WEB・モバイル2019.10.16

お客様に寄り添い、お客様が満足する結果へと導く「結び目」になりたい

札幌
エイトノット株式会社 代表取締役
Hideaki Chujo
中條 秀昭
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札幌を拠点に、デザイン制作やWebコンテンツ制作を行う「エイトノット株式会社」。福祉とITを繋げることで障がい者雇用を促進するとともに、アイデアやコンテンツを通してお客様の「成果」へと結びつける役割を担いたいと話す代表取締役の中條秀昭氏に、現在の仕事の内容と今後の展望について、お話を伺いました。

アパレルから未経験の広告デザインの世界へと飛び込む

中條さんが起業されるまでの経緯について教えてください。

北海道で生まれ育ち、高校卒業後に東京のデザイン系の専門学校に進学しました。もともとアパレルのデザインをやりたかったので、卒業後もそのまま東京に残り、約7年間アパレル業務に携わりました。期間中は、Tシャツのグラフィックデザインやポスターのデザインをはじめ、生産管理やブランドのディレクションなどを行っていました。仕事は楽しかったのですが、2011年の東日本大震災をきっかけに地元へ戻ろうと決意し、Uターンすることにしたんです。

北海道に戻られてからもアパレルの仕事をされたのですか?

残念ながら札幌にはアパレルの仕事が少なかったため、東京時代に付き合いのあった会社にお世話になり、そこで広告デザインのノウハウを学びました。それまで自分なりにいろいろなものを見てきて、ある程度の引き出しはありましたので、その知識をもとに新しいことに挑戦したという感じでしょうか。その後、「エイトノット」の前身であるグループ会社の「ブリッジメディア」に転職しました。「ブリッジメディア」は、福祉とITを繋げるという企業で、障がいを持った方たちにAdobe IllustratorやPhotoshopなどのアプリケーションの使い方、Webデザインの指導をし、クリエイターやアーティストの育成に取り組んでいましたので、ここなら私の持っている知識や技術を還元できると思ったんです。

そこから独立に至る経緯を教えてください。

入社後はデザイン部門で制作を行っていましたが、しばらく経って福祉部門と制作部門を分けることになり、その制作部門として「エイトノット」を立ち上げ、私が代表を務めることになりました。現在は、広告物や印刷物のデザイン、Webサイトのデザイン制作をメインに、建設会社やプロ野球チームのプロモーションのビジュアル制作など、幅広く取り組んでいます。

福祉施設利用者の才能を伸ばしながら仕事へと繋げていく

社名の「エイトノット」の由来を教えてください。

エイトノットは、趣味のキャンプからヒントを得ました。ロープワークの1つに八の字結びがあるのですが、テンションがかかると強い結びつきや繋がりになるので、“何か”を作り上げるために人と人を繋いだり、企業や専門家を紹介する橋渡し的な存在になりたい、アイデアやコンテンツを通してお客様が満足する結果に導く結び目になりたい、という思いを込めて名付けました。

御社では、クリエイターの発掘・教育にも取り組んでいらっしゃるんですか?

グループ会社の福祉施設利用者に、文字起こしやWebサイトのコーディングといったお仕事を積極的に委託しています。施設で専門家たちがカリキュラムを組んでスキルを磨いていますので、イラストが得意な人にはチラシやフライヤーに使う絵を描いてもらうなど、それぞれの才能を活かせる仕事へと繋げて、お給料という形で還元しています。そういった形での発掘・教育です。弊社には現在、役員2名にスタッフが3名おりますが、中には「障がい者雇用」で採用した人もいます。

障がい者雇用の難しさを感じることはありますか?

それはありません。彼らに関しては専門家がきちんと指導してくれていますので、弊社では下積みなどはさせず、いきなり案件をお願いしています。失敗してもいいですし、そこは私たちがきちんとフォローやサポートをしますので、実践で数をこなしながら、少しずつでも身につけていってもらえたらいいと思っています。作業に関しては環境を変えなくても済むよう、チャットを活用し、自宅や施設などの遠隔地にいても仕事が進められる体勢を整えています。1人ひとりの得意な部分を持ち寄って1つのものに取り組むので、クオリティの高いものに仕上がりますし、お互いにメリットがあると思っています。うちで働いてくれるのは、いろんなことに興味を持って何にでもチャレンジする意欲的な人が多いので、助かっていますよ。

知人や友人と互いの力を提供し合って新しい取り組みへ

お仕事の依頼はどういった形が多いですか?

多くは広告代理店からの発注ですが、ほかの業界や業種の友人やイベントで知り合った方、農家さんなどが私の力を必要としてくれるケースもあります。事務所以外に街中にコワーキングスペースを借りているので、ここでさまざまな業種の方との繋がりが生まれ、仕事へと広がっていくこともあります。

実は飲食店経営もされていらっしゃるとか…。

そうなんです(笑)。2019年3月から、札幌の街中にある「CAFEサーハビー」さんの昼の時間帯を間借りして、合い掛けカレーを提供する「カトマンズカレー」を始めました。飲食店勤務の後輩からネパール人を紹介され、彼の持ち味を引き出すには、やはりカレーだろうと(笑)。なるべく経費をかけずに何か出来ないかなと考え、間借りというコンテンツで始めたのですが、これが意外と好評で。広告費も抑えたかったので、SNSをメインにプロモーションしたところ、フォロワー数もアップしましたし、実際に来店してくださるお客様も増えました。イベントへの出展も果たすことができて、少しずつ認知度も高まっていると思います。

スタッフはどういった反応でしたか?

店に関しては私の趣味に近いので、周りのスタッフは「また何か始めたな」という感じでしょうか(笑)。でも、息抜きと称して、仕事の合間に彼らが店頭に立つこともありますので、面白がってくれているんじゃないですかね。ちなみに最近では、印刷業も始めました。街中にある印刷会社から事業を継承して、名刺やチラシの印刷をメインに展開しています。ほかにも、アパレル経験を活かして、プロサッカーチームのTシャツのグラフィックの仕事にも携わらせていただいています。

人や企業を「結びつける」役割を担っていきたい

起業されてから、ご自身で変わった点はありますか?

デザインの引き出しをもっと増やすために、雑誌を読んだり、趣味を浅く広く持つよう心掛けています。会社の代表になってからは、仕事でもプライベートでも、以前より人とよく会うようになりました。

そこから何か面白いものは生まれましたか?

以前から懇意にしていたサッカー選手の引退に合わせて、個人的に記念グッズの制作を依頼されました。昔からサッカーが好きでしたので、そのお話をいただいた時は、非常にテンションがあがりましたし、納得のいくものができたと思います。さらにその選手の声掛けで、会社としてサッカーイベントにも携わらせていただきました。クラウドファンディングで資金を集めてスポーツイベントを企画・開催したのですが、こちらもとてもやりがいがありましたし、実際に参加していただいた方にも大変好評をいただきました。

それも「繋げたい」という中條さんの思いが形になった例ですね。

そうですね。好きなことがきちんとした形になるのは嬉しいですし、提案されたことにはなるべく「NO」と言いたくないので、何にでもチャレンジしたり、柔軟に対応するように心掛けています。もちろん、やりたいことは積極的に自分で作っていくようにしていますので、その姿勢に興味を示してくれる人が多いのはありがたいですね。

今後は、どのような展望をお持ちですか?

今はいろんなことが点の状態なので、線になるようにし、きちんと1つの仕事として構築していきたいですね。私がいる事務所はデザイン部だけですが、いずれは印刷会社と合わせて店舗化し、印刷物の展示などもしていきたいと考えています。名刺を作りたいという人が来たらデザイナーを紹介したり、印刷もすぐにそこで対応できるといったような一貫性を持ちたいと思っています。作品が増えれば営業ツールにもなりますし、そこからWeb制作に発展することも期待できますよね。簡単なデザインであれば福祉施設への依頼も増えますので、みんなの仕事がうまく回っていくように、ともに頑張っていきたいと思っています。

取材日:2019年9月17日 ライター:八幡 智子

エイトノット株式会社

  • 代表者名:代表取締役 中條 秀昭
  • 設立年月:2018年6月
  • 資本金:111万円
  • 事業内容:デザイン制作、Webコンテンツ制作、メディア運営、クリエイターの発掘・教育
  • 所在地:〒060-0032 北海道札幌市中央区北2条東1丁目2-2 プラチナ札幌ビル3F
  • URL:https://8knot-inc.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より

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