業化されたのはなぜですか。

妻がヨガのインストラクターをやっておりまして、同業者の中で差別化できたらいいなと思って、きれいなポーズの写真をInstagramに載せていたら、フォロワーも多くなり、有名ブランドのアンバサダーになったり、雑誌に掲載されたりするなど本当に注目されるようになったのです。そこで、コムラボの新しい事業として展開しようと決め、2018年11月にヨガスタジオをスタートしました。これまではお客様にWebを使った様々な集客を提案してきましたが、今度は、自分達でもやってみようということで、紙媒体などは一切使わずにWebのみで情報発信しています。おかげさまで、現在受講生が100名を超え、1年かけて達成しようと考えた目標の数字を3ヶ月でクリアでき、非常に順調です。

さらに取り組みたい新規事業など、今後の展望についてお聞かせください。

現在のところ、新しいことよりも今やっていることを深めて行き、さらに、さまざまなお客様に弊社のサービスを届けられるように頑張りたいと思っています。その中で軸になるのが、強みであるECサイトと採用関係のサイトですね。いろいろなお客様と接していると、ECサイトを作ったけどなかなか売上げが伸びないとか、売れてきたけれど今度は受注を管理できないとか、さまざまな悩みをお聞きするので、それらにもっと応えたいと考えています。採用サイトに関しては、今、本当に人手不足が深刻で、経営者の方にお会いすると、必ずといっていいほどそういうお話になるので、僕らがこれまで培ってきたことを生かしてお役に立ちたいと思っています。

取材日:2019年10月3日 ライター:井上 靖恵

株式会社 コムラボ

  • 代表者名:高見 重太郎
  • 設立年月:2010年
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:Webデザイン、ECサイト運営、ECコンサルティング、Webマーケティング、スチール撮影、ヨガスタジオ運営
  • 所在地:〒921-8062 石川県金沢市新保本5-157
  • URL:http://com-lab.jp
  • お問い合わせ先:076-254-0253

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