遊技機映像クリエイターは業界の「宮大工」ミリオンジェネレーションズが描く次の挑戦
パチンコやパチスロといった遊技機の映像開発をはじめ、CG、アニメーションなどのさまざまな技術を駆使して各種映像を手がけるミリオンジェネレーションズ株式会社。代表取締役の郡司 牧人(ぐんじ まきと)さんは、遊技機ジャンルは映像業界における「宮大工」の仕事だと自負します。
将来出会うであろう人材には「文句を言える人」を求めるという思いを持つ郡司さんに、これまでのキャリアや会社の強み、採用活動での思いなどを聞きました。
タイトー、バンナム…名だたるエンタメ企業を経て立ち上げた映像開発事業

御社を創業される以前の郡司さんのキャリアからお聞きかせください。
現在は50代ですが、20代、30代、40代と、ほぼ10年スパンで「年代ごとに何ができるのか」を考えてきました。
新卒で初めて就職したのは、ゲームなどを手がけるエンターテインメント企業の株式会社タイトーです。在籍期間の約8年で、企画職として家庭用ゲームや業務用ゲームの制作に携わりました。その後、30代を前にして、同じくゲームジャンルの株式会社バンダイナムコエンターテインメントに転職しました。そこで前職と同様の企画職に就き、現在も主力とするパチンコ・パチスロといった遊技機に関わる事業を担当するようになりました。
そして、40歳を過ぎたころには、映像開発を強みとする株式会社ロボットに転職しました。経験のあった遊技機の映像以外に、テレビCMやアニメーションなどの幅広い映像ジャンルに関われる環境に魅力を感じたので入社したんです。実際、さまざまな映像ジャンルの作品で企画や演出、プロデューサーを務め、50代となって現在の会社を立ち上げました。
御社の創業は2020年2月ですが、主力事業について教えてください。
メインは、遊技機の映像開発です。企画や演出を含めて請け負っています。遊技機業界では、パチンコ台やパチスロ台のメーカーさんからご依頼を受けて、絵コンテなどを作成して映像の方向性を確認し、本番の制作へと映像の完成を目指します。加えて、弊社では映像内の音声のディレクション、映像をデータ化してプログラムをパチンコ台やパチスロ台に組み込むまでの工程にも関わっています。また、Web広告やCGのムービー、アニメーション作品の撮影など、映像コンテンツ全般の制作にも対応しています。
遊技機ジャンルは映像業界における「宮大工」

御社のスタッフ構成を教えてください。
2026年6月現在の社員数は、15人ほどです。フリーランスの方や派遣スタッフの方も含めると、常時20人ほどが何かしらのプロジェクトに関わっています。2人は企画職です。職種としては動画制作用の「After Effects」や画像編集用の「Photoshop」を扱うデザイナーの比率が高く、一部、3Dモデリング用の「Maya」を扱うスタッフもいます。画像や映像を合成するコンポジター、3Dデータを作成するモデラーなど、それぞれの専門性に応じてプロジェクトにアサインできるのが弊社の特徴です。
採用にあたっては、未経験者もいらっしゃるのでしょうか。
ゲーム業界でデザインにたずさわっていた方など、遊技機業界と近い領域での経験がある方が入社した事例があります。ただ、一般的にゲームと遊技機は「似た業界である」との認識を持っていらっしゃる方もいるかと思いますが、どちらもCGやアニメーションを作るといっても、扱うツールの違いがあり実作業は異なります。
映像開発は共通しながらも、遊技機ジャンルならではの特殊性もあるんですね。
そうだと思います。私はよく遊技機映像の仕事を映像業界の「宮大工」の仕事に例えているんです。一般的な映像制作技術があっても、遊技機の映像にすぐに応用できるわけではなく、業界に入ってから一人前と呼ばれるまでにはそれなりの「修行期間」を必要とするのは、宮大工の世界と似ていると思っています。
例えば、遊技機の映像は、実機を楽しむユーザーの方々に期待を持たせる必要もあるんです。一つのカットを何秒間見せるのか、どのタイミングで演出を入れるのかなど、緻密な計算が求められますし、別ジャンルでの経験がすぐに応用できるかというと難しさもあります。
ただ、必ずしもパチンコやパチスロが好きな必要はありません。企画職は遊技機への理解、機械の構造やユーザーの遊び方まで研究するのが必須ですが、デザイナーに関していえば、遊技機の特殊性を「面白がれる人」が向いていると思っています。
過去の実績を「構造的に説明」できる人を求めて

採用活動において、どのような点を重視されていますか。
過去のキャリアを「自分の言葉で説明できるかどうか」を重視しています。成果を出した経験があるのなら「なぜ、達成できたのか」「どのように取り組んだのか」を、具体的に説明できる方が望ましいです。面接で、話すことが得意である必要はなく、時間がかかったとしても「自分の仕事を構造的に説明しようとする姿勢」がみえれば、信頼します。
クリエイティブ職では過去の制作実績を示すポートフォリオも欠かせませんが、単純に実績を一覧として並べるだけではなく、見せ方に意図があるかどうかもチェックしています。過去には書類の応募時点で、時系列に沿った紹介ではなく、一連の作品をストーリー立てて紹介するポートフォリオを作っていた方もいて「なぜそうしたのか」を面接で掘り下げてみたいと思い、採用した事例もあります。制作実績だけでなく、趣味や特技でも「自分を魅力的に見せよう」と工夫している方には、面白さを感じます。
入社後の教育制度についても、教えていただきたいです。
現状は15名ほどの規模ですので、教育制度にはまだ課題があります。基本的には、入社直後からプロジェクトに関わってもらい、OJTで現場の実務を学んでいただきます。スタッフの前職もさまざまで、似たようなキャリアを歩んできた先輩社員から実務の相談ができるのは、弊社ならではの良さだとも思っています。先述したゲーム業界のように、別業界から弊社へと入社し、経験を重ねてプロジェクトを完遂できるまでに至った人材もいますし、実務での悩みや苦労を共有できる環境でもあります。
一緒に働きたいのは、周囲のために「文句を言える人」

会社としての展望を教えてください。
遊技機の映像開発が主力ですが、今後はアニメーションの撮影にも力を入れていきたいです。遊技機の仕事は制作者の名前を表に出せないことが多く、スタッフが「この作品に関わった」と主張できる機会を増やしてあげたいんです。将来的には、テレビ放映されるアニメーション作品にも挑戦したいです。現状では実写の撮影や編集、広告映像の比重も増やしていますし、領域を横断しながら弊社としての「ブレイクスルー」をねらっていきたいと思っています。
新たな分野への挑戦も視野に入れる、御社ならではの強みとは何でしょうか。
プロジェクトマネジメントには、自信があります。映像開発会社としてみられる機会も多いですが、実際には映像だけでなく、関連するプロジェクト全体に関わっていますし、弊社にいるのは「まとめる力のある人材」です。小規模の会社ながら「映像を丸ごと1本任せたい」というご依頼もいただきますし、各分野にすぐれた人材をプロジェクトによってアサインしながら進行を担えるのも、強みです。
遊技機では、有名なIP作品に関わるやりがいもありそうです。
そうですね。過去にヒットした機種や既存作品の映像表現をまねするだけではなく、新たな表現を提案できるのも楽しさです。熱意あるスタッフもいて、扱う作品への敬意を込めて、古い作品のほんのワンシーンのカットを再現しようと努めるなど、それぞれのこだわりも反映できるので、クリエイターとしてのやりがいを感じていただけるはずです。
最後に、一緒に働きたい人材の理想像も教えてください。
端的にいうのであれば「文句を言える人」です。ただ、日頃の不満や愚痴を吐き出すのではなく、自分が成長するため、あるいは会社の環境をよくするために「意見を出せる人」を求めています。過去には、テレワーク環境が続いていたものの、コロナ禍が落ち着いた時期に「バラバラに仕事をしているだけでは何も生まれないので、出社して仕事がしたい」と訴えてきたスタッフもいて、週1回、週2回と回数を増やしながら、出社できる仕組みを再び作りました。
意見といっても、根本のきっかけとしては「自分の環境をよくする」という、自分目線の考えでかまわないと思っています。それが本人の成長につながるのであれば、結果としてクライアントを含む周囲にもいい影響を与えると思っていますし、日々考えながら、自発的に動ける人と一緒に働きたいです。
取材日:2026年6月18日 ライター:カネコ シュウヘイ
ミリオンジェネレーションズ株式会社
- 代表者名:郡司 牧人
- 設立年月:2020年2月
- 資本金:300万円
- 事業内容:ゲーム・アニメ・遊技機・アプリ・番組・広告の映像制作、アプリなどのプログラム開発
- 所在地:〒150-0011 東京都渋谷区東2-14-21 ツインツリービル
- URL:http://www.milliongenerations.co.jp/
- お問い合わせ先:03-5839-2178






